日常組
sn✕kr
視点 kr視点
※口調迷子
※伽羅崩壊
※死ネタ
その病にかかると、人は月の光を浴びるたびに寿命を削られていく。
満月の夜が来るたび、確実に死へと近づく「月命病」。
——そして、今。
俺の目の前にいるしにがみくんは、静かに空を見上げていた。
sn「ねぇ、クロノアさん」
ある日、しにがみくんは俺に言った。
sn「僕、多分長くないです、」
唐突にそんなことを言われて、俺は思わず笑ってしまった。
kr「急にどうしたの、?笑、、そんな冗談つまんないよ、?」
sn「冗談なら、よかったんですけどね」
しにがみくんは苦笑しながら、手を見せる。
指先が、わずかに透けていた。
kr「、、、、こ、これって、、、、、」
sn「月命病、だって、、、」
月命病。
それは、一度感染すると治す方法がない不治の病。
夜ごとに少しずつ体が透け、やがて月の光に溶けるように消えてしまう。
kr「嘘だろ、、、、?」
信じたくなかった。
kr「しにがみくん、ずっと黙ってたのか?」
sn「言ったら、クロノアさん泣くでしょ、、、」
kr「、、、ばか、、、」
俺は奥歯を噛みしめる。
kr「助かる方法は、、、、?」
sn「ないです」
しにがみくんは軽く笑って、月を見上げる。
sn「あと、一回か二回、満月を見たら消えるらしいですよ」
それからの数日間、俺は手当たり次第に情報を集めた。
どんな方法でもいい。どんな手を使ってもいい。
しにがみくんを助ける方法を——。
だが、調べれば調べるほど、絶望だけが積み重なっていった。
『治療法は存在しない』
『古い文献には、”運命を受け入れるしかない”と書かれている』
『、、、、、奇跡でも起きない限り、助からない』
そんな言葉ばかり。
kr「ふざけんなよッ、、、、」
俺は机を殴る。
なんで、こんな時に限って——
俺は、無力なんだよ。
sn「クロノアさん、」
満月の夜。
しにがみくんは、屋根の上に座り、静かに月を眺めていた。
俺も、隣に腰を下ろす。
kr「まだ、諦めてないから」
sn「そう、ですか、」
しにがみくんは、どこか嬉しそうに微笑んだ。
sn「、、、、クロノアさんは、僕がいなくなったら、どうしますか、?」
kr「そんな仮定の話、、しないでよ、」
sn「でも、現実になるかも、、、、?」
kr「ならないよ」
俺は強く言う。
kr「しにがみくんは消えない。絶対に助ける」
sn「、、、そうですか」
しにがみくんは、穏やかに笑った。
sn「じゃあさ、一つ頼みがあるんですけど、、」
kr「、、なに、?」
sn「満月の夜、一緒にいてくれますか?」
kr「、、、ばかなの、、?」
俺は息を吐く。
kr「言われなくても、ずっと一緒にいるに決まってるでしょ」
そして——満月の夜が、来た。
俺としにがみくんは、静かに月を見上げる。
sn「、、、、キレイ、、、」
kr「、いつも月なんて見てないでしょ」
sn「でも、今日は見ておきたいんですよ、」
しにがみくんは、俺の隣で微笑んだ。
sn「クロノアさん」
その声が、どこか遠く感じる。
sn「ありがとう。」
kr「、、、、、何が、、、」
sn「クロノアさんがいてくれて、嬉しかったです」
kr「やめて、、そんなこと言わないでよ、」
俺は拳を握る。
kr「助けるって言った、」
sn「うん。でも——、」
しにがみくんの手が、ふっと宙に溶けていく。
kr「ッッ!!」
俺は必死で、その手を掴もうとする。
だが、指先が触れた瞬間——
それは、まるで霧のように、消えていった。
kr「しにがみくんッッッ!!」
そう叫んでも、もうそこにはいなかった。
月は、今日も綺麗だった。
それが、何よりも憎かった。
俺の隣に、しにがみくんがいないなんて——ありえないよッ、、、、
コメント
1件
とぴ)隣にいた人がいないのに月が綺麗だったら悲しいな …