続きです。
今更ですがこのお話はクソ長いです。ご了承。
ワンクはこれまで同様!
地雷さんや解釈違いさんは、後ろを向きながらスクロールして読むと良いと思いますよ。
色々と大丈夫な方はどうぞーーー!!
場面が変わる。
同じ病院内だが、時間帯が早いようだ。
朝日がカーテンの隙間から差し込み、白い床を照らしている。
私は木で出来た丸い椅子に座り、ビーカーに入った液体を熱心にかき混ぜている。
森「__________はぁ、ひょっとして私、首領に向いてないのかなぁ。………ねぇ太宰君、聞いてる?」
治「聞いてますん」
森「どっち」
谷崎「………太宰さん、昔もこんな感じだったンですね………」
私は液体を混ぜる手を止めずに云う。
治「あのね、お金がないとか情報がないとか部下からの信用がないとか森さんが性格が悪くて気持ち悪い中年のおじさんとか」
治「そんなの全部、最初から判りきってた事でしょ?」
森「非道いなあ(泣)」
森「………ところで君は何故、高血圧の薬と低血圧の薬を混ぜているんだい?」
治「まとめて飲んだら何か凄い事が起きて楽に死ねるかなぁと思って」
森「死ねません!!」
薬品の入った瓶をひょい、と取り上げる森さん。
治「あ………矢駄矢駄、早く死にたい!!出来るだけ楽に安価で死にたい!!!」
手足をバタつかせ乍ら喚く。
探偵社(子供っぽいなぁ)
敦(………云ってる事大分物騒ですけど?)
森「………はぁ、全く………」
森「君は、首領の遺言の証言者なのだよ」
森「そう簡単に死なれては困る」
暫くの沈黙の後、私は薬を混ぜる手を止めて森さんの方に向き直る。
治「………当てが外れたね、森さん」
治「自殺未遂の患者を暗殺の共犯者に選んだのは佳い人選だったけど………」
治「あれから1年経った今もまだ、僕は生きている」
森さんは、外向きの笑顔で云う。
森「当ては外れてなんか居ないさ。二人で見事に作戦を完遂したじゃないか」
治「暗殺の作戦は、関わった人間の口が封じられて初めて完了って云える」
治「その点僕は、共犯者に適任だった………僕の証言で貴方が首領になった後、僕が自殺を遂げても誰も疑わないから」
私が黙ると、森さんは憂鬱な心情を其の儘吐き出したかのような深いため息を吐く。
森「…………君に似た人を知ってる」
森「はぁ……口封じなんてしないよ」
森「若し私がそのつもりだったなら、君は既に息をしていないさ」
治「……」
森「この話はもう良いだろう?一寸君に頼まれて欲しい仕事があってね」
森「なあに、大した仕事じゃない。何の危険もない、簡単な調査だ」
治「胡散臭いし、面倒臭い」
森「報酬も出そう」
治「…………報酬?」
座った目でじっとりと森さんの方を見る。
治「………いいよ。どうせ大した物じゃないんでしょ」
森「楽になれる薬の調合方法を教えてあげる」
長い沈黙が続く。
暫く経ち、私は口を開いた。
治「………それで?何を調査すれば良いの」
探偵社(この人、太宰さんの扱い方が上手い)
森「嗚呼……“摺鉢街”は知っているね」
森「その近辺に最近、ある人物が現れたという噂が流布している」
森「その噂の真相を突き止めて欲しい」
森さんは一枚の紙にさらさら、と何かを書き込み、私に見せた。
治「へぇ………誰が現れたって噂?」
ゆっくりと腰を上げ乍ら、森さんに訊ねる。
森「当ててごらん」
治「……流布するだけで、害を為す噂……」
治「…………現れたのは、“先代首領”?」
探偵社「?!」
森さんは質問には答えず、続ける。
森「世の中には墓から起き上がってはいけない人間が存在する。………判るね?」
治「約束、今度こそ絶対だからね」
森「はいはい」
森さんは苦笑いをし、私に“銀の託宣”を渡す。
森「………これが君の初仕事だ」
森「ポートマフィアへ、ようこそ」
『ポートマフィアへ、ようこそ』
其の一瞬で、空気が固まる。
国木田「……太宰。これは一体、如何云う事だ」
太宰「……」
沈黙が続く。
与謝野(確かに、長い事森医師と一緒に居た様だけど………太宰はマフィアに居たのか、?)
