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#見捨てられた
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#forsaken
べっこう雨
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私の相棒(嘘)のチャッピーにBurgerbedtをなんとなく作ってもらいました
私じゃ!!Burgerbedt!!!書けない!!!!
あとなんかc00lkiddどっか行きました
雨の降る夜だった。
街の裏側を支配する男――Mafiosoは、古びたバーの二階で一人、煙草の煙を眺めていた。
黒いスーツ。手袋。冷たい目。
彼の名前を聞いただけで、大抵の人間は顔色を変える。
「……くだらねぇ」
机の上に置かれた書類を閉じた、そのとき。
コンコン。
控えめなノックが響いた。
「入れ」
扉が開く。
そこに立っていたのは、細身の男だった。
大きめのコートに身を包み、濡れた髪が額に張りついている。
その男――007n7は、Mafiosoと目が合うと、ほんの少しだけ肩を震わせた。
「……失礼します」
「何だ、お前」
「……頼まれていたものを」
007n7は小さな鞄を差し出した。
Mafiosoが受け取る。
中身を確認してから、彼は眉をひそめた。
「お前、これ一人で持ってきたのか?」
「……はい」
「馬鹿か?」
「……すみません」
「怒ってねぇよ」
「……?」
Mafiosoはため息をついた。
目の前の男は、とにかく大人しい。
何を言っても「はい」か「すみません」。
なのに、不思議と逃げようとはしない。
「……名前は?」
「007n7です」
「変な名前だな」
「よく言われます」
ほんの少しだけ。
007n7が笑った。
その瞬間、Mafiosoは言葉を失った。
ほんの一瞬だった。
けれど確かに――
綺麗だと思った。
「……何ですか?」
「いや」
Mafiosoは視線を逸らした。
「なんでもねぇ」
それから、007n7は何度も店に来るようになった。
最初は仕事のため。
そのうち、仕事がなくても来るようになった。
「……また来たのか」
「……迷惑ですか?」
「そうは言ってねぇ」
「じゃあ……いてもいいですか」
「好きにしろ」
そんな会話をするだけだった。
007n7は窓際の椅子に座って本を読む。
Mafiosoは仕事をする。
会話はほとんどない。
それでも、不思議と居心地がよかった。
ある夜。
007n7が突然、小さく呟いた。
「……Mafiosoさん」
「ん?」
「どうして、そんな仕事をしてるんですか?」
Mafiosoの手が止まった。
「……昔から、こういう世界しか知らねぇんだよ」
「……そうですか」
「お前は?」
「僕は……」
007n7は少し考えた。
「普通に、生きたかっただけです」
その言葉に、Mafiosoは胸の奥を掴まれたような気がした。
普通に生きたい。
そんな当たり前の願いすら、この街では贅沢だった。
「……だったら、俺のそばにいるな」
「どうして?」
「俺の近くにいると、普通じゃいられなくなる」
「……それでも」
007n7は顔を上げた。
「僕は、ここにいたいです」
「……」
「あなたのそばが……落ち着くから」
Mafiosoはしばらく何も言わなかった。
そして、低い声で呟いた。
「……本当に、変な奴だな。お前」
「……よく言われます」
今度はMafiosoも、ほんの少し笑った。
数日後。
組織の裏切り者が現れた。
そして、その標的にされたのは――007n7だった。
「……あいつに手を出したのか?」
Mafiosoの声は、いつものものとは違っていた。
部下が震えながら頷く。
「はい……」
Mafiosoは拳を握りしめた。
自分でも理解していた。
なぜ、こんなにも怒っているのか。
なぜ、彼が傷つけられることを想像するだけで、息が苦しくなるのか。
答えは、とっくに分かっていた。
「……俺は」
誰もいない部屋で、Mafiosoは呟く。
「アイツを失いたくねぇんだな」
その夜。
007n7を見つけたMafiosoは、彼の肩を強く掴んだ。
「馬鹿野郎」
「……Mafiosoさん?」
「何で勝手にいなくなる」
「……ごめんなさい」
「謝れば済むと思ってんのか」
「……」
007n7は俯いた。
するとMafiosoは、ふっと力を抜いた。
「……怖かった」
「え?」
「お前がいなくなると思ったら……怖かったんだよ」
007n7が目を見開く。
マフィアとして誰よりも恐れられている男が。
初めて、自分の弱さを見せていた。
「……僕も」
007n7の声が震える。
「あなたがいなくなるのが、一番怖いです」
静寂。
雨音だけが二人の間を流れていく。
Mafiosoはゆっくりと007n7の手を取った。
「……だったら、もう離れるな」
「……はい」
「俺のそばにいろ」
「……はい」
007n7は小さく笑った。
そして、握られた手を握り返す。
硝煙の匂いが染みついた街で。
二人が選んだのは、あまりにも不器用な約束だった。
それでも――
その手だけは、二度と離さなかった。
コメント
1件
みぅです🤍🥀読ませてもらいました。 13話、すごく好きです。Mafiosoが「怖かった」って認めるシーン、心臓がギュッてなりました。007n7の「僕も」が返ってくるまでの間(ま)が、ほんと良くて。雨音だけが流れる静けさ、硝煙の匂いが染みついた街で交わした不器用な約束。二人の距離がようやく縮まった瞬間、ちゃんと描けてるなって思いました。 ありきたりな雑炊さんの書く「暗さの中の優しさ」、今回も胸にきました。続きが楽しみです🌙