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※出水公平の夢小説
※キャラ崩壊注意
※原作とは関係ありません
「」→夢主 『』→出水公平〔〕→その他のキャラ
〈〉→モブ ()→小さな声で呟く
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〜放課後〜出水公平side
『...はぁ。』
学校終わり本部へ向かう途中の道はやけに静かで、足音だけが響いていた。
『...(俺、なにしてんだろ。)』
今日一日、ずっと心が落ち着かなかった。理由は分かってる。昼間、米屋が何気なく言ったあの一言。
〔夢ちゃんに彼氏ができたって噂〕
『...』
思い出した瞬間、胸の奥がざわつく。信じたくなかった。でも、笑って流すほど器用でもなかった。
別に、俺がどうこう言える立場じゃない。そう思っても、心の奥に沈むものは消えなかった。
そのとき――。
プルルルル……
ポケットの中で携帯が震えた。取り出して画面を見た瞬間、呼吸が止まる。
“夢ちゃん”
『...っ』
指先が少し震えた。
“今出ても何を話せばいい”
“本当に彼氏できたんなら出ない方がいいんじゃ”
頭の中でいくつもの考えが巡る。けど、気づいたら指が「応答」を押していた。
「...先輩、今どこですか?」
聞き慣れた声だった。
それだけで心臓が痛いほど跳ねた。
「...先輩、今どこですか?」
『え?』
「今、先輩、どこにいるんですか!」
焦ったような、必死なそんな声だった。
『...本部に向かってるとこだけど。なに?』
自分でもわかるくらい、声が冷たかった。そんな自分に腹が立つ。
「すぐ行くのでちょっと待っててください!」
ガチャ
その言葉のすぐあと、通話が切れる。
一瞬の静寂。スマホを見つめたまま、思考が停止した。
『...来る?』
何言ってんだこの子、と思いながら、夢ちゃんを待つことにした。
冷たい風が頬を撫でる。何度も何度も時間を確認した。夢ちゃんを待っている時間が今までの人生で1番長く感じた。