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『やめて!お願いします!この子だけは!』
『か、ぁさん…』
『やめてくれ!金ならいくらでも出す!出しますから!』
『金なんていらない、上からの依頼なんだよ。目に付けられたことを後悔しな』
『なんでっ…、どうかお願いします!どうかっ』
実の親の記憶なんてこれっぽっちもなかった
先程までは
一生懸命に足を掴み俺に触ることを止めようとする姿は昔の俺には分からなかった
『俺でどうにかなりませんか!』
『大人は合わないんだよ、実験内容的にな』
『そんなっ』
こんな行為国からは許されない犯罪のはずなのにその国の政府にも関わりがあるのだから人目があるところでも構わず喋り出す
『お願い!何でもします!やっとできた子供なんです!私たちの大切な大切な子供なんですっ…』
『うるせぇな、そんなこと知るかよ』
バンバンッ
子供の頃の俺には何が起きたか分からず赤い液体が顔に飛び散り母親と父親が倒れていることに理解は出来なかった
『…ぇ、かぁさん…とおさん…待って、おいてかないで』
『女は連れていけ、施設長に気に入られるだろう。』
後ろにいた黒い服を来た人達が母親を乱暴に持ちながら黒いケースに入れていた
『子供も車に入れとけ、暴れてもらったら困るからな、気絶させろ』
『はっ』
『や、やだ…かぁさん、とぉさん、ひとりにしないで…おいてか、ないで』
何が何だか分からないまま連れていかれ気を失った
「世一?」
「…ごめん、なんでもない」
子供を國神に預け残りの資料を集めれば終わる
「また陰気臭い顔して…カイザーに移ったらどうしてくれるんですか!」
「感染しねぇから安心しろ」
「まずクソ感染するようなものじゃねぇけどな」
長い廊下を慎重に歩き進めていく
そんな時人影が目の前から見えてきて影からして仲間では無いことが分かる
「…後ろにいろよ、世一」
「心配すんな」
緊張の中人影はどんどんこちらに迫ってきてでも焦っているような急いでいるような
何かに逃げるような走りをするのに違和感がたった
「た、助けて!お願い!誰か!!」
汗だくの子供、15歳くらいだろうか
女の子が走ってきて身体中が血まみれだった
「ど、どうしたの?!」
「殺される!殺されちゃう!逃げなきゃ!死にたくない!」
一生懸命に助けを求める姿に心臓がはち切れさそうだった
「大丈夫、俺が助ける」
「ほんと…?」
「勿論」
安心したのか顔を俯かせ息を落ち着かせようと手を後ろで組んだ
「ほんとのほんとだよね…?」
「うん、絶対に死なせたりしない」
「…ありがと…」
「世一!!」
なんだ?と思いカイザーの方へ目を向けた時ぐいっと手を引っ張られ女の子の方に目を向けた時包丁を手にしている姿を見た
「ぇ…」
「なっ?!なんでこんなものを持ってるんです!」
「あんたを殺さなきゃ私殺されちゃうの!助けてくれるんでしょ?!ねぇ!助けてよ!」
「どういうこと…?」
「八木さんに頼まれたの!あんたを殺さなきゃお前は殺すって!殺せたらここから出してやるって!」
八木、研究員の1人だ
俺を犯した1人でもある
「だからっ!」
バンッ
「っ、…か、いざー」
「…行くぞ、世一。此奴に構ってる暇は無い」
「ま、てよ…なんで殺したんだ!」
「なんで?そうじゃなきゃお前は殺されてただろ!なんだ?まさかお前自分を殺してあのガキを救おうと思ってたのか?クソバカが!あのガキがお前を殺してもここの研究員は躊躇なくガキを殺す!ただの戯言に過ぎないんだ」
「っ…」
「か、カイザー…」
「…すまない、取り乱した…悲しませたかったんじゃない。ただ死んで欲しくないんだ、お前を失うのが怖いんだよ」
「…ごめん」
「…あー!もうっ、また暗くなって!昔のカイザーはこんなことで焦らなかったのに…これも全部世一のせいです!」
「ごめんってば」
「謝ればいいってことじゃないんですよ!この横取り泥棒!」
「はぁ?!なんだよそれ!取ってねぇよ!」
「取りましたよ!僕のカイザーを!」
「お前のじゃねぇわ」
「いいえ!カイザーは僕ので僕はカイザーのものなんですよ」
「え…」
さすがに引くな、とカイザーを横目で見つつネスを疑視する
