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今日は久しぶりに趣味のソロキャンプ!
空気はうまいし、人気もないし都会から少し離れただけ開放感がある。
最近事故物件とか廃トンネルとか異次元空間ばっかりだったから
「生きる!生きている!」自然のパワー補充はやっぱり格別だ。
取り敢えずテントとタープを張って焚き火代をセット準備完了!
川のせせらぎ、鳥の鳴き声、僕は自然を満喫していた。
「ん?」
川の向こう岸の丘の上に女の子が。。。幻か幽霊か?いや水筒やリュックがあるから人間ぽい。
こんなところで何してんだ?この辺は熊もでるし、もうすぐ日がくれるのに大丈夫か?
「こんにちは!」
「。。。。」
無視かよ。まぁどうなろうが関係ねぇしほっとくか。死んで幽霊になったら成仏させてやろう。
僕は再びキャンプを満喫した、今日は奮発してサーロインステーキを持ってきたので早速調理開始!
肉汁たっぷりのステーキにニンニクチップ森の中に最高の香りが漂う。
「きゃー!」
川の向こうから悲鳴?叫び?只ならぬ空気が。さっきの子か?
熊や猪もいるのでサバイバルナイフを手に取り悲鳴のあった方に向かった。
獣道にさしかかると足跡が👣足跡を追跡すること10分。
別荘だった様な廃墟が目の前に現れた。外観はヨーロッパ調、2、3階だてくらいの廃墟だ。朽ち果て具合からいって半世紀近く放置されている感じだ。
「カダンゴトン!」
建物ないからもの音がした。
「誰かいますか?」
外から呼びかけるが反応なし、取り敢えず深入りはせず、入り口付近だけ探索することにした。
扉を開け中に入ると、ホールのような広い空間があり、奥の両サイドに螺旋階段がある。天井には蜘蛛の巣が無数に張り巡らされ全体的に埃の量が半端ない。 足元はしっかりしてそうなので問題なさそうだ。
「誰かいますか?すぐ近くでキャンプしてるものです。」
耳を澄ますが反応なし、不気味だし、今日は調査でもなんでもない、引き換えそう!
記念の写真を10枚くらい撮ってキャンプに戻ることにした。
川の対岸まで来たところ、テントが揺れている。。。ガサガサッ
猪か?
橋を渡り、テントに近づくと丸焦げになったサーロインくんが。。。
「ちくしょう、忘れてた。」悲しみはさて置きそーとテントを開けた。
「誰だ?」
ビクッ⁉︎
テントの中にいたのはさっきの少女だった。少女はとっさに何かをズボンの後ろポケットにしまった。
「何をとった?」
「。。。」
「ポケットに何か隠しただろ?」
「。。。」
少女と僕は軽い揉み合いになったが少女はあまり抵抗しなかった。
僕はすかさず少女のポケットに手を突っ込み取ったであろう何かを探した。
ポケットの中に紙の様なものの感触がある。そして驚くほどの柔らかいおちり。。。
これはチャンスと思い探すフリしてお尻を触りまくった。柔らかい。。。
紙を取り出しみてみると
「僕の名刺?」
「他にも取っただろ?」
このテントは俺のテリトリー!僕は調子にのり上着のポケット胸ポケットと隈なくあらゆるポケットを探るフリしてボディチェックする。まだ熟してない体を触りまくってやった。とにかく柔らかい。なんでだ、どう言う食生活してたらこんな柔らかい体に。。。
「わっかった、止めろ、これ以外とってない!」少女がやっと口を開いた。
「しゃべれるじゃねぇか、お前何もんだ?なんで名刺とった?」
「。。。」
「何も言わないなら、こうだ」
「この犯罪者め、喋るまでこうさせてもらう。」
とブツブツいいながら、手を後ろで縛り、両足も縛り、ゴルフの練習で使った。穴あき練習ボールにひもを通してスケベ猿轡を即席で作って縛り挙げた。
「ググーっ」この緊張感の中で少女の腹が鳴る。。腹が減ってる?