唐突に、乱歩さんが口を開いた。
乱歩「太宰は“未だ”、マフィアじゃない」
探偵社「?!」
賢治「如何云う事ですか?」
福沢「乱歩が云っているのは………」
福沢「太宰は森医師から仕事を任されただけで、組織に加入はして居ない……という事だろう」
福沢「そうではないのか?太宰」
敦「確かに、未だ組織に入るなんて話は無かった………何だ、それならそうと云って下さいよ!」
国木田「………そうだな、お前の様な唐変木にマフィアなんて務まる筈がない」
皆は、安心したかの様な表情で私を見る。
………乱歩さん以外は。
只一人、乱歩さんだけは、何も云えずに押し黙る私を怪訝そうに見詰めている。
乱歩「……」
乱歩(皆にはああ云ったけれど……)
乱歩(『太宰がマフィアだった』のは、殆ど確実と云って佳いだろう。只………)
乱歩(事情を話せば太宰が元マフィアだったとしても、探偵社は受け入れる。鏡花ちゃんの事だってあった)
乱歩(それなのに………何故太宰は、その事を頑なに皆に隠そうとするんだ…………?)
太宰「………」
嗚呼…………矢っ張り乱歩さんには、隠し事なんて通用しないな。
敦「太宰さん、?何で黙って
乱歩「未だ続いている。取り敢えず、今は見るんだ」
敦君の言葉を遮った乱歩さんは、音声が流れ続ける画面を見つめている。
敦「えっ……あ、はい!」
敦(乱歩さんの表情が険しい……)
治「___________じゃあ行ってくるね」
治「………あ、そういえば森さん」
森「何かね?」
扉の前で振り返り、尋ねる。
治「先刻云ってた“僕に似た人”って誰の事?」
森さんは笑顔の侭答えた。
森「私だよ」
治「!!」
森「太宰君、君は何故死にたい?」
探偵社「………」
その場に居る全員が、場面の中の私を見詰める。
私は沈黙の後、
応えた。
治「………………僕こそ知りたいね」
治「生きるなんて行為に、何か価値があると本気で思ってるの?」
探偵社「ッ?!」
次の瞬間、場面が暗転した。
暗くなった場面の中、誰一人として言葉を発するものは居ない。
先程とはまた違った、それでも重い空気。
探偵社「………」
国木田(あの子供は本当に太宰なのか、?)
国木田(現在とまるで雰囲気が違う………一体何があればこうまで変わるのだ)
敦(太宰さんが何時もあんな事を思って自殺をしていたなんて……知らなかった)
与謝野(相当闇が深いねェ……)
今度は、誰一人として言葉を発さない。
それぞれが違った感想を抱き、同情と哀れみを含んだ視線で私を見つめる。
私は一人俯いて、過去を回想する。
…………この先を見られてはいけない。
今書き直してるんですけど
読み直すと本当に黒歴史ですね爆笑爆笑
着実に量産していってますが普通に書くの楽しいので😁どんどん作っていきます😁😁
楽しいいい
将来の自分、ごめんね。
普通に見つけて読んでくださってる方も、「わ、黒歴史だ‼️おでの大好物じゃん😁😁」つって読んでくださってる方も、感謝です。
ありがとジョブス😘
ここ迄読んで下さり有り難うございました
誤字・脱字等有りましたら教えて下さい
コメント
2件
えっ、めっちゃ好きです… 続き超楽しみにしてます!💕