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「ボビー」
「なに?」
「んふふ、ボビー」
「だからなんやねん」
「ふふっ、呼んだだけ」
「はっ、なんやそれ」
さっきからずっとこの調子。
ソファーでゲームをしている俺と、何をするでもなく隣にピッタリくっついて座っているニキ。
そして、不規則にただ名前を呼ばれる。
寂しいのか構ってほしいのかとも思うけど、当の本人は至って楽しそうでよく分からん。
「ボビー」
ほらまた。
別にゲームをするのに名前を呼ばれるくらいなら、邪魔でもなんでもないしいいんやけど。
「なに?」
ゲームから顔をあげることもなく返事をする。
「んーん、なんでもない」
「…そーかい」
そしてまたゲームを始める。
「ボビー」
5分位経った頃、また名前を呼ばれた。
「なんやぁ」
「なんでもなぁい」
そんなやり取りをもう何回繰り返しただろうか。そろそろゲームよりも名前を呼ばれることが気になって、集中も出来なくなってきた。
「ボビー」
また名前を呼ばれたから俺はデータをセーブしてテーブルにコントローラーを置いた。
「もー、なんやねんさっきから」
そう言って顔をあげると、目を丸くした間抜け面のニキと目が合った。
「ありゃ、ゲーム終わり?俺邪魔しとった?」
「いや、区切りが良かったからやめただけや」
「そっか」
俺は何度も名前を呼んだ理由を聞くことに。
「なぁ、なんであんな死ぬほど名前呼んでたん?」
「えー、だってさぁ返事が返ってくるのっていいなーって思って」
「返事?」
「んー、名前を呼んだら返事をしてくれるって幸せだと思わん?」
「まぁ、たしかに」
「でしょでしょ!それにさぁ、俺ボビーの横顔好きなんだよねぇ。名前呼んでも嫌がらないし、俺的にこの状況はちょーお得ってわけ」
「なんやねんお得って。てか横顔もなにも整形やけど」
「整形でもなんでもイケメンならいいっしょ!」と大口を開けニキはケラケラ。可愛いなぁほんまに。
「ニキ」
「なに?」
「ニキニキ」
「だからなぁに?」
「ニキくん」
「…俺のパクリだな」
「ニキさん」
「んふふ」
「___」
「っ!」
ポポポッてニキの真っ白い頬が赤くなった。くそ可愛い。
「きゅ、きゅーに、なまえ…デスカ」
「真っ赤ですね。ニキさん」
名前を呼んでやればダルイだるい!って叫びながらクッションで顔を隠してしまった。
「俺は?俺の名前は呼んでくんねーの?」
「……いやこの流れはちょっと、恥ずいと言いますか」
圧力を掛けるように見つめていれば、首まで真っ赤にしたニキが握りしめてたクッションを俺に投げ飛ばしてきた。
「えー、呼んでくれないんや」
「っさいなぁ!無理なもんは無理!」
「悪かったって。そんなに怒んなよ。ニキくんは恥ずいんやもんなぁ?もう言わんから、な?許してや」
ついにお怒りモード突入のニキさんになんとか落ち着いてもらおうと謝るとシーンと静まり返ってしまった。おっと、なんか間違えたか。
「___がチューしてくれたら、許す」
「はいはい、チューな……っ!!!お、お前!今、名前…!」
「ふふ、仕返し」
さっきまでイライラ怒ってたニキが今度はニンマリとしたり顔。
今度は俺が首まで真っ赤になる番。
うそうそ!心の準備が出来ていないとこんな恥ずかしいもんなんか!?
くっそ、やられた。
「チューはベッドがいいなぁ、____くん?」
〜〜!!はいはい!仰せのままに!!!