佐野side
俺は咄嗟に晴明の方へ走った
その時
「確かに成長したね」
そう返事した
だけど、秋雨の時とは違い、違和感はなかった
「だけど、まだ成長段階じゃないかな?」
「え……?」
「だって、体育祭の時、術を使うの躊躇ってたじゃん」
あ……
ちょうど、晴明と喧嘩した前日の話だった
あいつ、そこまで……
「それに、まだイタズラとか好きだし」
これは多分授業の時の話だろう
そうやって、俺の改善点を説明して言った
どれも、自分で直さなきゃいけないと思っていたところばかりだった
こんな短期間で、そんな所まで見抜いたのだ
「そうでしょ、佐野くん」
説明が終わった後、こちらを向き
いつもの笑顔を見せた
ったく……
「とんだクソガキだな」
「君にだけは言われたくないよ」
まぁたしかに
その間に、ナニカがほかの姿に変形しようとしていた
「無駄だよ」
その瞬間、動きが止まった
「僕は、ずっと彼らを見てきた」
「担任として、生徒を見てきた」
そう言いながら、晴明はナニカに近づいた
「君がどんなに僕の元生徒達に化けても、僕は騙されることなんてない」
絶対に
その後、ナニカが喋り始めた
「なんで……縺ェ繧薙〒鬨吶&繧後↑縺???」
そのあとの言葉は、色々と混ざってしまい全く分からなかった
「佐野くん!」
ただ、気づいた時には
目の前にいた
明晴side
「佐野くん!」
喋り終わったあと、ナニカは佐野くんの前にいて
彼を取り込もうとしていた
ダメだ、間に合わない……
そんな時
「うぉぉおおおお!」
そんな声が聞こえ、気づいたら
秋雨くんが佐野くんを庇っていた
「秋雨くん!」
「秋雨!」
「なんか記憶ないけどやらかしただろうから謝る!」
すまん!そう言った
ただ、そんなことはどうでもよかった
「無事で、良かった……」
「というか、安倍は先生つけろ!?」
「そいつ晴明」
「……え?」
「え待ってこの状況でばらすの?」
さっきまで零れそうだった涙が一瞬にして引っ込んだ
ちょっと佐野くん?
「え、いや安倍は……は?」
「ほら混乱しちゃったじゃんかー!」
「知らねぇよ」
「知らないじゃないでしょうがー!」
そんなツッコミをしている間に、ナニカは僕らを襲ってきた
「おわ!?」
「ッ……」
「なんだこれ!?」
一応避けられたが、どんどん攻撃してくるため
助けが来るまで避け続けるのは限界を感じた
「ちょ、きりねぇよこれ!」
「晴明!お前退魔の力使えるんだよな!?」
「使えるけど、今は……」
そう、使える
だが、佐野くんだけではなく秋雨くんもいるのだ
僕の力は秋雨くんの妖力、ましてや存在自体を祓ってしまう可能性があるのだ
そんな危険なこと……
「大丈夫だ!」
「!」
「お前ならできる!」
「佐野くん……」
「そうだぞ晴明!」
「晴明ならできるぞ!」
「……」
ここまで信頼されてるんだ
なら……
「わかった、試してみる!」
「じゃあ攻撃は俺と秋雨で受ける!」
「どんとかかってこいやー!」
コメント
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佐野君と雨秋君を信じて退魔の力使ってお化けを倒してね。話良かったです次の話すごく楽しみに待ってます。«٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク