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世利里🗝️🫧🖤(サブ垢)
チャクラ宙返り
再び交わろうとしているかつての仲間たち。
涙で揺れる瞳、憎悪に染まり狂気へと堕ちていく瞳。
友を思い走る光、迷いを捨てた影。
──光と闇がぶつかり合うとき、絆が試されることになる。
カカシの指示通り、サクラは傷ついた香燐を回復させていた。
「…お…お前……」
「今はまだ喋らないで…!もう少しだから…」
香燐は弱々しい瞳でサクラに視線を送っている。
(敵の、お前の気持ちなんか…わかりたくもねーんだ……
だから…ウチの前でそんな“悲しい顔”で泣くんじゃねーよ…!……ちくしょう……)
彼女達の頬には同じ想いが含まれた涙が伝い続けていたのだった。
── 峡谷の橋下
かつての師弟が対峙している。
「写輪眼ってのはな…うちはの証だ…うちは一族でもねぇ低俗な忍がその目を見せびらかすな!!」
サスケは怒りに満ちた眼で睨みつけた。
攻撃を仕掛けるも、カカシの万華鏡写輪眼で攻撃は消し飛ばされる。
「まさか、うちはでもないあんたが万華鏡を開眼してるとはな…
助かったのはどうやらその眼の能力らしいな。
うちはの力に感謝するんだな」
「サスケ…お前の中にあるのは一族だけじゃないはずだ。
憎しみだけじゃないはずだ。
もう一度、自分の心の奥底を見つめてみろ…。
お前は本当はわかっているはずだ」
「………」
サスケの脳裏にかつての里の情景がよぎる。
笑い合う仲間。温かな日常。
「全員…笑ってやがる…」
サスケの顔に強い憎悪が滲んだ。
「イタチの命と引き換えに、何も知らずヘラヘラ笑ってやがる!!」
「今の俺にとってお前らの笑い声は軽蔑と嘲笑に聞こえる!!
その笑いを悲鳴とうめきに変えてやる!!」
周りの空気がうねる。大地が震え、水飛沫が上がる。
さらに須佐能乎が進化し、咆哮した。
(これはまずい…!)
カカシの頬に一筋の汗が伝う。
その大きな力が渦巻く場所に息を切らしたランがたどり着いた。
急いで橋の上から身を乗り出す。
──ランはサスケの姿に息を呑んだ。
瞳は狂気に濁り、かつての面影を完全に覆い隠している。
(そんな…あれがサスケ?…)
須佐能乎は黒炎を纏い攻撃を仕掛けようとしていた。
しかし、大きな力の代償は彼の眼に確実に現れる。
「くっ…!…くそっ!!」
サスケは血走った目を強く擦る。焦点が合わず、視界が滲んでいる。
(瞳力を使いすぎて、目が見えなくなってきているんだ…!)
そのとき、背後から忍び寄る影。
サクラが震える手にクナイを握り、サスケの背へと迫っていた。
カカシは彼女に気がつき、止めようと動き出す。
(カカシ先生に重荷は背負わせない!!私が全部やらなきゃ…)
だが寸前で刃先が震え、どうしてもその背を刺すことができなかった。
(…覚悟…したはずなのに…!!)
堪えきれず、涙が滲む。
その気配をサスケは見逃さなかった。
鋭く振り返り、サクラの首を掴み上げる。
喉が締まり、苦悶の声が漏れる。
サスケの瞳が冷たくサクラを射抜き、奪ったクナイを逆手に構え、刃先が彼女の首筋へ迫る。
「やめろサスケ!!」
カカシは万華鏡写輪眼の影響で足元がふらつく。
ランは印を結ぼうとするも、薬の影響でまだチャクラをうまく練ることができない。
「サクラちゃん!!」
直接助けようと、地面を蹴り上げて橋から飛び降りた。
その刹那──
素早く風を切る光が間一髪、サクラを抱き抱えて救い出した。
「ナルト……!」 「ナルト君…!」
ナルトに気を取られているその隙に、カカシはサスケを殴り飛ばす。
「俺以上にいいタイミングだよナルト、助かったよ。
しかもランまで…目が覚めたのか」
「あ、ありがとナルト……ランさん、あの…サイやキバは?」
「まだ眠ってる。起きたのは…私だけ」
ランは静かに応え、すぐにサスケへと視線を戻した。
ナルトとサスケの視線がぶつかり合っている。
「サスケ、サクラちゃんは同じ第七班のメンバーだぞ」
「元…第七班だ…俺はな」
彼は冷たい笑みを浮かべていた。
ナルトは一歩前へ進む。
「サスケ…イタチの真実ってのを、トビってやつから聞いた!
嘘か本当かはよくわからねぇ。けど、どっちにしてもお前がやってることは……
わかるってばよ」
「!?」
その場にいた全員が驚きに言葉を失う。
サスケは僅かに眉を上げるが、視線は刺すように鋭い。
「ナルト…前に言ったはずだ。親も兄弟もいねぇてめーに俺の何がわかるってな…他人は黙ってろ!!」
「さっきだ…さっきやっと一人だけイタチの敵を討てた…
木ノ葉の上役をこの場で殺した。…ダンゾウって奴だ」
ランたちは驚きを隠せず、顔をこわばらせた。
(ダンゾウを…殺した…?)
サスケは恍惚とした表情で話し続けている。
「今までにない感覚だ。汚されたうちはが浄化されていく感覚…。
腐れ切った忍世界からうちはを決別させる感覚…。
ある意味、お前達木ノ葉がずっと望んできたことだ。
昔からうちはを否定し続けたお前達の望み通り、お前達の記憶からうちはを消してやる!」
「お前達を、木ノ葉の全てを殺すことでな!
繋がりを全て断ち切る事こそが浄化!
それこそが本当のうちは再興だ!」
悲しみ、憎しみ、怒り、幾つもの負の感情が彼を支配していた。
ランはそっと目を伏せた。
(サスケは、本来…とても優しい。
だからこそ憎しみに囚われてしまったんだ。
復讐を終えたはずなのに、今度はイタチお兄様の真実を知ってしまって…)
迷って、苦しんで、傷ついて。
それでも突き進むしかない姿は悲しくて、目の前にいるのにこんなにも遠い。
(お兄様が願っていた道から、サスケはどんどん離れている。
…だけど、お兄様はこうなる事も覚悟していたかもしれない)
彼女は思考を重ねながら、己の正体を明かすその瞬間を見極めていた。
印を結ぶナルトを制止し、これは自分の役目だとカカシはナルト達にここから去るよう促す。
「ここにいれば見たくないものを見ることになる、今のうちに行け!」
サスケが左手に雷鳴を纏い、距離を詰めて行く。
「カカシ先生、それってば…サスケを殺すってことか?」
「……行け!」
その瞬間、ナルトは影分身でカカシを抑え込み、螺旋丸と共にサスケの元へと駆けていく。
「待てナルト!」 「ナルト!!」
(もしかしたらサスケ…
お前と俺が…逆だったかもしれねぇ!)
──螺旋丸!!
──千鳥!!
二人の力がぶつかり合い、眩い光が弾ける。
その衝撃波に水が弾け飛び、地が激しく震えた。
ラン達は、両腕で衝撃から身を守る。
二人の技が押し合い、やがてその中心で精神が深く繋がっていった。
──精神世界
光の空間に、ナルトとサスケだけが向かい合って立っていた。
「お前も知ってんだろ…俺が昔、里の皆に嫌われてたこと。
その理由ってのが俺ん中の九尾だ。
俺も昔は里のみんなを恨んでた。
復讐してやろうと思ったこともあるし…一歩間違えばお前みたいに恐ろしい事まで考えたかもしれねぇ…」
「俺には誰とも繋がりなんてないと思ってた。
お前やイルカ先生に会うまでは…お前がいつも一人なのは知ってた。
同じような奴がいるって安心した。
すぐに話しかけたかった…なんだか嬉しくてよ!
