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裏五条
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ピチュピチュ ピッピッ クルルルル
朝です。なんだか、変な声がまざって聞こえたのは気のせいでしょうか。
ぴーちゅんのお友達でもいたのかな?
「おはよう、リサちゃん」
準備を済ませたアリスが横で自分の頭を指差しながら笑っている。
頭? まだ、ぽけーっとして動かない頭を少し傾げて考える。
「リサちゃん、寝癖――」
え、なんで!
私は急いで、髪の毛をおさえ隠すが、クックッとアリスに笑われてしまった。
「ルードもスペードも、もう起きて準備が出来てるよ」
「はい、……急ぎます!」
とりあえず、この髪の毛を何とかして――。
「……リサ、急いだ方がいいよ……」
ノームが声をかけてきた。急いでって? 何かあったのかな。
「……魔力鉱石を浄化した犯人探し……始まった……」
それって、あの宝石?
「……そう」
こくんとノームは頷くと、さっさと姿を消した。シルフィの叫び声がするのは気のせいかな?
「どうしたの?」
「なんだか、宝石の浄化をした犯人を探しているみたい――」
ーーー
「厄介事に巻き込まれる前に出ましょう」
「そうだね」
「あ、うん」
朝食をとって相談した結果、私達はすぐにこの国をでることにした。
けれど、スペードがすぐ行くから最初に降りた場所で待ってて欲しいと言っていたのは何故だろう。
ーーー
「おまたせっすー」
ひらひらと手を振りながらスペードがこちらに歩いてきた。
「スペード、どういうつもりなんだい?」
彼の後ろに二人の獣人が一緒について来ている。
「リンも一緒に行く」
「リン様のお付きとしてご一緒させていただきます」
姿を見せた獣人二人は、リンとスイだ。
「どうして――」
震える私の手をきゅっとアリスが握ってくれて、安心させてくれる。そうだ、彼を信じなきゃ。
「ボクはリンとは結婚出来ない。これだけは断言しておくね」
黒い大きな瞳がじっとこちらを見ながら、聞いてきた。
「タカマガハラをアリスが復活させてくれるんだよね?」
アリスは、キッとスペードを睨むが、悪びれた様子もなく、帽子を押さえながら彼は言った。
「今から行くじゃないっすか。つまりはタカマガハラを復活させるってことっすよね。闇の精霊の場も国の中にあるんすから」
「こちらの御仁がおっしゃるにはまだタカマガハラは生きていると。これ以上、王の血に下賤の血を混ぜるのは良くないことです。しかし、もし王が生きているのならば――」
スイはリンを見ながら、ゆっくりとお辞儀する。
「リン様も普通の女の子に成れましょう。どうか、お願いします」
普通の女の子……。王の血筋を守るために、彼女達は考えられないくらいの犠牲を払っているのかもしれない。
そうだ、だから血が遠く、王子であるアリスは相手に相応しいと思うかもしれない。
「成功すれば、リンは解放されるよね? 好きな人を好きになっていいんだよね」
「大丈夫っすよ。ただ、まずリンさんは言うことがあるっすよね」
こちらを見て、嫌そうな顔をしながらも彼女は頭を下げた。隣のスイも深々と一緒に。
「ごめんなさい。意地悪なことして」
「お願いいたします」
あ、えっと……。これは断れないよね。素直に謝ってくれてるのに私が文句を言ってしまったら――。きゅっと手を握り返し、答えた。
「うん。一緒に行こう」
「リサちゃん――――。スペード、君がこっちに。ルード、二人をお願い」
「わかりました」
「はいっす」
スペードは帽子を押さえながら、こちらに歩み寄る。ルードは笛でラーファを呼び出していた。
「いい?」
アリスが私に確認を取る。こくんと頷くと、彼は上空へと指笛の音を響かせた。
ピィーーーーーー
目指すは闇の精霊の国、タカマガハラ。
この国を復活させるという目的も追加されて、私達は空へと舞い上がった。
黄緑色の光にまとわりつく茶色の光と、二人の獣人をお供に加えて。
コメント
1件
おつかれさまです!第142話読了〜。朝のほのぼのシーンから一転、魔力鉱石浄化の犯人探しが始まって「やばいやばい!」ってなったわ。あの宝石、やっぱり大事なものだったんだね。でもスペードがリンとスイ連れてきたときは「えっ?」ってなったけど、アリスの「結婚できない」宣言とリンの謝罪で納得。タカマガハラ復活が新たな目的になって、ますます話の広がりが楽しみ!この先どうなるか気になる〜。