あれから三郎はよく花屋に通うようになった。
「お邪魔するね、哥哥。」
店に入ると同時に颯爽と謝怜の方へ向かう。
「三郎!こんな時間にどうしたんだい?学校は?」
きょとんとする謝怜に三郎はにこにこしながら顔を近づけ言った。
「哥哥に会いたくて抜け出してきたよ。」
まるで少女漫画のような言葉に 謝怜は少々顔を赤らめ、固まってしまったが話を逸らすべく焦り気味で話し出す。
「そんな冗談言ってないで学生は学校に行くべきなんじゃないか?」
自分の顔が赤くなっていることに気づかれないよう振る舞う謝怜だったが、
「冗談なんかじゃないよ、哥哥。本当に会いたかったんだ。哥哥は三郎に会いたくなかった?」
と、三郎に目を合わせて言われ、謝怜の顔はさらに赤くなってしまった。
「も、もちろん会いたかったけど、私はその、三郎が大丈夫かなって…!」
ぐるぐるとまわる謝怜の目を見てふふっと三郎は笑った。
「哥哥は相変わらずやさしいね。 」
END
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!