第三話:君にとっての音楽
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赤「 今日はさ、この学校を案内してよ 」
青「 ………………… 」
「 僕が…?! 」
赤「 え、うん 」
青「 ……まぁ、いいけど… 」
「 昨日言ってた秀才とかと会えるかもだし 」
赤「 興味あるんだ、笑 」
青「 まぁ、そりゃ…ね 」
赤「 俺や青ちゃんは一瞬で分かるもんね笑 」
青「 そうだね、笑 」
「 じゃあ昼休みに行こう?笑 」
赤「 おっけ〜!! 」
「 それまで勉強頑張ろ、! 」
青「 僕も早くみんなに追いつかないと… 」
赤「 分からないところあったら教えるよ〜 」
青「 助かる〜… 」
ーーーーーーーーー昼休みーーーーーーーーーーー
赤「 よっしゃぁ! 」
「 行くぞ〜!! 」
青「 元気だね〜… 」
「 僕は人が多すぎてどうにかなりそう… 」
赤「 まぁ、喋りかけてくる人は 」
「 なかなかいないでしょ 」
青「 そうだといいんだけど… 」
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青「 ここが音楽室 」
赤「 意外とデカそうだね… 」
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~~~~~♪
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青( 誰がピアノ弾いて…? )
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ガラガラガラ、
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×?「 ……………… 」
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僕達が入ってきたことにも
気づかないほど集中しているのか、
その子は演奏も止めないし、
こちらも見ない。
ただ、鍵盤を恨めしそうに見ながら
ピアノを弾いていた。
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数分もすれば、演奏が終わった。
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×?「 ふぅ… 」
×?「 ……?! 」
「 あの、ッ…誰ですか…?! 」
赤「 君凄いね… 」
「 圧倒される演奏だった… 」
青「 何年ですか…? 」
×?「 …二年、の 」
黄「 片ノ瀬 黄 です… 」
青「 何組…? 」
黄「 …一組、です… 」
赤「 俺と一緒か 」
「 まぁ、会ったことは無いと思うけど、笑 」
黄「 あ、転校生の…? 」
赤「 そうだよ〜 」
「 あんまり関わらないと思うけど、 」
「 よろしくね、笑 」
黄「 うん、よろしく…? 」
青「 黄くんは、音楽が好きなの? 」
黄「 …音楽なんて…ッ、大っ嫌い゛!! 」
赤「 じゃあなんで…? 」
青「 黄くんにとっての音楽は 」
「 無くていいけど、 」
「 無かったらダメなんでしょ 」
黄「 ………… 」
「 貴方は僕の心が見えるんですか…?笑 」
青「 まぁ、そんなところだよ笑 」
黄「 …そう、ですか、笑 」
赤「 …もしや、君が噂の、音楽の天才…? 」
黄「 あ…えっ、と…その… 」
赤「 …ごめん、嫌なこと言った… 」
青「 …僕達はね、人と少し違うんだ 」
黄「 違う…? 」
青「 うん、 」
「 普通の人とは違う能力がある 」
青「 だから、虐げられてきた 」
「 怖い思いも沢山してきた 」
黄「 二人が…? 」
赤「 うん 」
「 本当に、この世界ってさ 」
「 生きにくいよね、笑 」
黄「 ……ッ 」ポロポロ
青「 きっと黄くんも、ずっと 」
「 耐えてきたんでしょ 」
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僕の能力は、
その人の思いが強ければ強いほど
勝手に見えてくる。
その子が今、思ってることも見える。
四分音符や、ト音記号、
音楽に関係する記号が
黄くんの頭の中でいっぱいになっている。
その中には真ん中にポツンと、
泣いている黄くんが立っている。
きっと今、赤くんにも
僕と同じような光景が見えている。
きっとこの子は音楽の才能を与えられて
周りから羨ましがられて
普通に接してもらったことが無い。
そんな気がした。
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青「 黄くんは、僕達の事をどう思う? 」
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こんな事を聞かなくたって
覗こうと思えば覗ける。
でも、口から聞きたい。
それが心で思ってる事と一致しているのか
していないのか、を。
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黄「 僕は、二人が 」
「 大切な人のように思えます…ッ 」
青「 …そっか、笑 」
「 良かった笑 」
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今の言葉は心と一致している。
さっきまで、泣いている黄くんが
心にいたのに
今では僕と赤くんが
黄くんの目の前で笑っていて、
黄くんも笑っている。
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赤「 これからも仲良くしようね! 」
「 よろしく!!笑 」
青「 僕からも、よろしく笑 」
黄「 はい、よろしくお願いします!笑 」
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前の一人の僕も好きだったけど、
今こうやって話せる仲間がいた方が
楽しいや。
また明日も、学校の中を歩いてみよう。
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×?「 …頭痛いな… 」
「 ひとりで、ゲームしてたい… 」
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コメント
1件
黄くんの思いが聞けて良かった、! そうだね、みんなと居た方が楽しい時もある、、!!