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注意・ロマ伊です。イタちゃんが結構病んでます。一応、WW2の時を意識してます。苦手な方は気をつけて。
フェリシアーノside━━━━━━━━━━━━
この戦争が始まってどれくらいたったのだろうか。目を開けるとそこは野戦病院のテントの中で朝日が隙間から差し込んでいた。昨日も散々な日だった。日に日に戦況は悪化してきていて、何度も仲間を目の前で見送った。国民もどんどん不安と恐怖の気持ちが募り、ただえさえ目の前の状況すら辛いのにより深い自分の中から抑えきれない感情が込み上げて来るのを感じる。
少し体を動かすとフェリシアーノは声にならない声を上げた。薄い毛布をどかして見ると少し赤黒く染った包帯が巻かれていた。昨日は特に酷い戦闘になったから、気が付かうちに銃で打たれていたのだろう。傷を認識すると、そこから痛みがじわじわと広がってきて思わず顔をしかめた。
「、、、こんな戦争、もう辞めたい。」
思わず心で思っていた言葉がこぼれる。最初はローマ帝国の復活なんて掲げて皆で頑張っていたが、どんなに戦っても負けるばかり。何万人という人がもう死んでいて後戻りはできないとわかっていても、どうしても心に巣食う不安は取り除けなくて、日々増えていく傷も、その感情をより鮮明にさせていくだけだった。
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いつの日かドイツに「もう、戦争をやめようよ」と言ったことがある。怖いのは嫌いだし、何よりドイツが神聖ローマのようにいなくなってしまわないか怖かったから。しかしドイツは「今更後戻りすることはできない。」それだけ言ってその場から去ってしまった。まるでこれ以上言うなと言うように。その後ろ姿はとても寂しくて、それ以降ドイツと話すことは段々と少なくなっていってしまった。
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痛みは酷くなっていくばかりで、思わずドイツに助けを呼ぼうとしたがすぐに口を閉じた。テントに入ってくるすきま風がまるで自分を嘲笑っているように感じる。そんな風にしていると、テントの入口から1人の男性が入ってきた。
「、、、起きたか?傷、大丈夫なのか?」
入ってきた男性は兄のロマーノで、いつものようなトゲはなく、ただただ心配して声をかけてくれているのが伝わった。
「少し痛むけど、大丈夫。」
フェリシアーノはいつものように明るい声でそういった。しかし、ロマーノにはそれが作られたものだとわかったのか、少しだけ顔をしかめてフェリシアーノがいるベットの横に腰をかけた。
「そんな顔して大丈夫なんて言うな、バカ弟。、、、辛かったら我慢しなくていいんだぞ。」
その声はぶっきらぼうだったが確かに弟を心配する兄の声で、フェリシアーノは何か言葉を返そうとしたが上手く頭が回らず、何回か口をパクパクと開け閉めしたあと結局、口を閉じてしまった。
その様子を見かねてか、ロマーノは優しく割れ物を扱うようにフェリシアーノを抱きしめた。何も言わず、ただ傷ついた弟を慰めるように。
「兄、ちゃん?」
フェリシアーノは少し震えながらそういった。ロマーノがこんな風に優しくフェリシアーノに触れることなど、あまりにも少なかったから。突然の優しさに涙が溢れそうになるのをフェリシアーノは堪えながら優しく抱き返した。するとロマーノは決心したように抱きしめながら絞り出すように話し始めた。
「、、、なぁ、フェリシアーノ。もう、もうお前は、、、俺たちは頑張ったと思うんだ。」
フェリシアーノを抱きしめる手に力が加わる。
「俺はきっとお前にたくさん迷惑かけた。俺たちはただえさえヘタレなのに、俺はお前よりもっとヘタレだから。そのぶん、たくさん無理させて、嫌な思いさせて、、、。俺に、俺にこんなこと言う資格、無いかもしれねぇけど、けど!バカ弟が、、、大切な存在が、傷つくのは、嫌なんだよ、、、!!」
それは絞り出したような声で、震える声と背中に回された手に加わる力がロマーノの不安を鮮明に表していた。
フェリシアーノは声が上手く出なかった。兄にこんなふうに言われるのも優しいのも初めてで、なんと声をかければいいか分からなかった。ただ、ただ自分の気持ちを理解して貰えたような、『逃げてもいいと』言われたような、そんな気がして、堪えていた涙が自然と溢れ出してきた。
一旦きります。