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その問いに、私は戸惑った。
K
「なんでそんなこと聞くの?」
男2
「ちょっと気になってな。 」
K
「……………」
私はその言葉に躊躇した。
男2
「今日はここに泊まるといい。 」
そう間が空いた後その男は言い、
テレビを消した。
K
「泊まる…っていいの?」
男2
「嫌かよ」
K
「いや、泊まってもいいのかなって……」
男2
「言ったろ。気まぐれだって。」
やっぱりこの男は何か違う。
今まで見てきた大人の中で、何かが。
男2
「風呂入ってこれば」
K
「いいの?」
男2
「入って貰わないと困るわ」
K
「わかった」
男2
「バスタオルはその辺の使って、
下着とかはそりゃあ無いから今の着てくれ」
K
「うん……」
そして私は入浴した。
特に何も起きず事を成し遂げた。
男2
「問題は寝る場所だ。」
K
「えっ。ベッドないの?」
男2
「ちげーよ。1つしか無いんだ。」
K
「ならそれで寝ればいいじゃん」
男2
「二人で?」
K
「うん」
男2
「……二人で……寝る?」
K
「うん?」
この人は何に驚いているのだろうか。
男2
「お前分からねーの?」
K
「何が?」
男2
「二人で寝るって……つまり…」
K
「?」
男2
「いやさ……」
K
「じゃあどうするの?」
男2
「わかった…俺はソファで寝る。」
K
「わかった。なんかごめん」
男2
「お前をそこで寝させたいところだがな……
拾ったの俺だし……。」
そんな事をブツブツ言いながら電気を順々に消していった。
男2
「んじゃお前はあの部屋のベッドで寝ろ」
指示された通りにした。
男2
「消すぞ」
そう言い、部屋が真っ暗になった。
チクタク……チクタク……
その時計の音だけが耳に入る。
K
(寝れない……)
どうしようという言葉が頭を廻る。
もうあの男は寝ているのだろうか。
話しかけたら、面倒くさがられないだろうか。
このまま寝れなかったら、ずっと起きておかないといけないのだろうか。そんな不安が私を襲った。
やがて私はベッドから降りて、その男のいるリビングへと足を運んだ。
結局それは起きていた。
というよりスマホをいじっていた。
K
「ねぇ」
思い切って声をかけた。
男2
「おー、どうした」
K
「寝れな…くて」
男2
「そうか。」
そう短く答え、続けて言った。
男2
「寝れないなら寝なくていいんじゃねーの」
と。