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あの夏が飽和する
リン⇒寧々
レン⇒類
類寧々っぽい
神山高校入学前だからワンダショ結成してない
「……昨日人を殺した….うっ…」
君はそう言っていた
梅雨どきずぶ濡れのまま部屋の中で泣いていた
「あ….あ……」
夏は始まったばかりというのに君は酷く震えていた
そんな話で始まる
あの夏の日の記憶だ
殺したのは隣の席の
「お前wゲームは上手いのにコミュニケーションできねぇってw雑魚じゃねぇの?w」
「…..ポチポチ」
「おいなにか言えよ!!!」
ドガッ
「痛っ….!!」
いつも虐めてくるアイツ
もう嫌になって
体格差はあるから、後ろから肩を突き飛ばして
ドンッ…
「….あ…」
ドサッ….ドロ…
「…….」
打ちどころが悪かったんだ
「もう、ここには居られないと思うし、どこか遠くで….死んでくるよ」
「….!」
そして君に僕は言った
「それなら、僕も連れて行って….!!」
「これは、要らないね….」
財布を持って、ナイフを持って、あの写真も
要らないものは全て壊して行こう….
あの設計図も、小学生の時に作った機械も
「今となったら、もう要らないね」
人殺しの幼なじみと、変人幼なじみの
君と僕の旅だ
そして僕らは逃げ出した
この狭い狭いこのセカイから
家族もクラスの人たちも全て捨てて君と2人で
「遠い遠い誰も居ない場所で2人で死のうよ!」
「…..え?いいの?…」
「だって…人殺しだってそこらじゅう湧いてるだろう?…だから….”君は悪くないよ”」
結局僕たちは誰にも愛されたことなんてなかったんだ
そんな嫌な共通点で
僕らは簡単に信じあってきた
君の手を握った時、もう微かな震えすらなくなっていて
誰にも縛られないで2人線路の上を歩いた
金を盗んで
「….!…取れたよ!寧々!」
「うん…!」
2人で逃げて
「こらぁぁぁ!止まれ!!」
「っ!!…」
どこにも行ける気がしたんだ
もう今更怖いものは僕らにはなかったんだ
額の汗も
「ハハッ!…疲れちゃったね!」
「うん!….」
落ちたノートも
「今となったら、もうどうでもいいよね!」
あぶれ者の小さな逃避行の旅だ
「いつか夢見た、優しくて、誰にも好かれるスターなら、汚くなった僕たちも、救ってくれるかな?..」
「そんな夢なら…捨てたよ だって現実を見てよ シ ア ワ セ の4文字なんてなかった、今までの人生で思い知ったよ….!」
自分は何も悪くないと
誰もがきっと思ってる
宛もなくさまようセミの群れに、
水も無くなり揺れ出す視界に、
迫り来る鬼たちの怒号に、
バカみたいにはしゃぎあってい
ふと君はナイフを持った
「類が今までそばに居てくれたらここまで来れたんだよ。だから」
ザシュッ….
そして君は首を切った
まるで何かのショーのワンシーンだ
白昼夜を見ている気がした
そして僕は捕まって
君が見つからなくて
そして時は過ぎていった
家族もクラスのみんなも居るのに
何故か君だけはどこにもいない
あの夏の日を思い出す
僕は今でも君のための演出を作っている
君をずっと探しているんだ
君に言いたいことがあるんだ
9月の終わりにくしゃみして
「っ…クシュンッ…!」
6月の匂いを繰り返す
君の笑顔は
君の無邪気さは
頭の中を飽和している
誰も何も悪くないよ
「君は何も悪くないから…」
…..
「もういいよ。投げ出してしまおう…」
そう言って欲しかったんだよね….!