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藤澤 side …
午前10時。重たい体を動かして、スタジオの廊下を歩く。朝なのに暗いスタジオの廊下の空気は、なんだか新鮮に感じて、懐かしくも感じた。
「…おはようございます」
重い扉を開け楽屋に入ると、そこにはいつもの君がいた。
「…涼ちゃん!おはよ!」
元貴は僕の姿を見るなり大きく目を見開き、そう呟いた。そして座っていたソファから立ち上がり、僕の方へと歩み寄ってくる。
「心配したよ〜!涼ちゃん急に体調崩すんだもん!」
「ごめん、多分夜に薄着で走ったからだ、笑」
ちゃんとしてよ〜、と僕の大好きなあの笑顔で君は笑った。また君の笑顔を見れて、また君に会えて、本当に幸せだった。
…でもね、もっと欲を言うとね、
君のその笑顔を消してしまいたいぐらいにね、
僕は君を独り占めしたいんだ。
「…そうだ元貴、お詫びって言ったら変なんだけどさ、今話題になってるキャンディー買ってきたんだよね。食べる?」
いいの?、と彼は瞳を輝かす。僕はポケットの中に入れたキャンディーの箱の中から、1粒のピンク色の包み紙で包装されたキャンディーを彼に手渡した。
「ありがとー!…何味かな」
彼は丁寧に包み紙を開け、キャンディーをひょいと自身の口の中に放り込んだ。
そのキャンディーに”薬”が入っていることなんて知らずにね。
「んー…いちご味…?」
「お、正解!」
やったー、と微笑む彼に少しだけ罪悪感が残る。でも、僕は君のことを心の底から愛しているんだ。だからこんな汚い手を使ってでも、君を陥れるんだよ。
元貴と少しだけ雑談を交わしていると、部屋のドアがガチャッと開く音がした。
「…あれ!?涼ちゃんじゃん!」
部屋に入ってくるなり、僕の方へとズカズカとやってきたのは若井だった。
「迷惑かけちゃってごめんね、風邪ひいてた」
「ほんとだよ!めっちゃ心配したんだからな〜!?」
ふはっ、と元貴の笑う声がする。少しだけ胸の奥の傷跡が痛むような気がした。なんだか、あの日の夜を思い出す。
「………ぁ、僕スタッフさんのとこ行ってくるね、休んでる間の話とかもあると思うし!」
僕はそれだけ言い残し、スタスタと早歩きで楽屋から出た。僕が居なくなり2人がどんなことを話そうと、もう2人にはそういう関係がある。もう手遅れなんだ。
僕が元貴のことを追いかけようと、僕が若井を消しちゃおうと。
「…はぁ、」
気持ちを落ち着かせるためにした深呼吸は、スタジオの廊下に重く、大きく響いて聞こえた。
どんどん暗くなっていけ…!!笑
作者は今、ものすごく
ハッピーで愛らしいお話が書きたい気分です😼
なんか「crazy clock」も「溺」も
「泳がす貴方と泳ぐ僕」も、
なんとなーく暗くないですか?(?)
「泳がす貴方と泳ぐ僕」とか個人的には
凄くドロッドロで暗いなと思います…
「Part of me」は明るそうでちょい暗い…?
なんか私の考えるお話、
全部闇深めな気がします🥲
若井さん受けのお話とかも
今のところ考えてるお話の内容、
全部真っ暗闇深です笑
いつか明るいお話も書きたい…
そんな風に思っております💭🖤
それでは、また次のお話で^^
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コメント
6件
闇が深くなってきたぞ??
初コメ失礼します!! 一気読みしました!続き楽しみすぎる!!あと大森さんめちゃかわよくて好き!! フォロー失礼します!!
最高です!!!!!!!続きが早くみたいです!