テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「桜川さん、お疲れ様です! 今日のプレゼンも最高でした!」
「さすが桜川さん。仕事も美貌も、まさに非の打ち所がないですね」
後輩たちの羨望の眼差しを、私は優雅な微笑みで受け流す。
隙のないタイトスカートに、磨き上げられた15センチのハイヒール。
大手広告代理店で「鉄の女」と恐れられる私、桜川栞(29)は、誰もが認める完璧なキャリアウーマンだ。
(……足が、痛い)
一歩踏み出すたびに、無理やり押し込めた足先が悲鳴を上げる。
けれど、私は歩みを止めない。
ここで隙を見せれば、必死に塗り固めた「完璧」という名のメッキが剥がれ落ちてしまいそうだから。
「お先に失礼します」
優雅にオフィスを後にし、夜の街へ消える。
高級ブランドのバッグを肩にかけ、私は「理想の自分」を演じ続ける。