高校生のfwが大学生のaknに拾われる話。
寝息が聞こえる。
(なんでだろう、俺はひとり暮らしのはずなんだけどな………。)
寝ぼけた頭では、そんな能天気なことしか考えられない。
ことの重大さに気づくのは、もうしばらく…。
(今日は確か…大学が2限からだったっけ。)
スー…スー…
(あの教授の講義、気力使うんだよなぁ…。)
スー…スー…
(朝ごはんちゃんと食べてこ…冷蔵庫に何入ってたっけ………。)
んぅ……
(………。)
(!!!!!?????)
勢いよく飛び起きる。人間にこんな動きできるんだ、ってくらいに。
「………え?」
「だれだ…この子………?」
俺の隣には、幸せそうに寝息を立てている、綺麗な顔立ちの男の子がいた。
少なくとも記憶には無い………いや、寝起きだからか、頭が正常に働かない。
俺はいったん冷静になって、よくよく思い返してみた。昨日の出来事を。
昨日の夜は、確か大学のサークルの集まりで飲み会があった。
会場の居酒屋は、いわゆる夜の街というか…ホストやキャバクラ、ホテルなどばかりのところだった。
正直嫌だな、とか思いながら着いていった。
サークルの先輩は、まあそういう部類の人で。
俺が酒が弱いことを知っていて、何かとイッキとかをさせてくるような人だった。
昨日も散々飲ませられ、かなり泥酔していたんだと思う。
帰り道、人の声がうるさかった。
車の音がうるさかった。
まさに眠らない街、といった様子で、そこらにはやたらピンクな看板の下で、露出の多い格好をして誘ってくる女の人。
虚な目をして地面に座り込んでいる男の人。
怖かった。
だから少し人通りの少ない、路地裏に入ったんだ。
そこは大通りよりは静かで、冷たい夜の風が吹いていた。
「ネオンの光でわからなかったけど、今日は月が綺麗だったんだな………。」
と、呑気に空を見上げ、足を進めた。その時。
ドカッ
と鈍い音が響いた。
何かを蹴ったんだ。上を向いていて、尚且つとても暗かったから、何かあることに気が付かなかった。
そこはゴミ捨て場で、たくさんのゴミ袋が山積みにされていた。
俺はゴミのひとつでも蹴ったのだろう、と無視してまた歩き始めようとしたのだが…。
動いた。
蹴ったゴミが動いた………いや、ゴミ…じゃない。
ぼやっとした月明かりに照らされて、それは徐々に、鮮明に見えていく。
まだ酔いの冷めない俺の目は、微かにそれをとらえた。
瞬間、目を見開いた。
「もー、いったいなぁ………ちゃんと前見て歩かんと危ないで?」
to be continue…
コメント
4件
「良いの」冷めないは多分「酔いの」 じゃないでしょーか…? (違ったらすみません)
ら せ ん さ ん が 書 く の 全 部 解 釈 一 致 過 ぎ て … 😶😶😶