けど、そりゃやめた…なんでもできるお前がうらやましくて、俺のライバルに決めた!
お前は俺の目標になった。
何にもなかった俺が繋がりをもてた。お前みたいになりたくてずっと後を追いかけてた」
サスケは何も語らず、ただナルトの声に耳を傾けている。
「俺はお前と会えてほんとによかった」
ナルトは満面の笑みでそう伝えた。
「ナルト…お前が今さら俺に何を言おうと俺は変わらねぇ!
俺はお前も、里の奴らも一人残らず全員殺す!」
サスケの声は低く、燃えるような憎悪を帯びていた。
彼は吐き捨てるように続ける。
「お前の選択は俺を殺して里の英雄になるか、俺に殺されてただの負け犬になるかだ!!」
ナルトは真っ直ぐサスケを見つめた。
「負け犬になんかならねーし、お前を殺した英雄なんかにもならねぇ!そのどっちでもねーよ!!」
──ガッ!!!!
轟音と共に余波が渦巻き、ナルトとサスケが衝撃で吹き飛ばされる。
カカシがナルトを庇い、サスケについていたゼツが彼を守った。
「これではっきりした」
ナルトの声が響く。サスケは膝をつき激しく肩を上下させながら、揺るがぬ視線だけをまっすぐナルトに注いでいた。
二人の視線が再び交わった瞬間、闇を裂くように声が降りてきた。
「帰って休めと言ったはずだが」
空間が渦を巻いて揺らぎ、仮面の男“うちはマダラ”が姿を現した。
「九尾か…」
緊張が走る。カカシの表情が引き締まり、ランの視線が鋭く光る。
(マダラ……!)
「こいつらとはちゃんとした場をもうけてやる…今は退くぞ」
すると、ナルトが前へと歩み出す。
「サスケに…ちゃんと言葉で言っときてー事がある」
「……行くぞサスケ」
「待て…」
サスケは立ち上がった。
ナルトは自分とサスケが戦えば二人とも死ぬ。
サスケが里に攻めてくれば戦わなければならない。
憎しみは全て自分にぶつけろ、サスケの憎しみを受ける役目は自分しかできないと訴えた。
そして──
「俺もお前の憎しみ背負って一緒に死んでやる!」
まっすぐ、偽りのない瞳でナルトは宣言した。
サスケはなぜ自分にこだわるのか、一体何がしたいのかと問う。
ナルトの答えは昔から何も変わらない。
“友達だから“
行き着くところまで行き、何も背負わなくなればあの世で本当に分かり合える。
仲間一人救えないやつが火影にはなれない。サスケとは自分がやる。
ナルトの答えを聞いたサスケは、何かを否定したいかのように、お前を一番に殺してやると苛立ちを滲ませた。
その二人の姿をランは見届け、静かに瞳を閉じる。
(ナルト君…ありがとう)
「わかった…サスケはお前に任せるナルト。だか…マダラはここで俺が処理する!」
「やめておけカカシ。そんな術は俺にはきかない。
行くぞサスケ」
マダラがサスケの肩を掴む。
闇に引き込もうとしたその時──
「待て!!!」
ランの鋭い声が響き渡る。
決意、覚悟と共に顔を上げた。
ゆっくりと開いた瞳には赤い光を放つ瞳が浮かび上がり、両手で素早く印を結ぶ。
「火遁、豪火球の術!!!」
轟音と共に、巨大な炎がマダラに向かっていくが彼の身体をすり抜けていった。
仮面の奥から動揺を含んだ声が漏れ出す。
「その術…その瞳…」
カカシ、ナルトやサクラ、サスケさえも驚愕に目を見張った。
「ラン…お前…」 「ランさん…?」
視線が一斉に彼女に吸い寄せられる。
ランは視線を受け止めながら、毅然とした表情で口を開いた。
「マダラ…あなたの行為はうちは一族を侮辱している」
彼はその言葉に皮肉めいた声を発した。
「侮辱だと?うちはを侮辱していたのは里の方だろう」
じっと彼女を見つめ、マダラは低い声で問う。
「その写輪眼……お前は一体何者だ」
