約束のスノードーム

〈peint side 〉

pn 「ふーっ、いい湯だったぁ」

二人でほかほかになりながら冷たい麦茶を一気に流し込む、これがお風呂後のルーティーン

らっだぁはいつもよりもはるかに上機嫌で、俺のお茶を飲む姿を眺めてはニヤニヤとしてくる

pn 「、、なに怖いんだけど」

rd 「いや、元気になってよかったなって」

なんだそんなことか

でもそんな些細なことでも俺のこと見てくれてるんだな、と少しばかり嬉しくなったりした

rd 「寝る前にゲームしようよ」

pn 「ありだね」

そんな会話を交わしながら廊下を抜けて居間に入ってあることに気がつく

日記が出しっぱなしだ。

pn 「っ、、！ 」

俺は慌てて日記を手に取り隠す、幸い日記は開かれたままじゃなかったから見られてないだろうとらっだぁの顔を伺う

rd 「どしたん、そんなに慌てて」

pn 「もしかしてらっだぁ、中身見た！？」

ようやくわかった。さっきからニヤニヤと俺の顔を見る理由が、、、

心配するそぶりを見せてるけど顔には出てるんだよ。その卑劣な笑みが！！！

rd 「見てないよー」

pn 「顔に出てるんだよっ」

rd 「嫉妬して俺のこと蹴っちゃったり、俺のギャップに惚れ惚れしちゃったりなんてしらないなー」

次々と彼の口から出てくる日記の内容に俺はどんどん血の気が引いていくのを感じる

本人は楽しそうに気味の悪い笑みを浮かべてこちらを見てくるけど、冗談じゃない。

pn 「うわ、もうほんと最悪」

俺はその場に蹲って顔を隠す

相手に見られたという恥ずかしさとどう思われてしまうんだろうかという不安感、自分の失態への落胆に感情が絡まっていてとても人様に見せれるような表情ではなかった

rd 「ほんとにちょっと見ただけだから平気だよ、ぺいんとほら顔あげて？」

pn 「〜〜っ、それが1番問題なんだよ！！ 」

俺は涙でぐちゃぐちゃになりながら声を荒げる。もうどうしていいかわからなくなって目の前で手を差し伸べる彼を押し除けてトイレに引き篭もった

ほんとに最悪だ。

見られちゃった、知られちゃった、

俺の気持ちが全部筒抜けにされちゃった

何よりも俺の真剣な気持ちをあんな揶揄い方されるなんて許せない。

いや、引かれるよりかはマシだったのかな

〈radao side〉

ちょっと揶揄いすぎちゃった、泣かせるつもりはなかったんだけど

トイレのドアから啜り泣く声が漏れている

rd 「ぺんちゃん泣かないで？

ごめんやりすぎた、、、」

沈黙が続き彼の鼻を啜る音だけが廊下に響く

pn 「どっかいって、もう話しかけないで 」

そんな悲しそうで弱々しい声で言われて離れる選択をするほど俺は阿呆じゃない

rd 「ちゃんと面と向かって話したいからお願い、出てきてよ」

pn 「やだ」

rd 「ぺいんと」

pn 「、、ぁんなに馬鹿にしなくたっていいじゃんっ」

rd 「っちが、馬鹿にしたんじゃなくて、、

その、、、」

rd 「うれしくて。つい」

何言ってんだ俺、

いや本当のことだけど好きな子の気持ちがわかってうれしくなって茶々入れるとか

口にしてようやく自分がやったことの幼稚さに気がついた

〈peint side〉

うれしくて、？どういう意味だ

pn 「また揶揄ってるんでしょ」

rd 「ちがうって。お願い、ちゃんと話したい」

もしさっきの発言が正しいのであれば、俺の気持ちに気づいても気持ち悪がらなかったのも、むしろテンションが上がってしまっていたのも辻褄は合うよな

でもどんな顔しておけばいい？

今まだ頭の整理ができてない状態で出ても意味がないんじゃ、

いや、こうなった以上きっといつかは話すことになるんだ。今逃げたってそれこそ、そっちの方が意味がないだろうな

俺は涙を拭いて深呼吸をして、扉をそっと開けた。

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とは言ってもこの状況どうしよう。

トイレから出てきて一旦落ち着こうってなってあったかいお茶を飲んで、それで、、

夜の虫たちの声がただ響くだけのこの時間

きっ、きまずい

rd 「さっきはごめん、ほんとに馬鹿にしたいわけじゃなかったんだよ」

pn 「もういいよ、それは」

pn 「ほんとに人様に見せれるようなものじゃなかったのあれは。その日記に書かれてることは自分だけの秘密にしようと思ってて」

pn 「見られたって気づいてからは色々こんがらがって、感情的になっちゃって」

pn 「ごめん、」

rd 「ぺいんとは何も悪くないよ」

またしばらく沈黙が続く

俺は彼の顔を見ることができずに自分の手を撫でたり握ったり、なんだか落ち着かなかった

気持ちはバレてしまったけど、好きだけど、両思いらしいけど、、、。

rd 「ぺいんと、顔あげて？」

彼は優しく包み込むように俺に声をかけて、手をそっと握る

rd 「好きだよ、ぺいんと

俺と付き合ってくれる？」

pn 「〜〜〜っ、」

この人は本当にずるい、

俺のことをよくわかっていていつも欲しい言葉をくれる。

でも俺のことわかってないんだ

pn 「ごめん。」