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「生徒会がなんでこんなトコおんねん…」
「てかゾム見つかったらやばくね?成績…」
「あっ、ス―――…やばい、っすねぇ…w」
「よし取り巻き止めてくれてるしさっさと逃げるぞ!w」
「オッケーw」
できるだけ影を薄くしてらっだぁと廊下を足早に駆け抜ける。
そのまま逃げるように屋上へ向かった。
「ん〜、やっぱ気持ちいいなーっ」
「今日そんな風強ないし、ちょうどええな」
「それな。ゾム今日何食うの?」
「俺今日は唐揚げやなぁ」
「おい俺の好物!よこせ!」
「あとでカルピス奢りなw」
「やったー!!」
嬉しそうに笑うらっだぁにつられて、つい俺も顔が緩んでしまう。
ホンマに、なんでこんなやつがいじめられてんねやろ。
俺は、お前が、
「…ゾム?」
「ん?なんやらっだぁ」
「いやなんか珍しく考え事してそうだったからどうしたのかなーって」
「一言余計やねんお前」
なんでこんなときだけこっち見とるんや。
知られたくないことばっか覗かれるみたいで、踏み出すのが億劫になる。
だからまだ、お前になんも言えてへんねん。
だからまだ、俺の隣におってくれ。
ゾムと飯を食うお決まりの場所となっている屋上。
ここなら人はめったに来ないし、先生にもバレない絶好の隠れ場所だ。
さっそくゾムからもらった(奪った)唐揚げを食べようとマスクを下げて口を開けた。
「おい」
「わ゛ぁーーーーーッ!?」
「うるっさ…」
本日二度目の絶叫が俺の喉から飛び出る。
朝のゾムといい今といい、声をかけられるタイミングが良すぎるんだよ。
なんで絶対びっくりしないところで叫ぶの俺。
…じゃなくて、
「誰すか〜?」
「『誰すか』ちゃうわ。声でどうせ分かっとったくせに」
「ネタバラシよくないよ?きょーさん」
「何がネタバラシやねん。俺忙しいんやけど?」
はぁ、と溜息を吐く、俺の腐れ縁のきょーさん。
黄色いパーカーとサラサラの茶髪がトレードマークのイケメン。
クラスも違うしあまり会う機会はないけど、見かけると声をかけてくれる。
「で、今日はなんの用?」
「目が笑ってないんやけどお前」
「だってどうせロクなこと頼まれないじゃーん」
「はっ倒すぞ。…まぁええわ、単刀直入に言うで」
「なに〜?」
「お前、生徒会に入れ」