ランは静かに手を上げ、頭のフードを外す。金色の髪がさらりと揺れた。
一瞬、迷いの色が瞳をかすめる。
しかし、彼女はそれを振り払うように静かに印を結び、白煙と共に偽りの姿を解放した。
「……!?」
サスケの顔色が変わり、瞳が大きく見開かれる。
長く伸びた深い茶色の髪、見覚えのある眼差し。
そこに立っていたのは幼い頃の面影が残る、かつての幼馴染の姿。
張りつめた空気の中、記憶の扉が軋みをあげて開く。
彼の心に波紋が広がっていった。
「サスケ、あなたがこれ以上憎しみに飲み込まれていくのを見たくない。
……イタチお兄様は”それ“を望んでいない」
その様子を見つめているナルト、サクラ、カカシは困惑し、言葉を発することができない。
マダラはミズノの言葉を聞き、肩を揺らして低く笑った。
「まさか…まだ“うちは”の生き残りがいたとはな」
喜びとも侮蔑ともつかぬ声が漏れる。
ミズノは凛とした眼差しで、彼を真正面から捉えた。
「復讐なんて何も生まない。残るのは憎しみと絶望だけ」
「フッ……綺麗事だな。
お前はうちはでも、我らと思想が違うようだな。
ならば…その瞳、もらっていく…」
すると、ゼツがにやにやと笑いながら前に出る。
「俺がやろうか?すぐに済ませるよ」
その声が合図のように、無数のゼツが地面から立ち現れた。
警戒を強めたナルト、サクラ、カカシは即座に構えをとる。
だが、ミズノが静かに歩み出した。
三人の前に手を伸ばし、制止の意思を告げる。
「動かないで……」
短く静かな一言に、自然と従わせるだけの気配が漂い、三人の動きが止まった。
彼女の赤い瞳が、万華鏡の紋様へと変化する。
地が波打ち、圧が走る。
「寂滅陣!」
低く放たれた言葉と同時に、黒い円陣が地面に滲み広がる。
底の見えない奈落のごとき闇が、抗う間もなく一瞬で何体ものゼツを闇に飲み込んでいった。
「なっ……!?」
サクラとナルトが目を見開き、カカシの視線は闇の中心に向けられた。
(この術…一瞬でこれだけの数を…)
瞳の奥に静かな驚きを湛えていた。
残されたゼツ一体だけが素早く後ろに後退し、ぎりぎり地に踏みとどまっている。
「万華鏡を開眼してるのか…もう少しで飲み込まれるところだった…」
ゼツも驚きに苛まれていた。
しかし次の瞬間──彼女は足元から力が抜け、水音と共に崩れ落ちる。
「っ……」
右目からは鮮血が流れ落ち、肩で荒く息をついている。
その姿を見たマダラは、仮面の中で目を細めた。
「お前の万華鏡に宿るその術…良い能力だが、チャクラの消費が激しいようだな。
万華鏡写輪眼を開眼しているとなると、少々厄介だ。
ここで始末しておくか…」
マダラが距離を瞬時に縮め、拳を突き出す。その軌道は殺気に満ち、寸分の迷いもなかった。
──瞬間、誰よりも早くミズノの前に立ち、拳を受け止めたのはサスケだった。
ミズノは眉を曇らせながら、彼の背を見上げる。
彼は自分でも説明できない衝動に、身体が突き動かされているように見えた。
胸の奥が、熱く締め付けられる。
けれどそれは、喜びではない。
むしろ、どうしようもなく悲しかった。
その光景を見たサクラの心が大きく揺らぐ。
自分を迷いなく切り捨てようとした彼が、今は彼女を庇っている。
(サスケ君は…私を…)
複雑な感情が溢れそうになった。
ミズノに背を向けたまま、サスケの瞳はマダラを射抜いている。
「お前に話がある…早くしろ」
マダラは殺気に満ちた拳を静かに下ろし、仮面の奥で低く呟いた。
「…まさか…木ノ葉の奴を庇うとはな」
一拍置き、静かに言い添える。
「…まだお前の中には“情”が残っているようだ」
「へぇ…さっきは迷わず切り捨てようとしたのに、今度は庇うなんて…同じ“うちは”だから?
