御神家の3兄妹、
竜之介、千姫、晃平は、
それぞれ手に入れた新たな力を使いこなす為、修行を続けていた。
3兄妹は幼い頃から父に鍛えられ
剣術を人並み以上に使えていた。
だが、新たな強さを手にしたことで
不安を感じる瞬間もあった。
特に、今までに無い何か大きな力が彼らに迫っているような予感がしていた。
その夜、3兄妹が祖父の遺品整理を終えて
ひと段落していると、
不意に家の外から不気味な声が響き渡った。
謎の声
「うううう…」
空気が急に冷たく、重くなり、周囲の静けさが不安を呼び起こす。
竜之介
「何だこの声は…人の声…ではない?」
竜之介が眉をひそめ、周囲を警戒する。
千姫
「何だかとっても気持ち悪い。
不気味な気配がする…」
千姫も鋭い目で外を見つめながら、
敵の存在に気づいていた。
晃平
「はっ!…何か来る!」
晃平は冷静にあたりを見渡し、
確かな異変を感じ取る。
その瞬間、家の扉が突然開き、人影が現れる。不気味な人間たちが3人立っていた。
一見、見た目は人間だが、
異常な雰囲気を持ち只者では無い事は一目でわかった。
何か妖気の様な物を纏った彼らの姿は、
この世の者ではない者に憑依されているに違いなかった。
謎の声
「うぼぼぼ…」
およそ人間が発する事のない唸りと共に次第に姿も妖怪に変わり出し、
周囲を不安定に動き回り、
3人個々に攻撃を仕掛けてきた。
3人は修行用の木刀を持ち構える。
竜之介
「うを!何だコイツら!!妖怪…
いや、憑依されているだけか…?」
竜之介は一歩踏み出すが、
妖怪たちの攻撃は凄まじく、
普通の木刀では全く歯が立たなかった。
竜之介
「うう…これじゃ、とても無理だ…」
竜之介は息を呑む。
千姫
「きゃあ!何よコイツら!
動き速いし、気持ち悪い!」
千姫は懸命に木刀を振るうが、
全く敵わず、その力に圧倒されていた。
晃平
「クソ!強すぎる!どうしよう…!」
晃平も冷静に戦うが、
敵の攻撃を避けるのが精一杯で反撃する隙が見つからなかった。
竜之介
「そうだ!今こそ皆あの力を使おう!」
絶望的な状況の中、
竜之介は力の存在に助けてもらう為、
経文を唱え始めた。
竜之介
「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄…
えい!!」
その瞬間、竜之介の体が光に包まれ、武田信玄の霊が現れる。
信玄
「待っていたぞ竜之介よ、
我の力と武を使え!
戦いにおいては知略と力が最も重要だ。
私の知略と剛力を使い、
敵の動きを読み、
全てを薙ぎ倒すが良い。」
信玄の霊の言葉に、
竜之介は心を強くし、木刀を握りしめる。
竜之介
「信玄様の力凄い!止めどなく力が湧いてくる!」
竜之介は信玄の言葉を信じ、
強力な力で戦う。
同じ時、千姫もまた経文を唱え、
織田信長の霊を呼び出す。
千姫
「信長様、私にも力を!」
信長
「待っていたぞ千姫よ、
我の力と武を使え!
戦いにおいては奇策と速さが最も重要だ。
私の力を使い、
敵の動きの裏をかき、
速さで圧倒せよ。」
織田信長の霊が現れ、
千姫に重なると同時に憑依する。
信長の霊は千姫に速さと奇策を伝授し、
千姫はその異常なスピードと読めない動きで次々と妖怪に攻撃を繰り出す。
千姫
「えええ?信長様の力、すごい…!」
千姫は信長の霊の言葉を信じ、
異常な速さと動きで戦う。
そして、晃平も家康の霊を呼び出す。
晃平
「家康様、私に力を!」
家康
「待っていたぞ晃平よ、
我の忍耐と武を使え!
