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声の主の顔を見た途端……背筋に悪寒が走った。……どうしてこんなところにいるのだ?……ここは現実じゃない。……ここにいるべきなのは僕であってお前なんかじゃ……。
「さあ、目を覚ましてごらんよ……」……! 目が開いた瞬間に感じたのは……全身を貫く痛みだった。……痛っ!……身体中が軋むように痛いぞ!?……いったいどうなってるんだ!!
(※)……それに、ここはどこなんだ? 僕はいったい、いつの間に眠っていたんだろう? 辺りを見回したが、暗すぎてよくわからない。……しかし、何だろう……? 空気の中に漂う嫌な雰囲気といい……
ここだけ世界が違うみたいじゃないか……。
まるで……そう……夢の中のような雰囲気というか……
ってことはまさか……まだ寝ぼけてるんだろうか……
でも、あの夢は何なんだろう……?……あんなリアルな夢を見るなんて初めてだし……
そもそも夢にしては、妙にリアル過ぎたしなぁ……。……うーん……やっぱり疲れてるのかな……
まあいいか、とりあえず状況を整理しよう……。
確か……昨日の夜はいつも通りバイトを終えて……そのままアパートに帰った後……風呂にも入らずにベッドに入って……それで……そのまま眠ってしまったわけだよな……。
という事は今は朝ということなのか? それとも昼頃なのかもしれないけど……外が真っ暗なせいでよくわかんないんだよなぁ……。……ということは夜までずっと眠っていたことになるんだけど……。それにしてはこの体……かなり調子いいし、なんか変だよなあ。まぁいっか。とりあえず外に出よっと。
おー。ここどこ?森とか林っていう感じの場所かな……?うーん……なんとなく覚えてるぞ……?確か俺は、あのよくわからん男に襲われていた女性を助けようと走っていって……その後どうなったんだっけ……!?えぇ……全然思い出せない……。でも確かに俺あの時……男の腹刺されてたはずなんだよな……じゃああの男を倒した後気絶してここに運ばれた……のかな……それとも死んでしまったのか……まあいいか。考えてもよくわからないし!よし、考えることをやめよう!それよりここはどこなんだろ?周りを見てみると人っ子一人いないみたいだし。やっぱり俺死んじゃったのかね……せっかく異世界転生できたと思ったらすぐ死亡かぁ……残念だったなぁ……。せめてもっと女の子たちと仲良くなってハーレム作りたかったな……。
ガサッ……
後ろの方で音がしたので振り向いてみると一人の男が立っていた。背丈はかなり高い方で体格も良いほうである。しかし服装はとてもボロく薄汚れており顔も髪もぼさぼさだ。とてもじゃないけどこんなところで生活しているようには見えないな……。まあこんな森の中に住んでいるような奴といえば山賊くらいしか思いつかないのだが。とにかく話しかけてみるか……。もし敵ならすぐに逃げればいいだけなのだから。まあ仮にそうだとしても逃げる暇もなく瞬殺される可能性もあるのだけれどね……。とりあえず笑顔を作って話しかけてみた。まずは相手の出方を伺ってみるしかない。男は俺を見ると驚いた顔をしたが次の瞬間ニヤリと笑ってこういった。俺は山賊じゃねえぞ!!と……。一瞬どうしようか迷ったがここは嘘をつくことにした。いきなり襲いかかられたら面倒だし、万一襲われても負けるとわかっている相手に戦うほど馬鹿ではないからだ。俺は山賊じゃないんですね……。すると相手はすぐに謝ってきた。そしてこう続けた。俺は山賊じゃないんだが訳あって追われてる身なんだ。それでここへ来たんだがまさか先に人がいるとは思わなかったよ……。あんたが来てよかったぜ!もしあんたが来なかったらまた歩き回らなくちゃいけなくなるところだったんだ……。そこで提案なんだがしばらく一緒に行動しねぇか?勿論ただなんて言わないし寝床だって提供できると思う。なんせ隠れ家がいくつもあるんでね