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「暗殺家業の子はやめとき。まじで終わってるから」
とある配信の一言をお借りして小説をお書きしました。ガチで短編。mb視点です。
「やめときな、暗殺家業の子供なんて」
暗闇の中そう話しかけてくる大人の男。最悪手を出されても対抗できるほどの力は持っている。暗殺家業の言葉が出てる時点で裏の人間なのはわかるし、何か言われても殺せばいいだけ。
「本当に終わってる。まじでやめな」
俺だって、やりたくてやってるわけじゃない。怒られないためにやってるだけで、生きるためにやってるだけだ。
「もちろんさ、お前の親は変われないよ。だってそういう人だろ」
俺はただ黙っていた。
「お前は一生雨に打たれていたい?」
そんなわけがないだろう。俺だって、虹のかかるところで過ごしたいよ。
「だったら、お前が変わるしかないんだよ」
俺からは男の顔がよく見えなかったが、優しく微笑む神のような声をしていた。
「辛くたって、悲しくたって、寂しくたって。いつか、笑える日が来るかもしれない。それは、お前が行動しないと手に入れることが一生なくなる未来だ」
「死にたくなったって、いつか笑って過ごしたいと、夢思ってるなら。走れ、走って走って。汚れたって、汚くたって。この世界中のどこかには多分きっとお前を受け入れてくれる人はいる」
「それまでにどれだけ挫折したって、泣いたって、どこかで出会えると願って、走るしかないんだ。人は変えられない。だから自分を変えるんだ」
「それがどれだけ怖いかも、辛いかも、お前次第だ。俺は、辛かった。怖かった、怯えていた。だから、行動できなかった。人がいないと、ダメだった。俺は、弱虫だけど恵まれてたんだ」
俺は、情けの言葉をかけられているのか?恵まれているやつに、なんでこんな言葉かけられないといけないんだっ。
「だから、俺は今度はお前を助けたい。俺はさ、恵まれてた。明るい奴らが周りにいたから怖くなくなった。でも、俺もそのままは嫌だ。怖いよ、辛いよ、死にたいって思う」
その言葉がどれほど細く怯えていたものかくらい、俺にはわかっている。
「でも、行動しないと何も、なんも始まらない。虹のかかる場所にはいけないかもしれない。でも、雨を凌げる場所はあるかもしれないんだ」
「ねぇ、走らない?俺が、お前を受け入れてくれる人のところまで連れて行ってあげる」
俺は、その男の手をいつの間にかとっていた。
その男は今どこにいるかはわからない。けれど、その男はしっかりと俺を受け入れてくれる人のところまで連れて行ってくれた。
「この人かっこいいんだよ!」
そう、俺を受け入れてくれる人が指差したかっこいい男の人の背後にその人はいた。
「俺は、この人が好きだな」
光り輝く世界は俺にとって無関係だと感じていた。けれど、俺はそんな光り輝く世界を見れている。そして、俺を救ってくれた人は光り輝く世界にいて、またどこかの誰かさんを知らずのうちに救ってるんだろう。
『えー、みなさん!こんにちわ、こんばんわ。にじさんじ所属新人バーチャルライバーのセラフ・ダズルガーデンです〜』
あの日救ってくれたあの人はあの日と変わらない声で、顔で笑っていた。
『いや、本当に30万人ありがとうございます!』
俺は、この人に救われた。いつか、俺も救う立場になりたい。この人みたいに、俺の恩人みたいに。
「セラフさん、ずっと応援しています」
-名無しの救われ人