メイズの名はあっという間にフリーザ軍の全員に知れ渡って行った。その強さもさることながら、あまり多くを語らないミステリアスさがまた彼らの好奇心を煽り、彼女が廊下を歩いていると声をかける者も少なくなかった。
フリーザにとってはここまで早くからメンバーの中に溶け込むのは想定外だったが、少しでも早く味方と連携を取れるようになるのはいいことだとポジティブに捉えていた。
また、メイズはあれから修行をする施設にいることが多くなった。前回の初任務で失敗してしまったことを引きずっているようで、朝早くから夜遅くまでずっと修行をしていた。
時々無茶な修行をしてメンテナンス送りになることもあったが、それでもその後のメイズの戦闘力は計り知れないほど上がっており、フリーザの期待はまた膨らむこととなった。
そろそろもう一度任務に送り出してみても良いだろう。フリーザはそう判断した。
「…そういうことなので、あなたには明日2度目の任務に赴いてもらいます」
「はい」
「まあ1人ではないので大丈夫ですよ。ギニュー特戦隊の皆さんと共に出撃させますからね」
「ギニュー特戦隊…ああ、彼らですか。分かりました」
「ギニュー隊長もあなたの力に興味があるようですから、修行の成果を遺憾なく発揮してくださいね。では任務の詳細を話します」
メイズに課せられた任務は、とある星の制圧だった。普通であれば戦闘力の高い優秀な人材をこんな大勢送り込むことはないが、今回はメイズの観察も兼ねてギニュー特戦隊にメイズを同行させる形で任務を行うらしい。
その星の住人を殲滅し、それを適当な住処を求めている者に売るまでがメイズに任された。これはメイズの戦闘力以外のタスク処理能力を見るためだ。
「住人たちはあなたに抵抗しようとするでしょう。しかしそんな奴らにやられているようでは話になりません。今回は上手くやってくれると期待していますよ」
「はい。今度こそはフリーザ様のご期待に添えるよう、全力を尽くしてまいります」
「分かりました。では明日に備えて今日はもう休んでください。万全の状態で任務に行っていただけなければ困りますからね」
「承知いたしました、フリーザ様」
さて、今度はどう転ぶだろうか。そんな期待と僅かな不安を抱いてフリーザはメイズを見送った。
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