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「わぁ!これってピーのアルバムだよね!」
僕は顔を顰めた。
「はぁ?見んなよ!」
勢い良く飛び出した拳は星螺に直撃した。星螺は僕を睨みつけて舌打ちをした。
「何その態度?あ”?」
「え?この写真何?」
よくよく見ると、僕が海で死んだ海月を触っている様子が撮られている。
僕は震えながら星螺の方をじっとみた。こんなの秘蔵写真やで!?非常に恥ずかしいと思った僕は星螺に
「僕のくだらない話すき?」
と、確認の為に訊いた。すると、星螺はにこっと笑って
「すきだよ」
と、応えてくれた。
僕は息を飲んだ。
あのね……
注意⚠️一人称は私、僕、俺などを僕は使いますが実際に忠実に再現すべく、バラバラでもそういう人なんだなぁと思ってください!
「もう着くよ〜!起きてぇ!!」
僕は目を擦って辺りを見渡した。そこにあったのは、広大な海と貝殻だらけの砂浜だった。母の優しい声は僕の心を踊らせた。僕は喉の違和感に苛立ちを抱えたまま僕は喉飴に手を出した。スカッとした為、心に余裕を持てた。僕は元々、海が大好きだ。海自体だけじゃなく地平線にも愛しさまで感じている今日この頃。だが、この時の僕は海の本当の姿を知らなかった。
「Lily(リア主)!サンダル!これ履いて行くよ?」
「はぁーい、まま!」
この時はまま呼びやけど、今は母さんにレベルアップした。僕は母から貰ったサンダルを履いて砂浜に向かった。僕にとっては、全てが夢のようだった。
僕が海岸を歩いていたら読めない漢字が書いてある看板が先に建っていた。近づいて父に訊いた。
「これってなに?」
何気ない質問が海の本当の姿を知るきっかけになった。
「あぁ、落下防止のヤツだね。」
「え?落下防止?」
「あぁ、海に攫われることが稀にあるっぽいしな」
攫われるというのは少し表現が違うかもしれない。だが、父が攫われるという表現を使ったのは恐らく「本人の同意も無しに落ちる」ということなのかもしれない。攫われたら一巻の終わりなのだ。もう、家族に会うことは出来なくなってしまうし何より自殺願望なんてなかった。自殺を知ったのはもっと早くだ。僕は呆気に取られこの光り輝く美しい海が人攫いな訳がない。僕に生きる気力と勇気をくれるこの世界が人々にとって驚異な訳が無い。
「危ないけどここなら安心だね!」
僕が満面の笑みで言っても父は
「海は、津波の発生源だしここも危ないっちゃ危ないねぇ」
と、首を横で振った。確かに津波が起きる可能性だってある。海で迷子になって帰らぬ人となってしまった痛ましいニュースだって観ている。だが、実際に海に訪れるてみると他人事だった災害や痛ましいニュースが、深く突き刺さってくる。
僕は海岸が怖くなり母に浜辺への帰還を促し成功した。母は、父から聞いた話の真偽を伝えてくれた。(別に…疑っとらんし……)
「海に行くと落ち着くけど、危険な場所ではあるね。」
やはりそうなのか。僕はサンダルを脱いで海の中に足を入れた。僕は海に直接触れて感謝したかった。仄かに暖かさを感じた。海の美しさと裏の姿。いや、大人はその姿を教えてくれないだけで本当はそれが表の姿なのだろう。子供にはその姿を見せることなく海の生き物を分厚く透明な牢獄に閉じ込めて海は無害ですよと、子供に見せているのだ。
僕は心が落ち着いたのでほっとした気持ちで海から出た。冷たさと一緒に熱々の砂浜を歩いてサンダルを取りに行こうとした時、僕の足裏に細かい破片を踏んだ感触がした。血が出てきて驚いた僕は母の元に向かってこの傷って何故出来たのかということを訊いた。すると母は、すました顔で
「あれ、サンダル履かんかったん?まぁ、痛くない?」
「うん。痛くない、けど血ぃ出た。何でかな?」
「ひょっとして海洋ゴミを足裏で踏んずけたんじゃない?」
確かに僕はサンダルを履かずに直に謝りに行った。だが、わざわざ僕は怪我しに行った訳では無い。故意では無いことは分かって欲しい。
「海ってゴミがあるんだ。」
話を聞くとますます、僕は海への印象を悪くしていくだけだ。だが、ここで目を背けたら僕の大好きな海を守って行くことは出来ない。かといって、僕だけの力じゃどうにもならない。
「理想の海を求めるだけじゃ変わらない。」
僕は唇を震わしながら母に
「海洋廃棄物、拾ってくるね。許せないから」
と、宣言した。「有言実行」それが僕の座右の銘さ。
僕は初めてボランティアらしいことを行った一人で、確かに一人じゃ何も出来ないのかもしれない。だが、一人が少しでも海を愛しく思うのならばやる、やらんは関係ないと思った。バーベキュー禁止区域のゴミも拾ってきた。少しだけだが、これで僕の愛してる海の平和は守られたと僕は自信を持って言える。
「俺は、海に届かない愛情を出し切った。」
今でも語れるいい思い出だ。だがら、僕は海洋ゴミ問題について敏感になっているのだ。
「まぁ、帰ろうか」
そんなことを言われても海が恋しくてたまらなかった。僕は貝殻を一つ持って
「持ってきたよ!海!」
と、笑顔で車に乗った。僕は母に頭を撫でられた。貝殻を耳に当てると波打つ音が聞こえてくるワクワク感と学んだこと、海を本気で好いたことを思い出して複雑な気持ちになった。
有言実行、時に誰かからウザがられたりして
悪い迷惑を受けた。だが、僕は常識より海を愛でることに重きを置いた。そしてこの奇行を両親は受け入れてくれた。それだけで有難かった。だから、僕が本格的に僕という存在を確立したのはこの瞬間かもしれない。
さて、これはガチなのでしょうか?それとも、ウソなのでしょうか?
Fin…。.:*・゜