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srhb
謎パロ
ご本人様とは関係ありません。
この世界は宝石を身につけなくてはならない。
指輪だとか、アクセサリーとしてだったり、人によっては体に埋め込んだりする。
そしてその宝石で人間の価値が決まる。
―――
「せらお?今日元気ないけどどした?」
「雲雀…。」
きらきらとアメシストが輝いている。
それがまぶしくって俺は目をそらした。
「なんかあったん?」
「…いや、」
さっきあったことを思い出し、気分が下がる。
変な奴らに絡まれて暴言を吐かれた。
俺はニセモノなんだってさ。
宝石を壊されそうになったから逆にそいつらを返り討ちにしたけれど。
宝石がなくなればこの世界にはいられない。
「なぁ、せらお。」
「なに?」
「お前は本物だからな。」
俺の心を読んだかのように雲雀がいった。
「…大丈夫、わかってるよ。」
ニセモノなんて何回も言われてきた言葉だ。
指輪についたブラックダイアモンドが光る。
…こいつじゃなかったら俺は違う人生を歩んでいたのかな。
雲雀と付き合うことを悩む必要もなかったのかな、なんて。
雲雀が持っているのは本物だから。
ニセモノの俺とじゃ釣り合わない。
雲雀と付き合うことになって、指輪に増えた宝石。
これのおかげで今は迫害されることが減った。
けれど、俺は本物に遠く及ばない。
「雲雀は、幸せになってね。」
「何言ってん。セラおも一緒に、やろ?」
「…そうだね。」
雲雀は優しい。
その優しさも一体いつまでもつのだろうか。
不安になってしまう。
雲雀が俺を見捨てることはないとわかっていても、深く考え込んでしまう。
アメシストの石言葉は「誠実」
彼が俺を裏切ることはない。
――――
「真実の愛なのに…。」
「なに?またセラが悩んでたん?」
「そう、どうしよっかなぁ。」
奏斗に相談する。
黄色に輝くシトリンを持った彼は、俺と兄弟のような関係だ。
「石言葉?その『真実の愛』って。」
「そうやよ。でも多分セラおは違う意味でとってそう。」
「あーねぇ。」
俺達が持っている宝石には石言葉が与えられる。
それを人に話すことはほとんどない。
同じ石でも石言葉はたくさんあるからどれかと勘違いしているのだろう。
「ちなみにセラの石言葉って知ってるん?」
「いや?セラおが教えてくれるまではきいとらん。」
「なろほど。」
セラおの持つ石だから多分『不屈』とかそこらへんだろうと思いつつ、話しをつづける。
「実際、いまだに差別する人は3割くらいるしね~。」
「どうにかなんねぇのかな?」
「難しいと思う。まぁ、前にセラのことディスったやつは反省させたけどね。」
「おぉ…。」
にっこりと黒い微笑みを見せる奏斗。
こいつは身内に対してとことん過保護なのだ。
「まぁ、セラに話聞いてみたら?なんか糸口見つかるかもよ?」
「話してくれるんやったら苦労しないんよ。」
「それもそっか。じゃぁ、僕ちょっと用事あるから行ってくるね。」
「お~、いってら。無理すんなよ。」
「そこは大丈夫。じゃ。」
「またな。」
奏斗と別れ、家に帰る。
鍵がかかっておらず、セラおも珍しく不用心だなと思って扉を開けた。
「…?せら、お?」
奥の部屋で、セラおが静かに泣いていた。
自分が鳴いていることに気が付いていないのか、ぼぅっとしている。
「せらお?ただいま。」
「?雲雀?」
俺の姿を見たセラおがまた涙をこぼす。
「ちょ、どしたん?つらいことあった?どっか痛い?体調悪い??」
「違う…。ごめんね、雲雀。好きになって…。」
「???」
どういうことだろう。
とりあえず落ち着いてもらおうとティッシュを渡す。
「俺の石言葉は、『不滅の愛』だから…。ごめんね。」
「いったん落ち着け?どこに謝る要素があるん?」
「雲雀は幸せになってほしいから。」
「?セラおも一緒にやって。」
セラおが俺をきつく抱きしめる。
まるでこれで最後だと言わんばかりに。
「雲雀には、奏斗もいるし、凪ちゃんもいるでしょ…?無理に俺を選ぶ必要はないから。」
「???」
なにを言ってるんだセラおは。
「あのな、セラお。俺はセラおと一緒にいるのがいっちゃんうれしいからな?」
「でも、俺はニセモノで雲雀は本物だから。」
「そんなん関係ないやろ。」
「それに、俺は雲雀のこと…」
言葉がしりすぼみに小さくなっていく。
「これに石は関係ないんよ。俺の意思。俺がセラおと一緒にいたいの。」
「本当に?」
「おん。」
「石言葉で言ってるんじゃなくって?」
「俺の石言葉は『真実の愛』やから。愛に嘘はつけん。」
セラおが安心したように笑う。
「ごめんね。俺の愛は雲雀には重いだろうから。」
「大丈夫よ。うれしい。」
「ほんと?」
「ほんと。」
セラおが俺にキスをする。
激しくって息ができないが、セラおが本当のことを言ってくれるだけでいいことだろう。
「俺の愛は不滅だから。」
どんなに重くっても途中で投げ出さないでね。
設定補足
宝石を持たなくてはならない世界。
天然ものか、人工物かで差別がある。
srfが持っているのは人工のブラックダイアモンド
hbrが持っているのは天然のアメシスト
kntが持っているのは天然のシトリン
本文中には出てこなかったが、akrの持つ宝石は天然のブルーサファイア
付き合ったり、結婚したりするともう一つの宝石が与えられる。
srhbが持っているのは天然のガーネット
石言葉によってその人の性格が決まるともいわれているが、実際のところは謎。
宝石をなくしたり、壊された場合はこの国にいられなくなり、秘密裏に消される。
ほかの設定は特に思いつきませんでした。
気になった方はコメントで質問ください。
答えます。
それではまた次回のお話で
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