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足切り落としッッ!?…最高すぎませんか🥹…ほんとそういうのって可愛いですよね、好きです(?)
スウェーデンは暗い気持ちで、夕飯の支度に取り掛かった。ニンジンの皮を向き、包丁でみじん切りにする。その間も、彼の意識はずっと地下へ向いていた。
油を引いたフライパンの中に、みじん切りのニンジンと、既に切っていた長ネギを入れ、炒め始める。頭の中では、様々な考えや思いがぶつかり合う。
(流石にやりすぎじゃない?)
(仕方ないよ。だって、逃げようとするんだもん。)
(もっと違う方法があったんじゃ?)
(優しくするだけじゃ、伝わらないことだってある。)
長ネギに火が通り、甘い匂いが部屋中に充満する。そんなことしている間も、やはり意識はフィンランドの方にあった。
きっと、フィンランドはお出かけが好きなんだ。だから、あの地下から出ることを許可した。この家の中でならどこへ行っても良いと。この家の中でなら何でもしてくれていい。
しかし、どうして外へ出ようとしたのだろう。しかも、出口のパスワードを知られた。パスワードは「1523」で、少し安直すぎた。一応変えておいた。今度は勘や直感で当てられないように、もっと複雑なパスワードに。
炒めた野菜に火が通り柔らかくなったのを確認すると、絹ごし豆腐を小さく切り分け、フライパンに放り込んだ。麻婆豆腐の蓋を開け、パックからタレを流し込む。
麻婆豆腐が煮立った時、炊飯器からメロディが鳴った。
スウェーデンは息をふきかけ、気持ちを切り替えるためにいつも通りの優しい表情を無理矢理浮かべ、フィンランドがいる地下へ向かう。
「フィンランド、ご飯だよ?こっちへおいで……あ、そっか。足切り落としたからないんだった。」
ベットの上で静かに怯えるように座り込んでいたフィンランドは、探るような目線をスウェーデンに向ける。
まだスウェーデンは、自分が逃げ出そうとしたことを怒っているのか。それとももう気にしていないのか。
「もう怒ってないよ。一緒にご飯食べよう。」
「…うん、食べる。」