〈peint side〉
rd 「ぺいんとごめん、」
ぼんやりとモヤがかかっている中、唇に何かが触れてそれと一緒に何かが口の中に広がる
pn 「ん、、」
それが彼の唇だと気がついて心が満たされていくのを感じる。
ああ、この夢が永遠に覚めなければいいのに
そうして何度も何度も送り込まれる液体と共に彼の唇に触れる。 これが夢なのならと欲張り繰り返しもとめて、ふれて、、、、
夢じゃなくて本当にらっだぁに触れられたらいいのに、叶わないのがもどかしいな
カチャ
食器の音がして意識が現実へと戻る
pn 「、、、」
目を覚ますとすでに日は沈んでいて、そこには俺を看病してくれているらっだぁの姿があった
rd 「あ、、起こしちゃった?ごめん」
pn 「いや、ありがと」
rd 「体調どう、しんどいとかある?」
pn 「右腕痛い」
倒れた時に全体重が右腕に集まったからか、腕が鼓動を打つようにズキズキと痛みがあった
rd 「ちょっと見せて」
pn 「おまっ、ちょ強引だって」
荒めに服を脱がされては右腕を凝視されて少し気まずい。
ヒヤッ
pn 「っひ、、!
湿布貼るなら一言いってよぉー」
rd 「ごめんごめん、貼りましたよー 」
文句を垂れながらこの距離で見る彼の瞳やまつ毛や高い鼻に見惚れながらふと唇に目がいく
あー、ほんとに今もあの夢の中ならよかったのに
rd 「なに、そんなに見て」
pn 「なんもないよ」
どうせ俺に見惚れてたんでしょー、なんて言われるけど肯定できるわけなくてむず痒い
rd 「はい、これお腹空いてるならたべな」
pn 「、、、たべさせてくんね?」
rd 「なんでよー、あっ」
俺が説明しなくても彼は俺の右腕を見て察してくれた。本当は動かせないほどではないけれどこの怪我を利用しようと思うなんて、俺はどうやら狡くなったようだ
しょうがないなー、とだるそうに言うけれどその顔は満更でもなさそうで素直じゃないところも彼らしさがあっていい
こんな彼の一面を知っているのはきっとこの世で俺だけ。そう思うだけで十分だった
rd 「はい、あーん」
pn 「あーー」パク
らっだぁが不安そうに俺の様子を伺うけれど、そんな心配する必要はないほど美味しかった
pn 「んまっ!」
その一言で口元が緩む彼の姿に俺はどうしようもなく胸が熱くなる
彼が洗い物へと席を外した隙を見て日記に手を伸ばした。
…………………………………………………*
8月22日
熱中症で倒れてしまった。起きるときっちりと畳まれた洗濯物に、温かいご飯を用意してくれている彼がいた。不器用なのに頑張ってくれたんだなと思うと心があったかくなる
そうだ夢も見た
らっだぁが俺に口移しする夢。しかも何度も何度も
一生このままでいいと思ったけど結局起きてしまった。そんな夢を見たせいで欲望はどんどん大きくなるばかりだし、起きてからもなんか変に意識しちゃうし、むず痒くなるしで結構困ってるんだよね
…………………………………………………*
ーーーぺいんとお風呂沸いたよー?
洗濯物に夜ご飯に洗い物に、ついにはお風呂まで。ほんとに何もかもやってくれてたんだな
pn 「今いくー!」
rd 「俺洗い物終わらせてからいくね
右腕痛いだろうから俺が洗ってあげようか?」
pn 「え、いいの?そんなことまで」
rd 「貸し3つね」
pn 「うっわ、がめつ。」
まあ、それくらいのことしてもらってるしな
と納得してその後は特に文句は言わずに静かにお風呂に向かった
〈radao side〉
一通りの家事を終わらせるとどっと疲れが襲ってきた。普段から少しは手伝ってはいたもののほとんどをぺいんとに甘えてたから、これは彼に感謝しなくちゃな、、、
起きた様子から見て俺が口移ししたことは覚えていないらしい
、、、よかった。
そう安堵しながら服を取りに居間に入るとぺいんとの日記が開きっぱなしでおいてあった
絶対に見ちゃいけないって言われてるけど、正直気になる。とっても気になる
rd 「まあ、置いてくのが悪いよな」
無理やり自分を納得させて日記に手を伸ばした
rd 「え、」
口移しをされる夢を見て、それが一生このままでもいいのにって?
ちょっと待ってどう言うこと。俺は恐る恐る前のページも読み始めた
そこには俺の話ばかり、俺のだらしない姿や小さな変化に俺のしたことなど、その日記は俺一色で染められていた。
俺のこと書いてとお願いはしたけど、まさか本当に書いてくれているとは思わなかった。最初のページになると彼の気持ちがはっきりと記されていた
『彼のことが好きだ』
rd 「 っ、、まじ?」
両想いってやつだこれ。やばいどうしよう
口角がいうことを聞かずにぴくぴくと上がる
熱くなる耳が静まるのを待って俺は彼の待つお風呂は向かった
pn 「ふふふーん」
お風呂に響く彼の伸び伸びとした歌声を片耳に入れて俺は悶々と考えた
これは、告白していいんだよな。ていうか両思いなのに付き合わないのがおかしいよな
覚悟をきめても掴めないまま浮遊する不安感が俺を襲う
それをかき消すように頭を激しく洗った
rd 「うおおおおおっ」
pn 「やーめーろ。 泡飛んできてるって」
コメント
1件
片方が両思いって気づいたら告白する、、、けど恥ずかしがって告白拒否ったらどうしましょう😭