テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
13
武器と防具を購入しヴェルドはある程度戦えるようになり、エルヴィルやアルザも武具を新調し、準備を整えて指定された廃屋にと向かう。
「そういえばマーカスさんって失礼かもしれないですけど、ご年齢に対してかなり動けてますよね?」
「まぁ私はこれでもリカルカ様の護衛を任されてる人物ですからな。それにこれでも私はヴィーダでは一番の剣士として名を知らぬ者はいなかった、と言っても過言ではない人物でしたから。あまり自称するものじゃないけどもな。」
「いやはやしかし自称してもいいほどの腕前なのは見るまでもなくわかりますぞ!アルザと並んだ時の圧の出方がまるで違いますからな!」
「それって私に歴戦の猛者っていうオーラがないっていうことを言ってるわけ?」
「どちらかとまだまだ華奢な女性という事だな!」
「武装してる女がその辺歩いてるわけねぇだろ!」
「ふふっ…なるほどこれは短い間だが退屈はしなさそうだな。」
そう話すマーカスとヴェルド達の前に魔物が数体現れる。
「まぁ、魔物が溢れる世の中だもんな?そう簡単には廃屋すら行けねぇって話みたいだ。」
「ならばちょうど良い。私の肩慣らしとして相手になってもらおう。」
そう言いながら背に当てた大剣を抜き構える。
「魔物とはいえ老人と侮るなかれよ?少なくともまだその辺の童に大人しくやられるほど私も優しくはないのでな?」
そう言い放つと瞬間、マーカスは前衛を担っていたであろうゴブリンたちの首を一振りで跳ね飛ばし、後衛のサハギンたちが身じろいしてるその隙に一体の腹を刺突で貫く。
「あまり私がでしゃばるのは違うかもしれぬが久しぶりに『仲間』ができたものでな。年甲斐もなく少しはしゃいでしまった。」
残されたサハギンたちは逃げれないことを悟り、一人はマーカスを抑えに行き、もう二体はヴェルドたちにと襲い掛かる。
「おぬしらの力を見たい。こやつは私が止めておこう。さぁ見せてみなさい。」
「これはこれは…ただものではないなんて言葉じゃ失礼に当たるほどの実力者みたいだったな!」
「笑ってないでサハギン対処しなさい!」
「言われなくともまず一体は我が止めて見せるから安心せい!『サンダー』」
魔法詠唱をしてサハギン一体に直撃する。どうやら雷が良く効く体質な用で少しの間動くことが出来なくなっておりその隙を突いてアルザがすかさず直剣と短剣の二刀流で奇麗に捌いて処す。その隣りでヴェルドもサハギンの三又の槍を避け、それをつかみ自身に引き寄せた後短剣で腹を刺し、背にあてた直剣の袈裟斬りで戦闘は終わった。
「なるほどみなお強いですな。」
「マーカスさんには負けますよ本当に……。」
「瞬間距離詰めてゴブリンたちの首を斬って飛ばすなんて常人じゃできないものね。」
「少し経験を積めば今の皆さんでも使えますぞ?」
「その少しの経験って年単位とかじゃないですよね?」
「ほっほっほっ!さて、どうかのぉ?」
「とはいえこんな貴重な経験はできないからな!我たちの動きで直せるところがあるなら、客観視できるマーカス殿に意見を求めることにしようか!」
「魔法は私からっきしなため何も言えないが剣に関しては少しはお話しできましょう。」
剣に付いた血を払い大剣をしまいながらそう話すマーカス。そう話す彼の姿をよく見るとあれだけ派手な動きをしたにもかかわらず返り血一つ浴びることなく倒していた。
道中魔物を倒し、その都度剣筋であったり魔法の知識こそないがパーティーで動くための考え方などを教えてもらいながら指定された廃屋にとやってきた。
「ここまで話したことはあくまでも基本というじゃな。それをまずは意識して動いてそれが意識せずに動けるようになったら次のステップに行けるという感じじゃ。」
「ありがとうございます!元船乗りの俺でもこんなに動けるなんて……。」
「もともと少しは魔物との戦闘経験があるから教えるのにそこまで難しいことはなかったぞ。」
「私も、自分で言うのもなんだけど独特な戦闘スタイルなのにこうも動きやすい方法を教えてくれるなんてね。」
「お嬢さんは傭兵ということもあり場数は踏んでいた。あとはその独自の戦闘スタイルをどう教えるかだけだったが、簡単な話しじゃよ。『直剣』と『短剣』の動きの基礎を一旦教えるだけで問題はない。」
「魔法に関してはからっきしと仰っていたが、立ち回りを少し変えただけでこうも自信の使える魔法が扱いやすくなるものかと驚きましたぞ!」
「魔法というものは便利じゃが使い方がまた難しいのも事実。そして魔法にも強さというものがあるがどれだけ威力があろうと当てられなければ話にならない。私はその『当てる』というところに焦点を合わせて話しただけじゃ。魔法の性質なんかはむしろあんたの方が詳しいからそれを聞いたうえで、私からはこう立ち回るのがいいと助言したにすぎぬ。」
「いやはや、三人寄れば文殊の知恵とは言ったもので我一人では『魔法学』しかなかったが故にいかに火力だけを求めてしまうところでしたぞ!」
「みな柔軟な発想と対応ができるからこそ私の助言も効力を発揮したというものです。」
「それじゃあそろそろ行きますか……。」
「見た感じ思ってたよりも広いし、多分この中魔物がうようよいるだろうねぇ。」
「こういった廃屋や廃村は魔物の住処になりやすいですからの。みな気を付けて行きましょうぞ。」
コメント
1件
わああ第5話お疲れさまです!!✨ マーカスさん、めっちゃかっこよすぎません!?「年甲斐もなくはしゃいだ」って言いながらゴブリンを一振りで片付けちゃうの、もう完全にレジェンド枠の風格…😭💕 それでいてちゃんとヴェルドたちの戦い方も見て「基本を教える」って指導者としてもかっこよすぎる…! 最後の「返り血一つ浴びてない」描写に思わず「うわあ…」って声出ました。パーティーの成長も楽しみだし、次回の廃屋探索も絶対見届けます!!🔥