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「えぇ〜嫌だ〜…」
キレたらこの893がどうなるかくらい分かっているので、とりあえずゴネてみる。
「お前頭ええんやから価値がないとは思わんけどなぁ」
「でもさ〜、これ何回目?入れって言われんの」
「知らん。」
「言うと思った。なんでそんなに俺に生徒会なってほしいの?」
「…暇そうやから」
「今ちょっと間があったな…w」
「うるせえ」
このやりとりも、高校入ってから何回やったことか。
俺そんなに暇そうに見えるか?
普通の高校生くらいにはちゃんと忙しいんだけど。
…てか、あれ?
「ゾムどこいった?」
らっだぁが本日二度目の絶叫を出した後。
俺は光の速さで逃げ出した。
屋上のフェンスの外側にある非常用はしごを使って地上まで降り、体育館まで走る。
ステージの幕の陰に隠れて、やっと深呼吸をした。
「はぁ…マジで急に来んなや、逃げんのめんどくさいやんか…」
俺がなぜこんなにも爆速で逃げたか分かるか?
答えは簡単。
成績ヤバすぎて生徒会に見つかったら一瞬で生徒指導コースやから。
「ここ分かんのらっでぃくらいやろな…w」
さっき来ていたのはたぶん、今までにも何度からっだぁに会いに来ている奴だろう。
そのたびに爆速で逃げては第二の隠れ家であるこの場所に隠れているから問題はない。
どうせあいつの気配察知ですぐ分かるやろ。
「ゾム〜?」
「っおぉおぉおぉぅ」
「驚き方…w」
後ろからひょいっと顔を覗かせてきたらっだぁに、思わずよくわからない声が流れる。
てか驚き方に笑うなや、お前の絶叫よりマシやろが。
「今日見つけんの早かったな」
「ゾムいねえな〜ってなった瞬間どうせここだろって思ったw」
「流石だぜらっでぃw」
「きょーさん撒くのがめんどくさかったけどねー」
「なんでお前そんなに生徒会勧誘されるん?」
「知らなーい。」
「俺も知らへんわw」
軽口を叩きながら、心のどこかで『生徒会に入ればいいのに』と思っている自分がいる。
お前が生徒会に入れば、
入ってしまえば、
それでお前が幸せになるのなら。