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文スト 太i宰 と 敦i
BL
R指定△
地雷さん さよなら
「 太 」『 敦 』
↓↓↓
『君の光に溺れる ― 再びの任務 ―』
数日後。
太宰と敦は、再びペアを組まされていた。
新たな任務――異能犯罪組織の潜伏調査。
武装探偵社の一室で、二人は資料を挟んで向かい合っている。
沈黙が重い。
目を合わせるたびに、あの夜の記憶が浮かび上がってくる。
太宰の傷はもう塞がっていた。
けれど、敦の胸の奥にはまだ熱が残っている。
彼を抱きとめた時の体温、息遣い、あの月光の下の言葉――。
「 敦君、そんなに私を見つめてどうしたの? 」
『 えっ、あ……! い、いえ! 別に……! 』
太宰が口元をゆるめて笑う。
いつもの軽口のはずなのに、その声の奥に、微かにためらいがあった。
「 私たち、妙にぎこちなくなったね。」
『 ……それは、太宰さんが急に無茶するからです。 』
「 ふふ、それは君が私を庇うからだよ。」
敦は顔を伏せた。
まるでからかわれているみたいなのに、胸が熱くなる。
太宰の指先が、書類の端を滑って止まる。
そのまま、彼はぽつりと言った。
「この任務、私が囮になる。」
『 ……え? 』
「 君は後方で待機。危険な真似はしないで。 」
『 そんなの、嫌です! 』
敦は思わず声を荒げた。
『 僕は太宰さんの後輩です! 危険を分け合うのが当然じゃないですか! 』
「 後輩、か。」
太宰の目が少しだけ細くなる。
その瞳の奥に、いつも見えない何かが宿っていた。
「 君がそう言うと、嬉しいね。……でも、私は怖いんだ。」
『 怖い? 』
太宰は微笑んだ。
それは笑顔の形をして、まるで泣きそうな表情だった。
「 君がまた、私のために傷つくんじゃないかって。」
敦は息をのんだ。
胸の奥がきゅっと痛む。
『 太宰さん……僕、怖くないです。だって、太宰さんがいるから。 』
「……君は、本当に光だね。」
そう呟いた太宰の声は、あまりに小さくて、敦には届かなかった。
沈黙の中、窓の外では夕暮れが滲んでいく。
赤と橙が混ざり、二人の影を重ねていった。
そして夜――。
任務先の廃工場。
罠のように静まり返った空間の中で、太宰は一歩前へ出た。
「敦君、ここからは私の役目だ。」
『 待ってください……! 』
手を伸ばした敦の指先に、太宰の視線が触れる。
ほんの一瞬、何かを伝えたくて、何も言えなかった。
彼らの距離は、ほんの数歩。
けれど、心の距離はそれ以上に近く、そして遠い。
――互いに惹かれながらも、踏み出せない。
それが太宰と敦の関係だった。
暗闇の中、二人の視線が絡む。
やがて太宰は微笑み、静かに言った。
「君が無事であることが、私の任務なんだ。」
敦は何かを叫ぼうとした。
だが、その声は銃声にかき消された。