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#御曹司
鷹槻れん

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#極道
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お願い修太郎さん、早く私の手を握ってください……。
でないと私、緊張であり得ないくらい手が震えて……恥ずかしいのですっ。
ドキドキしながら彼を盗み見たら、修太郎さんも同じように照れてはにかんでいらした。
(か、可愛いっ……)
一瞬、現状も忘れて、私は彼の表情に見惚れてしまいました。
***
修太郎さんに指輪を頂いた日。
プロポーズをして下さったその足で、修太郎さんは私を家まで送ってくださいました。
そうして両親の前で私に結婚の申し込みをしてくださったことをはっきりと明言してくださって……。私は彼に頂いた指輪を、照れながら両親に披露しました。
修太郎さんの行動力に驚くやら、恥ずかしさに照れるやらで、私は修太郎さんに支えられて真っ赤になりながら、すぐ背後に立つ修太郎さんと、目の前の両親とを何度も何度も交互に見遣ることしか出来ませんでした。
「日織、そんなに照れなくても」
とうとう見かねたお母様が苦笑交じりにそうおっしゃった。
「そもそも許婚になったのだから、そういうことが近いうちに起こるのも想定の範囲内だっただろうに。――お前という娘は……」
お父様も笑ってそうおっしゃった。
「でもっ、でもっ。そんな急に……こんなことになるなんて……思わなかったのですっ」
やり場のない恥ずかしさに、何となくプッと膨らんで修太郎さんを非難がましく振り返ったら、「ごめんなさい。僕も今日言うつもりではなかったんですけどね……つい」と苦笑なさった。
本当はお日柄などをちゃんと選んで……それなりのお店でディナーを食べてから……ムードを盛り上げてしかる後に……と思い描いていらしたのだと修太郎さんが鼻の頭を掻かれる。
照れくさそうな、可愛らしいその仕草はずるいのですっ。
わ、私の方が照れてしまうのです……。
「注文していた指輪を受け取って、日織さんの可愛いお顔を見ていたらすぐにでも僕のものにしてしまいたくて……我慢できなくなってしまいました」
あのプロポーズは結構衝動的だったのです、と吐露なさる修太郎さんが愛しくて、私は両親の前だと言うのも忘れて、うっとりと彼のお顔に見入ってしまいました。
「修太郎さん、お茶でも飲んで帰られますか?」
お母様が、止まってしまった時間を動かすようにそう提案なさって、私はハッとする。
「いえ、今日のところはこれでお暇させていただきます。後日改めてご挨拶に伺いますので、よろしくお願いします」
丁寧に頭を下げて私から離れてしまわれる修太郎さんに、思わず手を伸ばして作業服の端を掴んでしまってから……私は自分が何をしようとしているのか分からなくなって照れてしまう。
「あ、あのっ。きょ、今日は送っていただいて……どうも有難うございました」
彼を引き止めたいという気持ちを振り払うようにそう言って手を離すと、顔を隠すように頭を下げる。
修太郎さんは、そんな私の頭をポンポン、と優しく撫でてくださった。
その感触に恐る恐る顔を上げると、ほんの少し距離を詰めていらした修太郎さんが、
「また明日、市役所でお会いしましょう。おやすみなさい」
とおっしゃってから、私にだけ聞こえるぐらいの低音声音で「……僕の日織さん」と付け加えていらした。
私はそのお声に耳まで真っ赤になって硬直してしまう。
「日織?」
お母様に声をかけられて、耳を押さえてビクッと一瞬身体を震わせてから、私は玄関を出て行かれた修太郎さんの背中に声をかけました。
「お、おやすみなさいっ。――……修太郎さん」
彼のお名前を呼ぶ前に、心の中で小さく「私の」と修太郎さんを真似てみてから、その言葉の響きに心の中がほんわりと熱くなって照れてしまう。
修太郎さんは、まるで声にならなかった私の声が届いたみたいに立ち止まってこちらを振り返られると、すごくすごく幸せそうな笑顔を私に向けて、会釈していらっしゃいました。
修太郎さん、大好きなのですっ!
コメント
2件
あーん、かわいいな、ひおりちゃん!
あああ…もう、尊すぎて無理です…🥀💘 修太郎さんの「僕の日織さん」って低音ボイス、反則級にズルいです…! しかも心の中で「私の」って真似しちゃう日織ちゃん、可愛すぎて胸がきゅーってなりました。プロポーズが衝動的だったって照れてる修太郎さんと、それに真っ赤になる日織ちゃんの対比がもう…本当に愛おしいです。こんな温かい空気、ずっと読んでいたい…! れんさん、素敵なエピソードをありがとうございます🌙🤍