テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
HARUKA
夏目
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
11.友達のうた
※⛄️BL
🩷×💚
佐久間side
スカートなんてはかないから
好きなピンクも封印さ
教室の窓に映る阿部ちゃんは、最近少しだけ変わった気がした。
前より髪を気にしたり、誰かからのメッセージに嬉しそうに笑ったり。
その理由が自分じゃないことくらい、ちゃんと分かってた。
だから、変わろうとは思わなかった。
君が好きになる“誰か”には、どう頑張ってもなれないから。
好きなものを並べたって、
無邪気に笑ったって、
君の特別には届かない。
だったらいっそ、
好きなピンクも封印して
ただ“友達”として、隣にいようと思った。
どうせ叶わぬ恋ならば
私男の子になってもいいわ
あなたのそばにいられるなら
“恋愛対象”になれないなら、
最初から一番近い友達でいい。
どうせ叶わない恋なら——
隣で笑っていられる関係を、選ぶ。
ー
阿部)佐久間、最近ピンクの服着なくなったよね
帰り道、ふいに阿部ちゃんがそう言った
佐久間)え〜?そう?
俺は笑って誤魔化す
佐久間)まあ、たまには落ち着こうかな〜って
阿部)でも、佐久間っぽかったのに
その何気ない一言に、
胸が少しだけ痛くなる。
“佐久間っぽい”
それはきっと、
友達としての自分のことだ。
佐久間)阿部ちゃんはさ…
少しだけ前を歩きながら、
小さく笑う。
佐久間)俺がどんな感じだったら、好きになる?
冗談みたいに言ったはずなのに、
返事を待つ時間だけやけに長かった。
阿部ちゃんは困ったように笑って
阿部)え、なにそれ
そう言って、軽く肩をぶつける
佐久間)さぁね〜笑
俺は笑ったまま、視線を逸らした。
本当は、
答えなんて聞かなくても分かっていたから。
ー
少しだけ沈黙が落ちる
夕焼けの道を、二人並んで歩く
阿部)……でもさ
阿部ちゃんが小さく笑った。
阿部)こうやって一緒にいるの、俺すごい好きだよ
その言葉だけで十分だった。
恋人になりたいとか、
特別になりたいとか、
そんな気持ちは消えないままなのに。
俺は、ぐっとそれを飲み込む。
壊したくなかった。
この帰り道も、
くだらない会話も、
隣で笑ってくれる時間も。
だから、笑う。
いつもの自分みたいに。
佐久間)じゃあさ、これからもずーっと一緒ね!
阿部ちゃんは少し驚いたあと、優しく笑って頷いた
その瞬間、ちゃんと分かってしまった。
この恋は、きっと叶わない。
それでも——
隣にいられるなら、それでいいと。
私死ぬまでお友達のままでいいのさ
倉橋ヨエコ 『 友達のうた 』