テラーノベル
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お待たせしましたあぁぁ!
いや…ね……
むずかったです
語彙力が…
作者の語彙力がミジンコなばっかりに…
ヤンデレってこれで良かったっけ?って感じです…本当に申し訳ない
凄くいいリクエストだったのにあんまり出し切れなかったです…
若干のutemあります
まぁとりあえず仕上がりはしたので
では、どうぞ……
zm→em【独善的な愛情】
「なぁエミさん、コレちょーだい」
最初は、頂き物の茶菓子だった
彼が食べ物をねだるのなんて日常茶飯事だったから、特に何も気にしなかった。
「な〜エミさん、コレちょうだい?」
次は少し前に街頭配布で貰ったボールペン
彼から文房具をねだられたのは初めてで少し驚いたが、特別な物でもなかったのであげることにした。
「エミさんエミさん、コレ頂戴?」
その次は、随分昔に貰った蝶の標本
気に入っていた物だけど、彼なら大切にしてくれるだろうと思って譲ることにした。
今思えば、もうこの時
何かが狂い始めていたのかもしれない。
「な、エーミール、コレちょうだい」
そのまた次は、ショッピ君がクレーンゲームの戦利品だと言ってくれたペンギンのクッションだった
貰い物だし、何より気に入っていたので少し渋ったのだが、彼が引くこともなく
結局は彼に譲ってしまった。
この時、何かが可笑しいと気付くべきだった。
「なァ、エミさん…ソレ、渡して?」
今回は、つい昨日鬱先生から貰ったピアス
大切な物だから、こればかりはあげられないと彼に伝えれば
彼は突然激昂した。
胸ぐらを掴まれ壁際に追いやられて詰めれる
とてつもない怒気と殺気に心臓が大きく跳ねた。
「なァ、オイ、エーミール。お前、他の男から貰ったモン着けてナニ平気な顔しとんねん」
「…ぁ、え?ぞ…む、さん…?なに…、なんで」
「はよ答えろ」
「い“っ!」
強く強く壁に押し付けられ、思わず声と涙が溢れた
腰が抜けて立っていられなくなる
もう訳がわからなくて、とにかく怖くて仕方ない。
震えた情けのない声で必死に説明をする
「こ、れは…鬱、先生が…くれた、から…」
「せやから、なんで俺以外の奴があげたモン着けてるんか聞いてんねん」
「ゃ…だって、」
「今までやって他の男に色目使って、他人からホイホイ物もらって、でもエミさんやからって許してあげてたのに…今度は堂々と浮気か?」
「…ぇ?…ぃ、や……わ、たし…ゾムさんと…付き合ってな…」
「はァ?」
「ひっ⁉︎」
ガンッ…と大きな音を立てて、顔の真横を殴られた
壁が崩れる音がして、恐る恐るゾムさんの顔を覗けば、興奮からか瞳孔が大きく開いていて
まさに獣の様だった。
「ええ加減にせぇよエーミール、今まで許されて来たからって調子乗ってんちゃうぞ」
「…な…なんの、話…です、か……わ、たしが、付き合ってるのは、…鬱、さんで、」
「……あァ…そっか」
だらん…と、脱力したようにゾムさんの手が垂れる
すると何故か突然、優しげな…どこか憐れむような声をあげ柔く抱き締められた。
いつもの甘える様なものとも違う抱き締め方
もう先程からの奇行のせいで彼の一挙手一投足が恐ろしくて仕方ない
「エミさん、もしかして無理やり言わされてるん?」
「……え」
「それか洗脳?あァ…やから俺と付き合ってたのも忘れてもうたん?」
「…な…に、言って…」
もう、理解ができない
なにを言っているんだろう彼は
無理やり?洗脳?
可笑しいのは彼の方だ、私じゃない。
あぁ、怖い
怖い
もう嫌だ
「大先生のこと殺したら、思い出してくれる?」
「…は」
なに
今、この人は
なんて言ったの?
