リクエスト
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「あなたの事が好きです。付き合ってください」
「……ごめんなさい…俺好きな人がいるんで」
まただ…また振られる。なんでだ…
しゅうとのことは初めて見た時から好きだった。
ここには大勢の天使がいるのに唯一、君だけが俺には光って見えた。
そこから仲良くなって、距離も縮めたのに君は俺以外の天使を好きになる。
……あ、そっか、しゅうとの好きな人を無くせばいいんだ。そしたら俺だけを見てくれる。なんだ。簡単なことじゃん。
それから俺はしゅうとの好きになった人を殺して回った。
もちろんバレないようにしたし、誰にもバレなかった。
「ねえ、かざね…」
「俺が好きになった人みんな死んじゃう…」
「俺、死神かなんかなのかな…」
君は目に涙を浮かべて言う。
俺はその顔がとても美しいって思った。
もっとその顔が見たくてしゅうとに関わる天使は次々と殺して行った。
「……かざね?」
「…ぁ」
ある日また殺してたらしゅうとに見つかった。
「なにやって…」
「なにって…殺してるだけだけど…なんで?」
そう言った直後しゅうとは走ってどこかに行こうとしたから俺はしゅうとを掴まえた。
「なんで逃げるの?」
「神様に言われて…天国の見回りしてたけどこれは流石に報告しないと追放されちゃうよ…」
「かざね…ごめんね…」
俺は天国から追放された。
「…」
「しゅうと、どうしたんだ?」
「あ、いえ…なんでもないです」
かざねが追放されてから、何百年経っただろうか…俺は今ではもう大天使として神様の側近になった。
それでもずっと一緒にいた親友がいなくなって寂しい日々を送っていた。
ある日神様が人間界で不審死が続いているから調査に出てほしいと言われた。
「…これ…包丁?」
人間の死体の傷は鋭利な刃物で切りつけられていて、なにか…見た事のある殺し方だった。
「…まさかね…だって…もういないはずだもん」
不安と疑問を抱え天国へ戻った。
「はぁ…やっぱりありえない…」
帰って資料などを確認したけれど、天国から追放された天使は数日で死んでしまうとしか記されていなかった。
「報告は…まだ確定してないし…」
そう迷っていたら目の前に人が現れた。
「…え」
「久しぶり、しゅうと♥」
そこには死んだはずの…ここから追放されたはずのかざねがいた。
頭の輪は黒く溶け、羽根も真っ黒に少し赤みがかった色に変わっていた。
あれは紛れもない堕天使だ。
「なんで…」
「俺しゅうとと一緒になるために頑張ってきたんだ♥」
「迎えに来たよ♥しゅーと♥」
そこで俺の意識は途切れた。
「〜♪」
ほしいものを手に入れて数日。俺はいつものように白い鳥かごが置かれた部屋へ向かった。
そこでは綺麗な真っ白の天使がいる。
俺の宝物♥
「しゅうとおはよ♥」
「……」
「ねえ、いい加減俺と一緒になろうよ」
「……やだ」
いつも同じことを言い、同じことを言い返される。
だから今日はいつもと違うことをする。
「おはよ♥」
「ぇ…かざね…どうしたの…それ…」
「ん〜ん?しゅうとと俺を半分こにするんだよ」
驚くのも無理は無い。俺が自分の右目と右側の翼を手に持って会いに来たもんね。
しゅうとの右目と右翼、俺の右目と右翼を交換しようって思ったから。
「ね、しゅうと」
「俺、しゅうとの半分欲しいな♥」
「交換しよ?」
「は?なんで…まって!やだ!やめて!」
俺は鳥かごに入ってしゅうとのを貰った。代わりにしゅうとに俺の半分をあげた。
「グスッ…ぃだ…やだ…」
「これでお揃いだね♥」
ずぅっと一緒にいようね♥しゅうと♥
恋のキューピットは堕天使だったらしい。
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すずらん様素敵なリクエストありがとうございました
感謝(ㅅ´ ˘ `)感謝
イメージと違ったらすいません(_;´꒳`;):_
コメント
2件
リクエストありがとうございます😭 最高です! kzさんのどろどろした感じとかsyuさんのちょっと寂しそうなところとかが大好きです♡
ドロドロな感じなのもめっちゃいい…︎💕︎︎