Runa side
「月、着いたよ」
恋雪ちゃんに起こされ窓の外を見ると、もう真っ暗になっていた。
「うーん!よく寝たー。」
私はバスを降り、思いっきり伸びをした。
「どうする?まだ部活やってるけど。」
「あ、璃音。うーん、瑠璃ちゃんに聞いてみよう」
ちょうど少し先に恋雪ちゃんと話している瑠璃ちゃんを見つけた。
「あ、瑠璃ちゃん、部活行く?」
「行くよ。お土産渡したいし。」
「そっか。」
私と璃音と瑠璃ちゃんは部活に行くことにした。
「てか月、リュック抱えて髪の毛全部前に来てて貞子みたいになってたよ?」
「嘘!恥ずかしい…」
「あー、なんか想像つくわ。」
瑠璃ちゃんはクラスが違うから見られてない。
不幸中の幸いかも。
「ところで璃音?随分月を見てたみたいだけど?」
瑠璃ちゃんはニヤニヤしてる。
またいつもの流れだな。私はそっとその場を離れた。
次の日
「あ、いた!月!」
私は璃音に呼び止められて部活に向かう足を止めた。
「ん?」
「これ。」
そう言って璃音は首に着けていたネックレスを渡してきた。
「え?これ…」
「昨日の体験で作った指輪。あげる。」
「え!いいの!?かわいい…。あ、じゃあこれ。」
私もお返しに首に着けていたネックレスを璃音にあげた。
「お返し。」
すると璃音は何故か少し赤くなってとても嬉しそうに笑った。
「ありがと。」
ドキ。その無邪気な笑顔に一瞬、そんな音が聞こえた気がした。
「じゃ、部活一緒に行こ。」
「あ、うん。」
部活に着くと
「あ、いつもの2人〜」
「げ、瑠璃ちゃん。」
「げ。って何よ。ん?」
瑠璃ちゃんが私と璃音の首元を交互に見つめた。
「あんたたち指輪交換したの?」
「あぁ、うん。璃音が指輪くれたから私もお返しにあげたの。」
「ふーん」
またニヤニヤしてる。
「璃音、やるじゃん」
ん?なんの話だろう?
「うるさい。ほら、部活遅れるよ」
「あ!そうだった!」
みんなでダッシュして、なんとか間に合った。