「よし正直に喋らないなら、極刑に処す!」
丸焦げになった、サーロインを投げ捨て。
フランクフルトを火にかけた。プシュプシュ音を立てて焼けていく。
「どうだ、食いたいか?うまいぞ」
彼女の方を見ると、唾液でジャケットがベチョベチョに。。。
やりすぎかと思ったが、遊び心に火のついた僕はハイボールに使おうと思ったレモンをランタンスタンドの先にぶら下げ、少女の前に。
「これが条件反射だ、自分の唾液で溶けちまえ」
少女の唾液はこれでもかと言わんばかりにジャケットにびっちょり。
流石の僕も正気に戻り、猿轡を外した。
「ごめん、やりすぎた」
「腹減ってんだろ、フランクフルト食うか?」
「縄ははずせねぇからな、ほら」
フランクフルトを口元にもっていくと少女はものすごい勢いでフランクフルトをほうばった。そんなに腹が減っていたのか。
それにしても食い方がいやらしいな。
「ちょっとまってろ」
焼き鳥に、串椎茸、トウモロコシなど続々と焼きはじめた。
「まあこれでも飲め」
ジョッキ一杯分のハイボールを口にもっていくとゴクゴクと音を立てて飲んだ。これで少しは喋りやすくなると思った。
「こいつらが食いたいなら、まず名前を言え」
「麗華」
少女はか細い声でそういった。まさか藍原と同じ年齢くらいだよな。。20歳以上。恐る恐る年齢を聞いた。
「歳いくつ?」
「18」
「違う、18じゃない。聞かなかったことにする」
まずい、未成年に酒与えたら僕も罪人じゃねぇか。フィフティフィフティの立場になっちまった。。。
窃盗く未成年淫行どっちが罪が重い。
「わかったギブアンドテイクだ」
「縄を解いて、これらを食っていいから、年齢は聞いてないことにしてくれ」
「わかった」麗華は素直に答えた。
対等な立場になり、少し和んできた。もう年齢関係ないという勢いでハイボールを二人でしこたま飲んだ。
「でお前なんであんな廃墟にいったんだ」
「悪霊を探しに来ていた」
「悪霊?」
なんでも麗華は呪伝師だと言う。
呪い、怨霊、悪霊などを自分の器に入れ第三者に取り憑かせるのが呪伝師(ジュデンシ)と言うらしい。
呪伝に使う、呪い、怨霊、悪霊は怨念の強さにより呪伝師の器に留めておける時間が異なるようだ。
彼らを器に入れている時はこちらに主導権があるが期限を過ぎ人へ呪伝できなかった場合、呪伝師が彼らに取り憑かれてしまう為、命掛けの仕事となる。
主に呪伝するものは、金や政治で罪を逃れ法の裁きも受けない様なやつがターゲットらしい。
「可愛い顔してずいぶん危ねえ仕事してんな」
「オーナーからの指示だからやるしかない」
「で見たところ取り憑かれて無さそうだけど居たのか、悪霊は?」
「あそこはただの廃墟で浮遊霊くらいしかいなかった。」
「この後はどうすんだ?」
「朝になったら、もう一箇所目処があるからそっちに行く」
麗華は孤児で高野山の山寺に引き取られ17年間、下界に出たことがない。つまり男女の関係も知らないで育った。そんな身の上話をして酔い潰れ朝まで爆睡するのであった。
「おぃ起きろ!朝飯だぞ」
僕は味噌汁と焼きおにぎりを麗華に差し出した。
「どうだうまいか?」
麗華は小さく頷くと紙切れを差し出した。紙切れには住所が。ここから車で1時間ほどの場所だ。歩くと半日以上かかる、2日目は特に予定はないし車で現地まで送ってあげることになる。地図を見ると、なんとなく見覚えのある場所だったが気にせずエンジンをかけて麗華を助手席に乗せた。
車を道路脇に止めた、ここから森に入り1Kmほど進んだところに目的地がある。呪伝というものに興味が湧いてしまったので麗華についていくことに。
昼間なのに木々のせいで森は暗く、苔やシダが多く生息している。まるで富士の樹海の様だ。
何やら看板が「ホテル〇〇」確か心霊スポットで有名なとこだったような。。。
