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#地雷系
放課後の教室。
私はノートを開いた。
最後のページ。
そこには、まだ何も書いていなかった。
「白石さん」
湊くんが隣に座る。
「最後のページ、空いてるね」
「はい」
「何を書くの?」
私は少し考えた。
昔なら。
『こんなことされたら嬉しい』
そう書いていたと思う。
でも今は違う。
「今から書きます」
私はペンを持った。
『私を好きになってくれる人がいたらいいな』
書き終える前に。
湊くんが笑った。
「もう叶ってるよ」
顔を上げる。
「俺がいるから」
胸がいっぱいになる。
「湊くん」
「ん?」
「私も、好きです」
彼は嬉しそうに笑った。
そして。
「触れてもいい?」
優しく聞いてくれる。
私は頷いた。
ぎゅっと抱きしめられる。
今まで憧れていたものより。
ずっと温かい。
「白石さん」
「はい」
「これからは、ノートに書いたことだけじゃなくて」
「二人で新しい思い出作ろう」
「……はい」
少し離れたあと。
湊くんは照れながら、そっと私の頬に触れた。
「大切にする」
そう言って。
初めてのキスをくれた。
優しくて。
嬉しくて。
ずっと忘れたくないと思うキスだった。
⸻
その後も、私はノートを書き続けた。
でも、内容は少し変わった。
『雨の日に傘を貸してくれた』
『頑張った日に褒めてくれた』
『泣きそうな時、抱きしめてくれた』
そして最後には、こう書いた。
『想像していた恋より、君と作る毎日の方がずっと幸せ』
私の秘密ノートはもう、憧れを書く場所ではない。
大切な人との思い出を残す場所になった。
――完――
コメント
1件
ああ、じんわり温かい話だった……。最後のページに「叶えたい願い」じゃなくて「叶った思い出」を書き留めるようになったのが、すごく好きだな。湊くんの「もう叶ってるよ」って台詞、あの一言でヒロインの世界が変わったのが伝わる。ノートの役割が変わったことを地の文で説明しすぎず、エピソードの積み重ねで見せてくれたのが良かった。心がほっこりしたよ。