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一悶着あったアキラと雲雀の関係も意外なところで落ち着き、平常通り依頼をこなせるようになってきたこの頃。
『……って、また事務所で作っちゃったの?』
「ん゛〜…」
任務を終えたセラフがRoom4’s事務所へと戻ってくると奥の仮眠室に雲雀が入っていくところだった。その手には上司のものと思しきブランケットやコートを大事そうに抱えていた。
「だって、ここがアキラの匂い、いっちゃん強いんやもん……」
頭の上で不安げに倒れる三角形のふわふわと、同じく不安そうに足へ巻き付くモフモフの尻尾。漂ってくる甘い匂い。
『ふふ、そっかぁ。じゃあ凪ちにメッセ入れとく。』
「うん…あんがと……。」
『鍵、外から閉めちゃうけど何かあったら連絡してね。スマホ持ってきた?』
「ベッドんとこ、置いてある…」
『熱出たら冷蔵庫に飲み物と保冷剤、あとー…テキトーなおやつもあるから』
「な、なぁ、セラフ…」
矢継ぎ早に出てくるセラフの話にこくこくと頷く雲雀だったが、突然ぱっと顔をあげる。
「セラおってα…なんだよな?なんで今の俺といても平気なん…?」
一応発情期中なんやけど、と再び手元の布の塊に視線を落とした雲雀。まだ尻尾は足に巻き付いている。
『そういう訓練してたからねぇ。相手がマジの発情期かつ俺が正気じゃなかったらまずいけど。……怖がんないで、大丈夫よ。すぐ出てくから』
いつもと変わらない笑顔でそう伝えると、雲雀の頭の上のふわふわが髪の中へ隠れそうなほどさらに倒れた。しょんぼりとした様子で「ごめん」と小さくなった。
「怖くはないんよ、セラおのこと。…ただ……もう本能的な?そこが、どうなんのか、わかんなくて……」
可哀想なぐらい後ろを向いた耳、平常なら近づいて頭でも撫でてやりたいところだが発情期も真っ最中なΩにαのセラフは不用意に近寄れない。
己の律しきれないところで勝手に体が動いてしまうことへの恐怖、形は違えどセラフも思い当たる節はある。 だが例えはたくさんあっても解決方法がわからない。
『きっとそのうち慣れるよ。……また来るね、雲雀 』
何を言ったらいいのかセラフも分からなくなってしまい、それだけを残して事務所を後にした。
『ド遅刻鬼畜上司へ
雲雀が今事務所でお前のこと待ってます。はよ行け
追記:鍵閉めた✌』
返信:『えっ、はい。ありがとうございます…???』