少し先に進むとモーテル型の廃ラブホが目の前に現れた。
「ここで待ってて」麗華
「いやぁ僕もいくよ」僕は手袋を外した。
彼女はモーテルの中心に立ち、目を閉じた。
「こっちだ」
かなり朽ちている建屋の中に完全な状態の建屋がひとつあり麗華はそこにむかっていった。
扉を開け中にはいる、外とは状態がことなりカビだらけで空気も重い。
窓が無いため、扉からの木漏れ日だけが室内を照らす。
胸のざわつき、悪寒が襲う。眩暈がして膝を突き手が床に触れるとそれ見えた。
5体の明王らしきものと、ひとつの体から男女の頭が生えてる化け物だ。二つの頭はお互い向き合い何やら話している。
「いつまで心中遊びしている?永遠に続けるか、それともその怒り、苦しみ、後悔を罪人にぶつけて浄化するか?選べ」麗華は化け物に問いかける。
二つの頭は麗華の方を向きこういった。
「彼のことを愛してた、でも許されぬ恋死んだのは私だけ、彼は死にきれずこの場を離れて家族の元へ立ち去った」化け物の本体は女、もう一つ生えている男性の頭は、彼女の憎しみが作り出した不倫相手だった。
「彼の様に女を苦しめている男がいる、そいつを呪い殺してほしい」麗華は真剣な顔してお願いをする。
化け物は僕を指差す、たしかに硬派とは言えないがそこまで女遊びしてましぇん。。😱
「違うこのものではない、ターゲットは政治家の息子、初めから結婚する気もないのに毎日女をもて遊び、気に入らなければ薬漬けにして893がらみの風俗に売り込む様な奴だ。
その罪人に己の怒りを絡ませて締め殺せば、お前は浄化できる。契約するならこっちに来い!」
怨霊は麗華のもとへ、みるみるうちに液化し彼女の中へと消えていった。
明王らしきものが剣で麗華の右手首に2本の傷をつけた、あれが麗華の中に怨霊を留めておける期限、2日以内に解き放つ必要があるのだ。
麗華の右腕から、紫色の煙状のものが揺らめいている。まさに呪いを具現化したような煙だ。
麗華は手首に包帯を巻き何やら文字を書き込みそれは収まった。おそらく封じ込める呪文だろう。
「任務完了、とっとと帰るぞ、にいちゃん」
「えっ」
「麗華ちゃん。。。ですよね?」
人格が。。。変わりすぎている。怨霊を体内に閉じてるとハイになるようだ。
「麗華ちゃん次は何処にいきますか?」
「渋谷の事務所に帰る」
「かしこまりました」
僕は人格の変わった麗華を渋谷に送り届けることになった。
三軒茶屋で高速を降りて246で北上していく。
車をパーキングに止めて、麗華について行くと、お洒落なカフェを指さした。
「ここの2階が事務所、オーナーもそこにいるから紹介するよ」
カフェの横の階段を身軽なステップで麗華は駆け上がっていった。怨霊を捕まえる指示を出すオーナーとかどんな奴だよ。ちょっと不安。
「オーナー、この人が手伝ってくれた人、名前は?」
「初めまして、風間です。。。」
「初めてましてオーナーのNAOTOといいます」
目の前にいるのは、紛れもないこの前、藍原を渋谷で口説いていたチャラ男だ。
「ん?何か?どこかでお会いしましたか?」
「いや、あのイケメンだなと思いまして」
「はっはっはっ、ありがとうございます」
「すみません、麗華が色々お世話なったみたいで」
「こちらこそ刺激的な時間を堪能させてもらいました。」
「ちょっと昼時で下のカフェの手伝いがあるので、ゆっくりしていってください。」
オーナーはカフェの手伝いにいった。
「あの人見たことある、前に渋谷に来た時に後輩と仲良さげに話してた」
「オーナーも交流多いからな、ナンパかもよ」
僕は盗まれかけた、心霊研究部の名刺に携帯番号を書き麗華にわたし僕は車に戻り、渋谷を後にした。NAOTOの件を藍原に話すべきか悩む。
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