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ー注意ー
・ご本人様と関係ありません
・腐注意
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『きみが愛おしい!』
sr視点
窓から吹く風が心地よい。
聞こえる古典の先生の声が右から左へと
流れていく。
授業なんて全く聞いていない俺の目線の先
には、外で元気良く走り回る雲雀の姿。
サッカーをしているのだろうか。
クラスでボールを追いかけている。
満面の笑みがどうしようもなく愛おしい。
ふと目が合うと、ニコッと笑って手を振ってくれた。
ほのかに頬に熱が集まる。
弱々しく手を振り返して、自分の授業へ戻る。
よく笑う姿も、
宝石のように輝く瞳も、
鳥が羽ばたくように伸びる歌声も、
全部大好き。
俺は君のことが大好きだ。
授業が終わってチャイムが鳴る。
するとすぐに凪ちゃんがこっちへ来た。
そして机を叩いて一言。
「お前、雲雀のこと見てただろっ!!!」
凪ちゃんは怒っているのか絶妙に分からない顔で俺を見る。
「授業もろくに聞かずに、ずっと雲雀のこと見てただろっ!!!」
「そうだよ。俺雲雀のこと大好きだもん。」
「くっ、こいつ……イチャイチャしやがって。」
クラスの窓側。
こんなに大声を出している凪ちゃんが一番
目立ってるなんて口が裂けても言えないや。
「てかさ、俺どうしたら良いの?」
「どうしたら、とは雲雀のことですか?」
「そうだよぉ。やっぱ告白した方が良いかなぁ。」
ぐでっと机に突っ伏す。
そのまま凪ちゃんを見れば
呆れたように俺を見つめた。
「そんなに悩んでるんだったら告白したらどうですか?」
「でもさぁ、」
嫌われたり、避けられたりしたら俺泣いちゃうかも。
そう言えば、また凪ちゃんがため息をする。
あ、また呆れてる。
「言葉にしないと苦しいものですよ。
それに雲雀はそのくらいじゃ貴方を嫌ったりしません。
この相談何回目ですか?
もう告白しちゃいなさい。」
あ、チャイム鳴るので私は戻りますね。
小走りで戻る凪ちゃん。
やっぱり告白した方が良いのかな。
まだ自分の気持ちが整理できないまま授業を受ける。
やっぱり授業は頭に入って来なかった。
また凪ちゃんが呆れてた。
凪ちゃんと奏斗は放課後に生徒会の仕事がある。
生徒会室には、基本的に関係者しか入ることができない。
『別に会長権限でセラとひば入れるようにはできるよ』
なんて奏斗が言って凪ちゃんに怒られていたのを思い出す。
でも俺は雲雀とたくさん話せるこの時間が大好きだから、
2人を待つ間にこうやって俺の教室で話している。
凪ちゃんが顔面でボールキャッチしてた、とか。
奏斗が珍しく授業で居眠りしてた、とか。
そうやって話をしているときも、
笑ったり、驚いたり、
コロコロと表情が変わる。
そんなところが愛おしい。可愛い。
「……セラお、どした?」
「んー?何でもないよ。」
雲雀のコロコロ変わる表情を見ていたのがバレたのか、
相槌もしない俺を少し拗ねたような表情でこちらを見ている。
「かわいいねぇ。雲雀は。」
「は!?っ、な、か、かわっ……!?」
俺が言った独り言が聞こえた雲雀は、
すぐに顔が赤くなった。
そういうところが可愛い。
そういうところが好きなんだ。
『言葉にしないと苦しいものですよ。』
と、凪ちゃんの言葉を思い出す。
勢いに任せて告白してしまおうか。
雲雀の輝く瞳を見つめて、一言。
「雲雀、大事な話、しても良い?」