「あァ…そうや、そうやんな…殺したったら良かったんや…そしたらもう、」
「なに言ってるんですか!」
「そしたらエミさんが他の男に目ぇ向ける事もないんや」
「ふざけないでください!!」
「ふざけてへんで」
そう言い、ゆっくりと首に手をかけられる
分厚い革手袋に包まれた手が、どんどんと首を圧迫していく
あの人の少し冷たくて細い、優しい手とは違う
子供みたいな体温で、ゴツゴツとしている
鍛え上げられた、大きい手
その気になれば、私の頼りない首なんてポッキリと折れてしまうんじゃないかと思わせる
「、かッ…は、……う“、ぅ“……」
「なァ、エミさん…はよ思い出してぇや…俺…オレ、エミさんのこと殺したない」
「ひ、ぅ“…ぞむ、ぅ…さ……!」
「なァ、エミさん…俺の事好きって言ってくれたやん…あんな愛し合ってたやんか」
「はっ、は…ぅ“…し、ら…な…ぁ“……」
「やのに、なんで…」
「や“…ぅ…だ、れか……」
パッと手を離されて、急激に流れ込んできた酸素に思わず咳き込んだ
ビクビクと体が痙攣し、生理的なものか、それとも恐怖からか涙がボロボロと溢れる。
「はッ、はッ…ひ、ぃ……う“ぅ…!」
「……なァ…エミさん」
両頬を包まれ、グイっと、無理やり顔を合わせられる
美しかったペリドットの瞳は酷く濁り虚だ
「エミさんの目ぇ、ちょうだい」
「…は、ぇ……」
するりと親指が滑り、眼窩に食い込む
カタカタと、体が震える
「大事にするから…なァ、ええやんな」
「、ぇ…あ……じょ、うだん…、です、よ…ね…?」
「きれぇに抉ったるから…大丈夫、エミさんは、強い子やから」
「…ぁ…あ、ぁ……ゃ、まって…まって、」
「目ぇ、抉ってもうたら…エミさんの最後は俺になるもんな」
「ゃだ、…や、だ……ぞむさ、」
「他の奴、見られるくらいやったら」
「…ひッ!、や…いやっ!…やだ!」
「ちゃんと憶えてな」
「ぅ、つ…さん…!」
グチュ
そんな音と共に、視界が朱に染まる
それから絶叫が響く
これは、私の声なんだろうか
…嗚呼
なんだかもう疲れたな
…もう、いっそ、眠ってしまおうか
……
ごめんなさい、愛してます
鬱さん
気絶したエーミールを抱き抱えて、ミルクティー色の髪を梳く
血で染まった包帯に覆われる目元に労りを込めてキスを落とした
ガラスの様な瞳は、抉り取っても変わらない輝きを宿したままだ
ふたつのガラス細工は大切に大切にしまう事にした。
「頑張ったなぁ、エミさん…えらい、えらい」
エーミールの体はいつもと変わらず暖かい
ボロボロと涙を流し絶叫する姿に酷く罪悪感を覚えたが、それは半分エミさんのせいなので仕方ない。
「なぁ、エミさん…俺、ホンマに悲しかってんで…?」
「俺はこんなにエーミールのこと想ってんのに」
「…でも、しゃあないか」
「エミさん、流されやすいもんな…お願いされて、断れんかったん?」
「…もう大丈夫やから、安心してな」
「エミさんのこと唆した屑…ちゃんと殺したるから」
「そしたら、二人でどっか遠く行こな」
さぁ、そうと決まれば早速準備をしよう
まず荷造りをして、それから屑を始末して
それから、どこに行こうか
エーミールは海が好きだから、F国辺りがいいだろうか?
嗚呼、楽しみだ
エーミールは喜んでくれるだろうか
きっと、次目が覚めたら今までの事も思い出してくれるだろう
なぁ、エーミール
ちゃんと、二人で
幸せになろうな
はい、いかがでしたでしょうか
作者としては不完全燃焼なので、”いつか”リベンジ出来たらなと思います
いつになるかは知りません。
皆さんも体調不良には気をつけてくださいね。
アイツら気合いも何もかも奪って去っていくので
それでは、また次の作品で……
コメント
3件
うわああああ… 心臓鷲掴まれました! こういう愛も怖いけど好きです…
あぁああ!!!!!最高でした。想像以上のクオリティで凄く良かったです!