それとも……その女と何か訳あり?」
ゼツはからかうような口調で愉快そうにしている。
サスケは二人を睨みつけると、鋭く吐き捨てた。
「無駄口を叩くな。……殺すぞ」
彼らの皮肉を切り捨て、そのまま振り返る事なく歩み出す。
「サスケ……!!」
ミズノの声は彼には届かず、マダラ達と共に時空の渦に呑まれて消えていった。
残されたのは、水のせせらぎと静寂──。
しばし誰も声を発さない。
ただ風が吹き抜け、戦いの残滓を運んでいく。
サクラは胸に手を当て、俯いていた。
自分の決心の弱さ、サスケを救えなかった悔しさを噛み締めると同時に、彼が彼女を庇ったその光景が頭から離れない。
しかし思いを振り払い、膝をついているミズノの元へ駆け寄った。
「大丈夫ですか…?」
ミズノはサクラに支えられて立ち上がる。
「大丈夫…ありがとう、サクラちゃん…」
カカシはその姿を真剣に見据えていた。
「……ラン……で合っているのか?
とりあえず、一度里に戻る。そこでゆっくり話しを聞こうか…」
ミズノは小さく頷く。
胸の奥で覚悟した。
「はい……わかりました……」
──バシャン!!
「!?」 「ぎゃー!ナルト!!」
突然の水音と共に、ナルトが仰向けに倒れた。
泡を吹き、白目をむいている。
カカシが急いで駆け寄り、彼の様子を確認した。
「頬の傷、これだな…サクラ、すぐ解毒してくれ」
「これって…あの時、私の毒付きクナイで?」
サクラはあたふたしながらも、瞬時に解毒する。
やがて──
「うー……なんかまだ……気持ち悪いってばよ……」
ふらりと身を起こしたナルトが、ぼんやりとした目で唸った。
「ナルト…だ、大丈夫?」
サクラは気まずそうにナルトを支えている。
「さて…みんな戻るぞ。その子も連れて、まずはキバとサイのところへ」
カカシは香燐を背に担ぎ、戦いの余韻が残るその場を後にした。
キバとサイのもとへ戻ると、二人はすでに目を覚ましていた。
キバは不満げに腕を組み、少しふてくされた表情をしている。
「フン!望み聞いてやって、サスケまで見つけてやったのによ。一人でカッコつけてんじゃねーってんだよ!
サイはナルトにベラベラ喋っちまってるし、サスケには逃げられてんじゃねーかよ…ってかランはどこだよ!!
それに、そいつら誰なんだよ!?」
キバは苛立ちをあらわにし、腕を振り上げながらミズノと香燐を勢いよく指差した。
表情には怒りだけでなく、状況を飲み込めない困惑の色も滲んでいる。
「里に戻ってからゆっくり話……」
カカシが言い終わる前に、ナルトがさえぎるように叫んだ。
「キバ!でかい声で、だらだらぐちぐちうるせーってばよ!!!」
「あ!?
ずっとぐちぐちしてたのはてめーの方だろナルト!!」
「あ!…それは言えてますね、単純で頭が悪いわりに考えすぎてましたからね」
サイは、ハハッと声を出して笑っている。
「サイ!!
てめー随分といい顔で笑うようになったじゃねーか!!あ!?」
「ありがとう」
「褒めてねぇー!!!」
ミズノは彼らのやりとりを見て、口元を緩めた。
重苦しかった空気がどんどん和やかになっていく。
ふと空を見上げると、まるで何事もなかったかのように青く澄んだ空が広がっていた。
彼女はあの日から隠してきた全てを背負って、里へと帰っていく。
──物語は次なる幕を上げようとしていた。