戦いにおいてはどんな攻撃をも防ぐ強靭な体と勝利をつなぐ忍耐力が最も重要だ。
私の力を使い、
敵の攻撃を防ぎ耐え忍び、
勝利の時を見極めよ。」
徳川家康の霊が現れ、
晃平に重なり憑依する。
家康の霊は晃平にどんな攻撃も防ぐ強靭な体と忍耐力を与え、
晃平は冷静に戦況を見守りながら、
長期戦へと持ち込んでいく。
晃平
「ふうう〜…家康様の教え通り、
耐え忍んでこそ…」
晃平は一歩一歩冷静に戦い、
敵の力を削りながら戦う。
しかし、
敵の妖怪たちはその姿を変化させ、
今や完全に凶悪な妖怪の姿へと変貌していた。彼らは、
ただの人間ではなく、強力な妖怪の力を持っていた。
その攻撃は圧倒的で、
3兄弟は全力で戦いながらも、
何度も危機的な状況に追い込まれる。
竜之介
「くっ…!これじゃ…勝てない!」
竜之介は信玄の力で木刀を振るうが、
敵の異常な力に押されている。
千姫
「何なの?もう…
無理かもしれない…!」
千姫は木刀を構えながら、
何度も必死に戦うが、
妖怪たちの攻撃が止まらない。
晃平
「うおお…コイツ!!攻撃が止まない!」
晃平は木刀を使って攻撃を防ぎながらも、
敵の妖怪の力を感じ取る。
とうとう3人は壁際に追い詰められた。
このままでは押し負けてしまう。
竜之介
「クッソ〜!殺られてたまるかよ!!」
その時、武将霊達が竜之介達に語りかける。
信玄
「もっと力が欲しければもっと我を信じて願え!」
信長
「願いの強さが力の強さに変わる!」
家康
「我に願え!」
竜之介、千姫、晃平
「うおお〜!!もっと力がほしい!私たちに力を!」
すると、
3人の手にした普通の木刀が光り出し、
その光は一気に強くなり形を変える。
竜之介の木刀は
武田信玄の愛用した剣に姿を変える。
信玄
「ふふふ…この久しぶりの感触!
我が愛刀 虎徹(こてつ)
この刀に切れぬ物は無し!」
千姫の木刀は
織田信長の愛用した火縄銃に姿を変える。
信長
「ははは!いいね〜!
我が愛銃 堺筒(さかいづつ)
当たらぬ的無し!百発百中也!」
晃平の木刀は
家康の槍に変わった。
家康
「おお!待っておったぞ!
!我が愛槍 蜻蛉切(とんぼきり)
貫けぬ物無し!」
竜之介
「おおお…何だよこの力!
この刀凄まじい妖気!
これで勝てる!」
竜之介は虎徹を握り、再び立ち上がる。
千姫
「きゃ〜!信長様の力、全開!」
千姫は信長の堺筒を構え、
猛スピードで攻撃を繰り出す。
晃平
「おお!凄い槍だ!!
家康様の教え通り、耐え忍んで戦い抜く!」
晃平は家康の蜻蛉切で、
敵の動きを封じ込めていく。
3兄妹は新たな力で一気に反撃に出た。
竜之介は剣を巧みに使い、
千姫は火縄銃を正確に撃ち抜き、
晃平は槍を駆使して戦う。
今まで苦戦していたのが嘘かの様に軽々と倒していく。
竜之介
「良し!妖怪共を倒したぞ!」
千姫
「ふ〜!勝ったわ!」
晃平
「勝ったね!」
なんとか勝利を収める。
しかし、その戦いの中で、
竜之介と戦った敵が最後に言葉を残した。
敵
「ククク…御神家共よ。
我々の組織は…
代々、何代にもわたり、
お前たちと戦ってきた。
しかし、これはただの始まりに過ぎない。
お前たちを倒す者たちが、今もなお、
暗闇で待ち構えている…。
忘れるな…ククク。」
その言葉を聞いた三兄弟は、
さらに大きな謎と戦いに突き進む覚悟を決める。
竜之介
「クッ!
この戦いはまだ終わっていないだと…!」
静かに、しかし力強く言った。
千姫
「はあ〜…もっと強くなって、
立ち向かうべきだね。」
千姫は決意を新たにし、
晃平も冷静に頷いた。
晃平
「私たちは、
何があっても絶対に乗り越えてみせる。」
3人の絆はさらに深まり、
次なる試練へと歩みを進めていった。
新たな冒険と戦いが、再び始まるのであった。
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