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ばぁうside
「ねぇ、うちらの学年にてるとって人いるじゃん?」
「あー、いるね!あの可愛い顔の」
「私あの人タイプなんだよね…//」
「え、マジ…!?応援するよ〜!!」
いやでも聞こえてくる女子たちの恋バナに腹が立ってくる。てると。1年生の間でかわいい、かっこいいと話題になっている”俺の弟”だ。てるちゃんの顔が可愛いって言うのは共感でしかないが、”好き”となると話が違う。
「(俺のてるちゃんなのに……)」
俺が2歳の時に産まれたてるちゃんを、俺はすごく可愛がって来た。今までは独り占めできていたのに、高校に進学してからモテまくっているてるちゃん。休み時間も常に女子たちに囲まれていて、俺が話しかけられる空気ではなかった。
「あれっ、ばぁうくん?」
「え、てるちゃん!?!?」
なんで少し寂しくなっていると、後ろから大好きな可愛い声が聞こえた。ちょっぴり滑舌が悪くて、舌っ足らずな感じがまた可愛い。そんなてるちゃんは、きょとんとした顔でこっちを見つめている。
「てるちゃ〜〜ん!!!」
会えた嬉しさで思いっきり抱きつくと、「ちょ、ここ学校!」なんて慌てて言うから、余計虐めたくなってしまう。
「ふふ、笑」
「かわいいねぇ、てるちゃん」
「もぉ、それ今日で何回目?」
「だって〜」
俺とてるちゃんが兄弟ということを知らない人が多いからか、それともてるちゃんがいるからか。理由は分からないが周りがざわざわしてくる。それに気づいたてるちゃんが少し顔を赤らめて、小声で俺に耳打ちした。
「ほら、みんな困惑してるじゃんっ……」
「え〜?別にいいじゃん」
「ほら、今は俺だけ見てて?」
てるちゃんの顎を掴んで、てるちゃんの目線を強制的にこっちへ向ける。どっかの恋愛系の漫画で見たような感じだ。
「(これ、1回やってみたかったんよね〜♪)」
ニヤニヤしててるちゃんの反応を伺うと、顔を真っ赤にして大きな目をパチパチさせていた。数秒沈黙が生まれたあと、情報を整理しきったてるちゃんが思いっきり俺から離れた。
「ちょ、近いよッ、!!//」
「ふはっwかわい〜♡」
周りのざわめきがさっきよりも多くなって、優越感を感じる。
「(これでてるちゃんは俺のものだって、みんなにわかって貰えたかな〜♡)」
独占欲が強いのは自分でも分かっている。それでも、こんなに可愛いだもん。仕方なく無い?
「ば、ばぁうくん……?」
「ん?」
「なんでそんな嬉しそうなの…?」
「ん〜w、てるちゃんが可愛かったから〜?」
「はッ、はぁ?//」
「ほーら、そんなすぐ顔赤くしちゃってさぁ」
てるちゃんのほっぺをツンツンすると、「ん……」と小さく声が漏れた。無防備で、鈍感で、純粋。守ってあげなきゃ簡単に堕ちそうだし、騙されそうなてるちゃんを俺はこれからも守らなくてはいけない。
「(てるちゃんに近付いてくる輩は俺がしっかり成敗するからね♡)」
__ ❤︎ ❤︎ ❤︎ __
「(……ばぁうくんなんか怖い顔してる、)」
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