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sgi『……よし、この物理記事の校閲、こんなもんか』
ソファに深く腰掛け、スマホで最終確認をしながら一息つく。そこへ、背後から音もなく大きな影が重なった。
fkr『……何見てるの?』
sgi『わっ!? ……びっくりした。なんだよfkr、急に後ろから来るなよ』
fkr『ふふ、ごめんね。……お疲れ様』
fkrは176cmのガッシリした体格を預けるように、sgiの首にふわりと腕を回してバックハグする。
sgi『なっ……ただのSNSチェックだって。っていうか近い、近いよfkr!』
fkr『いいじゃん、減るもんじゃないし。ここ、すごく落ち着くんだもん……。ね、もう少しこのままでいさせて?』
優しく囁きながら、sgiの肩に顎を乗せてトロンとした顔でスマホを覗き込む。
sgi『(……こいつ、普段はツンとしてるくせに、二人きりになるとこの甘い声だ。調子狂うな……)』
mon『あ、sgiさん、fkrさん! お疲れ様ですー……って、うわ。何やってるんですか?』
gon『……fkrさん、sgiさんのこと飲み込もうとしてます?』
資料を抱えた東兄弟の二人が通りかかり、目を丸くして足を止めた。
fkr『……あら、monにgon。お疲れ様。今はね、sgiに甘えてるの。邪魔しちゃだめだよ?』
腕を解くどころか、見せつけるようにさらに密着してふんわりと微笑む。
sgi『(おい! 二人の前で堂々と「甘えてる」とか言うなよ!)』
izw『おーい、お前ら! 今日の打ち上げ、場所決まったぞ。そろそろ移動するぞー』
CEOのizwが声をかけ、みんなが立ち上がる。
fkrはようやく名残惜しそうに腕を解いた。
居酒屋に移動してからも、宴会は賑やかに進んでいく。
sgi『あはは! ymmt、その漢字の覚え方は無理があるだろ!』
ymmt『いや、sgiさん! これが一番効率的なんですよ!』
sgiは隣に座るymmtと物理兄弟らしく盛り上がっていたが、ふと視線を感じて顔を上げた。
正面に座るfkrが、手元のグラスを回しながら、楽しそうに笑うsgiをじっと見つめている。その目は少し据わっていて、明らかに飲みすぎのペースだ。
izw『おーいfkr、ペース早くないか? 大丈夫かよ』
fkr『……んぅ、大丈夫だよぉ。……ねぇ、sgiさん、あっちばっかり見てて……全然こっち見てくれないんだもん……』
ふわふわした口調のまま、毒気を含んだ独り言をこぼす。そのまま飲み会は終わり、駅前で他のメンバーと解散して、街灯の下に二人だけが残された。
izw『じゃあなー、お疲れ! fkrさんのこと頼みました、sgiさん!』
sgi『おう!』
sgi『……ふぅ、みんな帰ったな。ほらfkr、シャキッと歩けよ』
fkr『んぅ……sgiぃさん……。もっとゆっくり歩いてぇ……』
fkrがsgiの腕にギュッとしがみつく。夜風にあたって、さらに酔いが回ったようだ。
sgi『ゆっくりも何も、もうすぐ家だろ。……っていうか、さっきからくっつきすぎだって』
fkr『いいのぉ。……外は暗いし、誰も見てないでしょぉ?』
ふにゃふにゃと笑いながら、sgiの二の腕に頬を擦り寄せ、そのままなんとか家の中へ連れ込む。ドアが閉まり、カチャリと鍵がかかった。
fkr『sgiぃさん……。……ねぇ、こっち向いて……?』
sgi『向いてるだろ。ほら、靴脱いで――』
fkr『ちゅ、……ん……ふふ。sgiさん、大好きだよぉ……。ちゅ……』
玄関のドアを閉めた瞬間、fkrがsgiの首にしがみつき、とろけるような笑顔で頬やこめかみに何度も何度もキスを落とし始めた。
sgi『わー! 分かった、分かったから! ……っ、玄関でやるなって! 誰かに見られたらどうすんだ!』
fkr『……だめだよぉ、sgiさん。さっき、ymmtとばっかり楽しそうにしてたでしょ……? 寂しかったんだからぁ……』
sgi『ymmtは仕事の話だよ。っていうか、お前、飲み会中ずっと俺のこと見てたのかよ……』
fkr『……見てたよぉ。……僕以外の人の前で、あんなに優しく笑っちゃだめだよぉ……。僕だけにして……?』
潤んだ瞳で見つめながら、sgiの胸元に顔を寄せて、離したくないと言わんばかりに力を込める。
sgi『(……ダメだ。酔っ払いのこいつは、独占欲の塊だ。心臓が持たない……)』
結局、昨夜の甘い声と頬の感触が頭から離れず、翌朝のオフィスでも全く仕事に集中できない。
ymmt『sgiさん、おはようございます。……あれ、顔色悪くないですか?』
trsk『sgiさーん。本当だぁ、なんだかお疲れですよぉ?』
sgi『あ、ymmt、trsk……。いや、ちょっと寝不足なだけで……大丈夫だから』
fkr『……おはよぉ、sgiさん。あ、そのコーヒー一口ちょうだい?』
昨夜の失態など微塵も感じさせない、いつも通りの涼しげで優しい笑顔でfkrが隣に座る。
sgi『……。……なぁ、fkr。一つ聞いていいか』
fkr『なあに? なんでも聞いて?』
sgi『お前……他の奴、例えばymmtとか、kwmrさんにも……酔った時、あんな風にベタベタしたり、キスしたりすんの?』
fkr『……えっ? 嫌だよ、あんな男たちに触れるなんて。想像しただけで気持ち悪いじゃん。ふふっ』
ニコニコと微笑みながら、即座に、かつ冷徹に切り捨てる。
sgi『(即答かよ……。あんなに優しく笑いながら「気持ち悪い」って……)』
fkr『…………。』
sgi『なんだよ、黙って』
fkr『…………。……あんな姿、sgi以外に見せるわけないでしょ? ……あんまり言わせないで。……バーカ』
ふい、と顔を背けたfkrの耳が、真っ赤に染まっているのをsgiは見逃さなかった。
sgi『(……結局、この優しい独占欲に振り回されてんのは、俺だけってことか……)』