テラーノベル
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藤澤 side …
あれからどのくらい時間が経ったのだろうか。いつの間にか暗くなった空はまるで今の僕の心境のようだった。
どうやら僕はいつの間にか泣き疲れて眠ってしまったようだった。スマホを開き、時刻を確認する。スマホの時計は20時を指していた。
「…ぁ」
僕が眠っている間に溜まった、メールアプリの通知を見る。早く返信しなきゃ。分かってる、分かってるのに、なかなか指先がメールアプリに触れようとしない。なんだか、今は周りの人達からの言葉も全部どうでもよく思った。
僕はメールアプリをスルーし、SNSを開く。少しだけ、周りから目を逸らそう。そんな考えからだった。
SNSを開くと周りの幸せそうな投稿や、誰かの愚痴を呟く投稿、様々な投稿が画面を埋め尽くす。別にこれらの投稿に興味なんてない。ただ、気持ちを紛らわすために目を通しているだけ。そんな中、ひとつの広告的な投稿に目がいく。
「…薬?」
明らかに怪しい薬に関するサイトのリンクが貼り付けられた投稿だった。どうせ麻薬やらそんなものだろう。あまりこういうサイトは見ない方がいい、だが僕は興味本位でそのサイトのリンクをクリックした。
サイトに入ると想像通り聞き慣れない薬の名前が沢山でてきた。一つ一つの商品、薬には全て一言の商品紹介が書かれていた。それらを一つ一つ読んでいきながら、どんどんサイトを深く読み進める。その時、ひとつの商品に目がいった。
『大切な人を失ったあなたへ』
そう書かれたひとつの商品。なんだか、今の僕に合いそうな商品だな。僕はその商品の詳細を開いた。
どうやらこの薬は、大切な人を失い、精神的に不安定な方のために作られたものだった。この薬を対象者、つまり大切を失った人と自分、または他の人に飲ませると、対象者はそのもう一人の薬を飲んだ相手が”対象者の大切な人”に見えるという魔法のようなものだった。
「…今じゃこんなものも作れるのか、笑」
あまりにも胡散臭い話につい笑いがこぼれた。もしこの薬の効果が本物なら、この薬はとんでもないものだ。…まぁ、僕には無関係のこと。別に誰かを失った訳では無いし。そんな風に思いながら、サイトを閉じようとしたその時。ふとこんなことを考えた。
この薬を、元貴に飲ませたら?
元貴の大切な人、それはきっと若井だ。元貴と僕がこの薬を飲む、そして僕が若井を消す。そうすれば、元貴からは僕のことは若井に見えるのではないか?
「もしそうなら…僕は元貴にとって、”大切な人”になれる、?」
段々とお話が繋がろうとしてる…?
作者大興奮(?)
次回もお楽しみに😏❤️🔥
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コメント
6件
だんだんと繋がってきてる!!! これはもう一話から読み直すしかないですね……!(ただ自分がみたいだけ)
うわああえぐいですよ!!続き楽しみにしています!!
フォォォォ!!(大興奮)最高の展開になって参りしまたねぇ!!!更新ありがとうございます!大好きです最高です!!!