「クソうるさい、ネス。それにお前のものじゃないからな」
「え?!」
「もしかして…俺のもの?!」
「クソ無い」
「死ね」
「うっひょー、なにこれ〜…」
「あんま走んないでよ、めんどくさい」
「凪っちは走ってよ!だってみてよこれ!監視カメラルームだよ」
全面に先程までいた部屋や潔たちに実験ルームが映し出されたテレビが広がっていた
ブルーライトが光顔に青みが映り出す
「これって結構有利だよね!」
「うん、まぁあの施設長って奴の部屋はさすがに見えないけどね」
「ガード固いなぁ」
「…!…過去動画だよこれ」
「え?!マジで?どんなやつ?」
「多分実験内容的なやつだと思う」
「まじか…」
番号が書かれたCD入れには色つきの無地のシールが貼られていて生年月日が丁寧に書かれていた
「…これ潔のじゃない?」
「…ほんとだ、No.4141って奴らが言ってたの覚えてるからこれだよ」
古びた容器にサビかけているCD
映るのか分からないがCD入れには入りそうだった
「…みる?」
「…俺、潔のこと知りたい」
「俺も」
「いい気分ではないだろうけど、みよ」
CD入れに入れれば画面が一気に暗くなりジジジッと音を鳴らしたあと部屋一面が明るくなった
『これから、No.4141の27回不死の実験を始める。』
真っ白い部屋の真ん中にはなんのためにあるのか分からない機会に鎖、牢屋までもが揃っていた
これからどうするのか分からない状態で扉の方から叫び声がかすかに聞こえた
『入れ、No.4141』
『やめて!離して!』
体を蹴られ地面にドシャッと転び白い白衣を着た研究員たちは潔の腕を掴み無理やりにも立ち上がらせ機械をはめていく
『ヤダっ…嫌だ…』
痛いであろう縛りをつけ円柱の形をした機会に入れられる
『開始しろ』
ビリリリッ
『あ”がっ!あ”あ”ぁ”っ!!』
電気を流し全身に電気を浴びせされそれが5分続き円柱の機械が破壊した
『ちっ、失敗か』
痛みと疲労で生きているのか疑うほど倒れ込み他の研究員たちは次の実験のために準備を始めだした
その時ここでは珍しい綺麗な金髪の髪をした少年が潔に向かって走り出した
『ガキ!』
カイザーだった
『おい、大丈夫かよ。なぁ!』
今のカイザーとは全て違い見た目も今よりも随分と細く頬に痩けが見えた
服装もボロボロで髪もボサボサ
『おい、カイザー。どけ、まだ実験は終わってない』
『これ以上は無理だ!子供の体じゃこれ以上はキツイ!』
『だからなんだ?』
息を飲むような音がなりカイザーは大人たちに蹴られ潔の頭をつかみこう言った
『消耗品は消耗らしく役に立てよ』
そこで動画が終わりプツリと部屋が暗くなった
「…」
何も言葉が出なかった
いや、喋れなかった
その状態が何秒、何分も続いてしまった
「どうだ?素晴らしいだろ?本当はその続きに完成した瞬間が捉えられていたはずなのだが成功した瞬間に爆発が起きてな、修正したが途中までしかできなかったんだ」
バッと後ろを向いた時絶句した
いつか潔に見せてもらったことがあった
『ねぇねぇ、潔が言ってた施設長ってどんな人なの?』
『まじキモ親父』
『にゃはは、具体的に!』
『うーん…そうだな』
何秒かして頭をこてりと傾け顎に手を置いた
『自分のことばかりで自分が助かるなら、自分に利益が来るなら何でも捨てて何でも犠牲にするやつ。自分以外でな』
それと同時に写真を出した
暗く見えずらかったが簡単に想像出来るには見えた
印象に残っているのはニヒリと悪魔のように口を広げていたことだった
そいつが今目の前にいる
「お、まえ…」
「No.4141とお友達らしいじゃないか」
「…」
「あいつはいいだろ?もうヤったのか?もしかしてこれからか?なんでもいいが、彼奴は見た目もいい。愛らしく締め付けが良い、今も変わらないだろうな」
汚い口から汚い言葉が出てくる度に胃が煮えくり返りそうだった
変な汗をかき息が乱れていく
「あんたが…潔を…?潔を…苦しめたのは、あんたなのか…?」
「人聞きが悪いな、可愛がってやったんだよ。」
「…待って、お前…潔が殺したんじゃないの…?」
確かにそうだった
殺したと伝えてきた潔は嘘をつくとは思わない
ならなぜ?
