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nagi.
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李和
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「うーン。今日はホールケーキが食べたい気分だなア」
ある春の晴れた日
私は篝さんに会いに行っていた
錆びた鉄の階段。キイキイ唸る蝶番
すべて慣れた景色だ
「篝さん。」
扉を開けると窓の外を眺めている篝さんがいた
「あ、小野瀬クン」
ゆっくりと振り返り私を認識するとへらっと笑う
「あそこの鳥見てたの。自由でいいなアって思って」
何も質問していないのに窓を指差して話す。
「そうですか。で、本題ですが」
そんな篝さんを無視して座り慣れた椅子に座る
でももう多分これ以降座ることはない
「早いなア。大阪人もびっくりや」
「あなた大阪の人じゃないでしょう」
「…なんやねん今日不機嫌やなア」
そう言いながら対面に座る
「そうや、結構いいトコのコーヒー買ってん。キミも飲む?」
テーブルの上にあったいつ洗ったのか分からないようなコップをくるくる弄りながら尋ねる
「いいえ。結構です」
「ああそうなん。残念」
懐から取り出した飴をボリボリ噛み砕きながら呟く
「小野瀬クンの為に買ったんやけどなア」
「それは残念。モノでは釣られませんよ」
「ン?その心は」
そう言いながらポケットから出した溶けかけのチョコを頬張る
「貴方の身体は四次元ポケットですか…」
「いや、そんなことじゃなくて」
「私に何か隠していることあるんでしょう?」
「そしてそれを私が分かっていることも知っている」
「それでも尚、ここを辞めて欲しくないんでしょう?」
篝さんの手が止まる
数秒の沈黙
「ウン。知ってる。」
それを破ったのは篝さんだった
「でも、辞めて欲しくない。は違うかな」
篝さんの手は再び駄菓子に伸びていた
「違う?」
「ウン。小野瀬クンはいつ辞めても良いし誰も止めない」
「じゃあ…」
「隠してることはあるよ。ってか知ってるやろ?」
私が言葉を紡ぐより先に篝さんがまた話し初めていた
「キミの妹チャンのこと」
「…………」
分かってはいたが篝さんからその言葉を聞くと思わず身体が強張る
「まあ話すと長なるから詳細は割愛するけど」
「キミの妹チャンは殺されそうやってん」
思考が数秒止まる
「は?」
間抜けな声が漏れ出る
「このまま放っといたら殺されててんで?キミの妹チャン」
「それは…どういう…」
「そのまんまやけど?」
「それを、助けたって…ことですか…」
「ウン。俺が、助けてん」
篝さんが由衣を助けるためにアイツのところから奪った…といったところだろうか
「そう、なんですか…」
違和感を覚えながらも納得した体にしておく
「これで、言いたいこと終わったかな?」
「ええ…ありがとうございました」
席を立ち扉を開ける。
そこには眩しいくらいの晴天が広がっていた
連続殺人犯の男 逮捕 2016年6月7日
5日、東京都■■で営業していた喫茶店に男が侵入店主を殺した後、料理と称して被害者の遺体を客に渡す。という事件が発生した。
民間人から通報を受け、犯人と思われる男を逮捕した。現在男は犯行を認め、取り調べを受けている。詳しい動機などは分かっておらず今後の捜査で判明させていく見通しだという。
客に提供したとされる『料理』には身元不明の遺体も4体見つかっており警察は身元の確認を急いでいる
この物語はすべてフィクションです。実際の人物、団体、事件とは一切関係ありません
コメント
169件
篝さんの一人称が変わっている…… 丸く納まったのか…?と思ったら最後!!最後!!身元不明の遺体が4体…。なんというか、とてもこわいです
一人称が変わってる…… これはハッピーエンドなのか……
一人称変わってますやん 小野瀬それ以上突っ込むな