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肌と肌が重なる音。 そのたびに、右京の指が、ぎゅっと龍水の肩にしがみつく。
「……右京……大丈夫か?」
低い声。
その端々に、心配の色が混じっていた。
右京は、ベッドの上で小さく頷いた。けれど。
「……ちょっとだけ、痛い。……うん」
「……やっぱり、やめるか?」
「……ちがうの。君だから、嫌じゃないんだよ。ただ、初めてだから……身体が、びっくりしてるだけ」
言葉とは裏腹に、右京の太腿は少しだけ震えていた。
痛みは確かにある。でも、それが嫌悪に繋がるわけじゃない。
だって、自分の上に覆いかぶさるこの人が――
優しくて、ちゃんと止まってくれて、いつもと違う真剣な顔で、僕を見つめてくるから。
「……入ってくるの、すごく熱くて……変な感じ、するけど……」
「右京……無理はするな」
「……君が、好きだから。……怖くない。……だから、動いてもいいよ」
その言葉に、龍水は一瞬だけ目を伏せた。
眉を寄せて、何かに耐えるように。
「……あんまり、俺をその気にさせるなよ……。優しくしか、できなくなるだろうが」
「……それで、いいよ」
ちいさく呟いて、右京は目を閉じた。
次の瞬間、ぐっと熱が深く入り込んでくる。
「っ……!」
痛みで、肩が跳ねる。
でも、すぐに龍水の手が、右京の髪を撫でてくれる。
優しい声で、耳元に囁いてくる。
「……右京。力を抜いて。怖くない。俺が、絶対に痛くしない」
「……わかってる。わかってるけど……くっ、ぅ……」
喉の奥で、耐えるような声が漏れる。
涙がうっすら浮かびながらも、右京は歯を食いしばる。
「……っ、あ……でも……少しずつ、平気になってきた、かも……」
「……無理しないで、ちゃんと感じろ。……もっと、気持ちよくなるから」
そう言って、龍水はゆっくりと、右京の中を押し広げながら、丁寧に動く。
右京の身体が、それを受け入れるたびに、少しずつ表情が和らいでいった。
「……あ……ん……っ、ぅ……」
「痛み、どうだ?」
「……まだ、少し……でも、君がいるから、大丈夫。……優しいね、龍水……」
「当たり前だろ。初めてなんだから、ちゃんと、優しくするに決まってる」
「……好き……龍水、ほんとに、好き……」
その言葉に、龍水は笑わなかった。
ただ、深く息を吐いて、右京の額にそっとキスを落とした。
「……俺もだぜ、右京。世界で一番、貴様のことが好きだ」