警察
「おい!居たぞ!!!」
通行人でもこの男の仲間でもなく、
警察が現れた。
男2
「クソっ!なんで警察がいんだよ…っ!」
警察
「おいそこの君!その子を離しなさい!!」
男2
「お前ら警察が捕まえる前に俺が捕まえたんだよ奪われてたまるかバーカ!!!」
そう言い放った瞬間、その男は宙に舞った。
そう思ったら、いつの間にか警察が倒れ込んで――。
……そこに立っていたのは、紛れもなくその男だった。 恐らく、瞬きの間に警察を殴って気絶させたのだろう。
男2
「おいてめえ!仲間が来ない内に行くぞ!!」
そう言い、腕を強引に引っ張って私をそこへと、連れ去った。
道中の途中、色々な警察が前に現れたが、
そんな警察を難なく避けて、やがてそこに辿り着いた。
男2
「ここだ。」
辿り着いた場所は、マンションだった。
エレベーターでその男は「11」のボタンを押した。
無音の中、自分の声が響く。
K
「ねぇ……」
男2
「なんだよ」
K
「今から何するの」
男2
「説明しただろ。そーいうのだよ。」
K
「なんでそんな事するの
男2
「お前らみたいな家出少女はな、釣れるんだ」
K
「釣れる?」
男2
「男はよ、そういう生き物なんだ。
いつだって、目がいくのは女の胸と尻と足だ。
男の殆どが性欲に満ち溢れてる。」
K
「せいよく?って何か分からないけど、
やっぱり男もお前も気持ち悪いんだね。
死んで欲しいね。」
男2
「ははは、イラつかせるのがお上手なんだなお前さんは。」
少し沈黙が続いた後、表示が「11」となり、
エレベーターのドアが開き、男は言う。
男2
「……俺だって男だ。俺はお前をガキだとしても女だと見てる。」
そんなよく分からない事を言っているのを横目に、いつの間にか「074」と書かれたドアの前に立っていた。
その男は何かを取りだし、ガチャリとドアを開けた。
男2
「ま、入れよ」
あの時の壁に押付けられて触れられた記憶が蘇った。もしかして、そういうことを今からされるのだろうか。
でも、一緒に居たあの男とは何処か違う。
喋り方もなんとなく手馴れていて、
何を考えているのか分からない、そんな感じの雰囲気を放っている。