1Day
気づいたら、病院の廊下にいた。
窓からは、桜の花びらがちらほら見えている。
奥には、山が見える。
目の前にはまた、君が居た。
「こんにちは。」?
君がそう言う。
ゆあん「こんにちは。」
昨日と同じように返す。
だから、昨日と同じように言うんだと思った。
でも、
「あっちで話さない?」?
昨日とは、違う返事が返ってくる。
ゆあん「へ、?あっ、うん、」
思いがけない返事に、拍子抜け多声で答えてしまった。
彼女はゆっくりとあるきだす。
少ししたところに、イスと机がが置いてあるところにつく。
彼女が、そっと椅子に座る。
その向かい側に僕も座る。
彼女がゆっくりと、口を開ける。
次に、思いもしない言葉が飛び込んできた。
「君はね、ここにいちゃいけないの。でも、私が引き留めた。」?
ゆあん「・・・は?」
意味が分からなかった。
え?ここにいちゃダメなの?俺は?じゃあなんで俺はいるの?
次々と疑問が浮かび上がる。
彼女がそっと笑う。
「、冗談」?
ゆあん「なんだ、」
ほっとしたと同時に、不安が出てくる。
冗談という前の空白には、なにかの意味があったのかもしれない。
本当に冗談?
もう一度彼女の顔をゆっくりとみる。
彼女はなんとも読み取れない、表情をしていた。
「まあ、そんなことは、置いといて。あのね、私、あなたと話してみたかったの。」?
僕は、
ゆあん「・・・。」
何と反応すればいいのかわからなかった。
君は僕のことを知っているの?なんで?
彼女は、僕のそんな気持ちを読み取ったように、淡々と答える。
「見かけたことがあるの、君を。よく、隣でみてたよ。」?
ゆあん「え?」
いつの間に?隣といっても、僕が気付かない間に?
「いっつも、かわいい彼女ちゃんが隣にいて話しかけれなかったけど。」?
ゆあん「、、、」
彼女?、いた気がする。なのに、思い出せない。
なんでかわからない。
気が付けば、
でも、思い出せないなら仕方ない。
そう自分に言い聞かせていた。
ふいに、彼女が聞く。
「病院ってつまらないよね、」?
ゆあん「うん、そうだね。」
「君は、病院で、いつも何してた?」?
ゆあん「ん~、」
わからない。
知らない。
そんな言葉がすぐに思い浮かぶ。
でも、こんなこと答えたらいけない気がする。
だから、
ゆあん「本読んでる。」
でも、彼女にすかさず、
「嘘。」?
と言われた。
なんで?分かったんだろう。
そう思うと、認めざる負えない気がした。
ゆあん「、うん、嘘。ボーっとしてる。」
なぜか口が勝手に動く。
まあ、これも嘘なんだけど。
彼女は、悲しいような、諦めたような曖昧な顔で
「そっか。」?
とつぶやいた。
そして、
「じゃあ、時間だから。また明日ね。食堂で。」?
そう言い残すと彼女は、どこかへ消えていった。
彼女になら、心を開いてもいい気がする。
なんでも、包み込んでくれる、そんな気がした。
そして、僕は「あっ、」と声を上げる。
ゆあん「また、名前聞き忘れた、」
でもなぜか、知っているような気がした。
Episode2
1Day
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ゆあん君ーー