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エマ・ノーマン・レイ、そしてかつての家族たちは
再び“扉”をくぐり、あの場所に戻ってきた。
そこはもう――
かつての“鬼の世界”ではなかった。
緑にあふれ、笑い声に満ちた、美しい村。
そして真ん中には、白い大きな塔がそびえている。
ドン「……ここが、本当に“あの世界”?」
ギルダ「信じられない……まるで人間の村みたい……」
フィル「なんだか……すごく、優しい匂いがするよ」
エマ「うん……あったかい……シンムお兄ちゃんの匂いだ……」
子どもたちの声が響く。
「こんにちはー!ようこそ、シンムせんせいの国へ!」
「わぁ!人間!?はじめて見た!!」
「この人たち、シンムせんせいのお友達かなぁ!?」
戸惑うエマたちの前に、
2人の少年が現れる。
ひとりは白く、やわらかい笑み。
もうひとりは黒く、鋭い目をした少年。
――そう、光幸(こうこう)と暗不(くらや)。
光幸「こんにちは……君たちが、“人間の世界”の人たちだね?」
暗不「先生は今、塔のてっぺん。……案内してやる」
塔のてっぺんには、懐かしい“背中”があった。
白いコート。細い肩。そして、いつかと同じ――優しい気配。
シンム「……ん?うん……?あれ……?え、……」
振り向いたその瞬間。
エマ「――シンムお兄ちゃん!!」
ノーマン「やっと、やっと会えた……っ!」
レイ「バカ野郎……!あれから何年待たせんだよ……!」
その瞬間、
3人はシンムに飛びつくように抱きついた。
エマは泣きながら、
ノーマンは声を震わせ、
レイは目をそらして涙をこらえながら、
それでも、全員がシンムの体温を確かめていた。
シンム「……ふふ、また“泣き虫さん”になってるよ、3人とも」
「でも……また会えて、本当に、よかった^^」
光幸は、そっとエマたちに花を渡しながら微笑む。
光幸「先生はずっと……君たちに会いたかったんだよ。寝る前に名前、呼んでたから」
暗不「……来てくれて、ありがとう」
塔の中では、“鬼だった子どもたち”が人間と笑い合っている。
世界が、変わった証。
シンム「これが、僕の世界」
「やっと君たちに、見せられたよ」