テラーノベル
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#死ネタ、流血表現、暴力表現
ちい。こたつがめ
283
#ご本人様とは関係ありません
あざらし
180
レドの部屋
627
※30分クオリティ!主はなんで二次創作書いてんだよ!!※
本文1800文字
扉が開く音が聞こえ、それからしばらく無音になる。
玄関へ顔を出すと、いつも通り玄関に座り込み、壁を眺める姿が目に映る。
なぜだか知らないが黒岩と恋仲(ってなんだよクソ)になり、同棲までさせられ、いくつか気づいたことがある。
案外コイツは弱い。精神的に、だ。肉体は恐ろしいほど強い。
そして、もう一つ。意外にできないこともある。
料理なんてさせてみろ。出来上がるのはこの世のものではない。
かと言って自分も料理なんてできないけど。
下手とは別に、包丁はなるべく持ってほしくない。いつ刺されるものかと気が気でない。
「お疲れ様っす。」
「…ああ。」
一瞬睨んでから、目を逸らしてゆっくりと立ち上がる。
お互いそれ以上何か言うわけでもなく、自分の横を通りリビングの方へと向う。
仕事であれだけキッチリしているものだから、プライベートもお硬いのかと思ったが、そうでもないのだな。
圧がすごいのは相変わらずだが。
「聞いていいっすか。」
「なんだ。」
自分も後を追いリビングへ行くと、シワ一つないスーツを脱ぎながら返事をする。
返事が来るということはそこまで機嫌は悪くないらしい。
「時々、帰りが遅いのはどうしてですか?」
(正直どうでもいいけど…。)
「ハッ、んだテメェ。束縛タイプか?気色悪いぞ。」
「あはは…そういうつもりはなかったんですけどねー…。」
どうでもいいのは本当だが、少し引っかかることがある。
黒岩の帰りが遅い時、大抵次の日に死体が浮かぶ。
でもあの黒岩がそんなにわかりやすくヘマをするか?
だからといって偶然と言うには頻度が高すぎる。
「お前の方こそ帰りが遅い時があるな?何してやがる。」
考え事をしていると、いつの間にかゆるい部屋着に着替えた黒岩が距離を縮め、壁に追い詰められる。
「そ、それは飲みに寄ってるだけです…。」
「飲みに。もう少しマシな嘘でもついたらどうだ。」
ドスッという音のあと、腹に衝撃が走る。
うめき声を上げながら腹を抱えてうずくまるが、頭をつかまれ強制的に上を向かされる。
「テメェがコソコソ情報抜いては裏で捌いてんのを、この俺が気づいてねぇとでも思ってんのか。」
これには苦笑いしか出ない。そりゃそうだろうな、黒岩はしょっちゅうホシ挙げるエリート様なんだから。騙せるわけがないよな。
それでもバレないように息を潜めてたんだが。
「…す…せん…。」
「聞こえねぇな。」
「すみません…でした…。」
満足したのか頭から手を離し、その場にはうずくまった男一人だけが残る。
畜生。恋仲とかふざけんなよ。性奴隷の間違いだろ。
なんで俺はこいつと同棲なんかしなきゃなんねぇんだ、監視か?これも監視の一つなのか?
あれ。そういえば。
「…血の、匂い…?」
急いで手で口を押さえ、黒岩の方を見た。
が、遅かったようで。こちらに振り向き見下ろす、俺にとっちゃ悪魔のような男と目が合ってしまった。
(ああ、くそ。また殴られる。)
「お、俺…!俺の血でした…!口ン中切れちまったみたいで……。」
また目の前に戻り、今度は屈んで目が合わせられる。
胸ぐらを掴むとものすごい勢いで引っ張られた。
「そうだな。お前にとびきり美味い情報でもやってやるよ。」
「じ、情報…。」
「巷で話題の連続殺人犯モグラは、黒岩満だ。」
「は?」
言葉を失うとはまさにこのこと。
固まる俺を見て不気味に笑ってから嫌がらせのようにキスをして寝室に向かっていった。
数ヶ月後、俺が無実の罪を晴らしている間、下手に暴れ、制服警官数名に蜂の巣にされ死んだ。
あの時言われてから、情報として売ることはなかった。100%嘘だと思っていたわけではない。むしろあいつなら全然あり得ると思っていた。
ただ状況が状況なため、からかいだとも思った。
無実になったところで汚職が浮上してしまった以上警察を続けられるわけもなく、絶賛ニート生活を万歳しているが、そろそろ暇なので、 あいつの居た家でタバコを吸いながら、あいつの居た痕跡をどう消し去るか考える。
タバコの煙を吐き出しながらふと、あれが最後のキスだったな…なんてのが頭に浮かんだ。
クソみたいなやつだった。死んで清々したよ。
もう一度言う。案外、黒岩は弱い。
コメント
1件
ちょうど読み終わったところです……最後の「本当は多分、あいつに惚れてた」で、もう胸がぎゅっとなりました。 「クソみたいなやつ」と切り捨てながら、タバコの煙の中で最後のキスを思い返す主人公の、その距離感の描き方があまりに切なくて。 黒岩が「弱い」という言葉も、最初と最後で全く違う意味に変わって見える。なつなっつさんの心理描写、とても好きです。