「嗚呼、殺してくれたさ、あのカスにな。」
「じゃ、なんで…」
「治癒薬」
「!」
その薬は子供を助けた時に使ったものだった
「素晴らしいだろ?あのガキも取られたがどうでもいい。No.4141さえ手に入れればなんだっていい。他はいらないんだからな」
腹の底が暑く手が震え始めた
それは悲しみか、悔しみかそれとも怒りなのか
よく分からないが此奴は殺すと決めた
「お前だけは殺す!」
「頭を下げろ!!」
バンッババンっ
「っ、…國神?!」
「すまん!遅れた!」
「人が増えやがった…!」
ダッと走り出しそれを唖然と見送ってしまった数秒後に走り出し銃を向けた時スナイパーがこちらに射いようとしていることに気づいた
千切を殺したやつだった
「凪っち!あれ!」
「?…!…あいつ」
「俺あいつやってくるから、凪っちと國神は非被害者野郎をお願い!」
「いや!凪はそっちに行け!俺か行く!」
「は?」
「でも!」
「仇、うちたいんだろ?俺もうちたいが、それを言ってる場合じゃねぇからな」
そういった途端猛スピードで野郎に向かって走り姿が見えなくなってしまった
「っ、凪っち!」
「わかってる」
バンッ
さすがに避けられ手榴弾を投げられるのを繰り返された
「さすがにキッつい」
「…待って」
「え?何?凪っち」
「彼奴が行った方向って何があったっけ」
「え?……あっちは一方通行しかないから何も無いはずだけど」
「他には?」
「…玲央…?」
「っ!やばい、玲央ああ見えて戦う人間じゃないんだよ」
「え?!そうだっけ?!」
「あいつは情報課だから、乱闘には向いてない」
「…それ、ちょっとヤバくない?」
「ちょっとじゃないよ、だいぶやばめ」
「あー!見当たんねぇっ!」
「黙りなさい、世一。こういう時は冷静に視野を広げることが大事ですよ」
「わかってるっての」
資料ルームを細かく探し実験関係類の資料を隅々まで探す
棚の下や引き出しに策がないかとか
「あ?」
「なんだよ、カイザー」
「うるさくないか?なんだこのクソドタドタ案件は」
「はぁ?…うわマジじゃん」
「…すみませんが、僕には聞こえませんね」
「耳垢掃除しろよ、あ、海外にはないんだっけ?ごめーん」
「嫌味ったらしいですね、殺しますよ」
「…ちょっと待て、この声…錬介じゃないか?」
「え?」
内容は聞き取れないが誰かを追いかけているような声が聞こえた
「今國神は東方面で裏方に行ってるはずだから…何かあった?」
「…この方向…特に何も無いはずだが」
「…カイザー、嫌な予感がします」
「奇遇だな、ネス。俺もだ」
「……やばい、カイザー」
「あ?」
「…この先にいるの、玲央だ」
「…っ、行くぞ!」
多分5階にいるであろう彼らを追うべく窓から飛び出し凹みの部分を上手く使い5階まで降りていった
もちろん俺はそんな真似出来ないのでおぶられてだが
間に合えと頭の中で何度も呟きながら叫ぶがパリンっと窓が割れる音が聞こえ下を見れば國神が窓から飛び出しその後ろには施設長、ゲス野郎が銃を向けていた
その先は玲央に向けて
「やめろ!!」
血が舞踊り花火のように飛び散る様は頭の中が真っ白になり白い髪が赤に染まっていく
「凪…?」
「かハッ」
「凪!!!!」
玲央が顔をゆがめ苦しそうに叫ぶ姿は遠目からでも見てわかる
ドサリと重い音が鳴り響き地面には血いっぱいに広がっていた
治癒薬は最後の1つが掌の中にあった
急いで下まで降り治癒薬の蓋を開け凪に飲ませようとするが手を当てられ拒まれた
「な、ぎ…なにしてんの、手退かせよ」
「無理、…俺、アイツらが作った薬飲んで生きてますとかプライドズタズタになっちゃうじゃん」
「そんなこと…言ってる場合かよ!」
「無理ったら無理…玲央は?無事?」
「…嗚呼、凪が庇ったから大丈夫」
「…そう、良かった…あー、ごめん。これほんとにだめだわ」
「凪、今からでも遅くない。飲め」
「無理だって…あー死ぬのめんど、…生きるのもめんどいのに死ぬのもめんどいんだ…」
「凪…っ!」
痛い、苦しい
嫌だ
いかないで
これ以上、奪っていかないで
取らないで
「お願いだよ、…飲んでよっ」
「…そんな顔しないでよ、潔」
「お前がさせてんだよ…」
「…生きてよ、…潔 」
「おれっ…お前らがいないと…っ」
「暗い話やめてよ…頭が真っ暗になっちゃう…じゃん」
顔を上げて凪の顔を見た時嗚呼、もう手遅れなんだと受け止めなければ行けなかった
「…死ぬの…やだな」
「っ…なんで飲まないの」
「…好きな子の…前で…カッコ、 つけたいじゃん」
視界が揺らぎぽたぽたと液体がこぼれ落ちていく
一昨日までゲームをして話し合って助けれて普通に送っていたものが思いが崩れ落ちていく
「凪っ…馬鹿野郎…こんな仕打ちありかよ…」
涙を流し呻き声をあげる玲央
罪悪感と喪失感がまた包み込みまたもや何かが欠けていくような
壊れるような
思いに包まれ後悔ばかりが頭の中を襲う
どうか、お願いです
俺の命をあげますから、どんな罪も受けますから
どうか、彼らを助けてください
この戦いが終わったら過去を受け止めます
嫌なことも全て俺が受けて俺が背負います
これから自分勝手な行動はしません
彼らに近づくこともしません
名前も、存在全ても忘れられても構いません
だから、…彼らの命を奪わないでください
これ以上、大切な人を奪わないでください
神様
完成2024/10/13