ー少年はいつまでも変われないー
俺を虐めて来た奴の名前は今でもよく覚えている。
複数人で俺を虐めた。
全員の名前を覚えてる。
本当は思い出したくない。
思い出すだけで気分が悪くなる。
そして、いつの間にか…
泣いている自分がいる。
仮にいじめて来た奴らの名前を1号、2号と呼ぼう。
あいつらの名前を、口に出したくも考えたくもないから……
MZD「………」
僕はお気に入りの川の近くの草むらで、1人寝っ転がって空を眺めていた。
その時、聞きなれた、嫌な声が頭に響いた。
1号「おっ、MZDじゃーん!」
MZD「ぇ、ぁ、こ、こんにちは……」
最初話しかけられた時、なんて言えばいいのか分からなかった。
だから、なんとなくで返事を返したんだ。
1号「何してんだよ、こんなとこでよー」
MZD「こ、ここは、僕の、お気に入りの場所だから……」
1号「へーお前何もねーところが好きなんだー。」
ソイツは呆れたように言い放った。
その後、ソイツが立ち去った。
そう思っていた。
1号「……どりゃっ!!」
MZD「…!イタッ…」
ソイツは小石を持って戻って来て、僕目掛けて小石を投げて来た。
その投げられた小石は僕の左目に当たった。
MZD「うぅ、何で……、?」
1号「そんな変なとこが好きとかありえねーからだよ!w」
MZD「へ、変なところじゃない、よ、」
僕はこのお気に入りの場所が変なところと言われてイラッときた。
でも、その時の僕は、ソイツに反撃しようなんて、夢に見ても出来ないことだった。
僕は、出来損ないだから。
その後、ソイツに何度か小石を投げられた。
そして、飽きたのか帰って行った。
僕はもう少しのんびりしていたかったが、
小石を投げられ、傷だらけになったので急いで家へ帰ろうとした。
でも、足も小石を当てられて走ろうにも痛くて走れなかった。
だから、普通の速度より少し早めくらいのスピードで歩いていた。
壁に寄りかかりながら…
少しふらふらになりながらも。
そんな僕を心配する奴なんて、1人も居なかった。
それどころか、家の近くに来た頃、さっきの奴とその仲間が居た。
1号「…ん?あれ、さっきあの変なとこに居たMZDじゃーん!!」
MZD「ぅ、さっきの……」
2号「傷だらけじゃんw何してたんだよw」
1号「さっきの草むらから転げ落ちたんだろww」
3号「それはバカすぎだろw」
MZD「………」
本当はお前がやったくせに。
自分はやってないって感じの雰囲気出してさ。
本当にイラついた。
でもやっぱり、手を出すことは出来なかった。
何をされるか分からなかった。
怖かった。
2号「そんな傷だらけならさー、さらに傷増えても変わらないよねーw」
MZD「………」
何度もソイツらに小石を投げられ、殴られた。
少なくとも、俺の体は弱かった。
そして僕は壁に打ち付けられて、その場で気絶した。
でも、何故だか、目覚めた時には、
自分の家の部屋だった。
MZD「……、うっ、、イテッ、……あれ、ここ…自分の、部屋、?」
瞬間移動なんか使ったわけでもない。
記憶がないのもあって、あまり理解できなかった。
いや、全く理解できなかった。
MZD「……何で、自分の、部屋にいるの、?」
助けてくれる人なんて、誰も居ないはずなのに。
MZD「……夢、だったのかな、」
でも、小石を投げられた傷や、殴られた時のあざはしっかり残っていた。
だけど、少しおかしなところがあった。
自分が治療したわけではないのに、
怪我の場所には包帯や絆創膏が貼られていた。
MZD「……いや、夢なんかじゃ、ない気がする…でも、僕を助けてくれる人なんて……」
僕は考えられなかった。
僕を助けてくれる人なんて、居ないと思っているから。
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