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中学のときから、DDは自分より遥か上の存在だった。
DDは友達がたくさんいるのに対して、自分はどうだろうか、友達作りが苦手・・というよりかは人付き合いが苦手だ。
俺とDDが出会ったのは、まだ桜が満開だった中1のときの春頃、俺はDDに話しかけられて、一緒に吹奏楽を始めた。
俺は、自身に持っていない社交的な一面を持つDDのその姿に、いつの間にか惹かれていた。
*
「はぁ、もう夏か・・、」
あたり一面を染めていた薄桃色の桜も散り、今ではもう葉桜となっていて、前までの色とは全く違うものになっている。
「だーれだ?」背後から俺の視界を手で塞いでいる張本人は、ふふっと笑いながら聞いた。
「──あ、できさん?」
「正解〜ビックリした?」
そう言ってニッコリと笑うできおこさんに、俺もつられて頬の筋肉が緩んだ。
「何の練習〜?」
自分のペースに相手を巻き込んでいくできさんは、先輩後輩問わず人望がある。
正直、羨ましいとは思うが、人一倍気疲れしそうで、*「大変そうだな〜」*と勝手に解釈している。
「基礎練。今後、自分が困らないように・・」
「真面目だね。偉いよ」
そんなことを言いながら、ワシャワシャと少し乱暴にうみにゃの黒茶色の髪を乱した。
「じゃっ、お互い頑張ろ」満足したのか、できさんは右ででグットポーズをすると、自分の練習場所へと戻って行った。
できさんは、金管のユーフォニアム担当だ。
と言っても、中学もユーフォ担当だったらしい。 どうにも最後まで余って、その結果、半ば押し付けかのようにして決まったらしい。
「ユーフォ、似合ってるんだよなぁ・・・」
ちょっと前に、できさんに中学のときの写真を一枚だけ見せてもらったことがある。
その写真には、銀色に輝くユーフォニアムを大切そうに持っているできおこさんと、その隣にはチューバを軽々と持っている陰キャ転生が写っていた。
現在、できさんのユーフォは銀ではなく金だが、またそれも似合っているのだ。
「良いよなぁ、イケメンは・・」
はぁっと溜息を吐くと、音も立てずに近付いてきていたDDが俺に話しかけた。
「イケメンって、誰の話?」
*
to be contents .